時代はナチュラルから変化
サン=サーンス(Camile Saint-Saens 1835-1921 フランス)の「ホルンと管弦楽のための『演奏会用小品(Morceau de Concert)』」Op.94(1887)。
作曲者自身によるピアノ伴奏の版もある。
3つの部分からなるが、タイトル通り小さな曲。とはいえ、9分ほどの長さがある。
ホルン奏者のアンリ・ショシエに献呈されており、ショシエ開発した新しい“コル・オムニトニーク”という楽器のために書かれた。
“コル・オムニトニーク”は切替装置によって、いくつもの調のナチュラルホルンをそろえなくとも、これ1本で演奏できるというもの。ショシエだけではなく、ほかにもこの多機能楽器を開発した人がいるという。
時代はナチュラルホルンからピストンを採用した楽器へと発達する途上にあり(ドイツではピストンではなくヴァルヴを備えたホルン)、そんななかで生まれた楽器の1つだったのである。
「演奏会用小品」は、サン=サーンスの作品のなかでもあまり知られていない。
いや、ほとんど観賞用作品として位置づけられていないのではないか?
しかし、ホルンのコンクールでしばしば選ばれたりする。
ホルンの機能、盛りだくさん
前にも書いたが、実は私が知ったのもコンクールの場。
ウチの次男は高校生のとき、吹奏楽部でホルンをやっており、たまたまコンクールにも出場したのだが、そのとき息子が吹いたことでこの曲に出会えたのだった。
決して陽気になる曲調ではないが、ホルンが、百面相とまでは言わないまでも、さまざまな表情をアピール。それゆえにコンクール向きなのだろうが、聴けば聴くほどメロディーは魅力的に、味わいは深くなってくる。
今日はバウマンのホルン、マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏をご紹介。
さすがバウマン。流麗な演奏だ。
それに合わせたのかマズアの棒も軽快。ただその分、前に紹介したティンシャル盤に比べ音楽の深みや渋みが乏しいきらいがある。
1985年録音。デッカ。
あれから5日経ったが、腰の痛みは、、、まだひかない。
