ディヴェルティメント

不等号が逆転した日
ずっと
a > b
の日々が続いていた。
しかし、水曜日の夜はなぜか寝つけず、夜中にトイレに行った際にはちょっとブルッときた。
いや、用を済ませたあとにブルッときたのではなく、トイレへ向かうときに寒さを感じたのだった。
そして、木曜日の朝。
起きるとちょっぴり喉が痛かった。
a ≧ b になりかけたのだ。
さらに木曜日の夕方になって、けっこうのどが痛くなった。
完全に
a < b に逆転した。
aは緊張感であり、bは疲れである。
aには“気の張り”を代入してもよいが、bに“気の緩み”や“やる気のなさ”を代入することは不可である。
出張が続いたせいもあり
先週はいろいろと動き回ることが多かった。
火曜日は三重に出張した。参考までに言うと、昼は御在所SAの柿安でハンバーグカレーを食べた。
水曜日は富士市に出張。興味はないだろうが、昼は静岡のハンバーグチェーン店“さわやか”で、ハンバーグを食べた。
木曜日は再度三重に出張した。聞きたくもないだろうが、昼は名古屋に戻ってから“想吃担担麺(シャンツーダンダンミェン)”という店で担担麺を食べた。ここの担担麺のスープは美味しかった。
が、名古屋に来て共通なことだが、麺が細めなのが私にはお気に召さない。札幌のESTAにある四川飯店の担担麺の麺は(特注らしいが)、ラーメンの麺ほど太くないが、こちらの麺よりは太いし断面がほぼ四角である。あの麺はスープと絶妙なマッチングをみせている。
担担麺を食べた数時間後にのどの痛みが本格化した。
まずい!
この日の夜は、自宅でピーマンとウインナーを炒めたが、しっかりとニンニクスライスも入れた。
ニンニクで風邪を撃退しようという作戦である(言っておくが、これ1品だけというさびしい食卓ではない)。
にしても、ハイボールにいつもレモン汁を入れているというのに、風邪というのは一筋縄でいかない奴だ。
早めのパブロン!
金曜日。
しかし、のどの痛みはさらに強くなり、本格的な咳も出るようになった。
新任地での仕事や生活。疲れはたまって来ていたが、何とか気力でそれを克服していた。
しかし、ついに気の張りバリアは風邪の侵入を許してしまった。バリアは1ヵ月もたなかったわけだ。
この日は金沢に出張である。
朝7時に名古屋駅構内の薬局が開くや否やパブロンエースAX錠とヴィックス・メディケイテッド・ドロップのオレンジ味を購入した。
金沢はみぞれだった。それは雨に変わった。
風邪ひきさんの私にとってはよろしくない天候だ。
申し添えて欲しくないだろうが、この日の昼は“もりもり寿司”という店(回転の方ではない)で“こだわり握り”を注文し食べた。もちろん店は私のチョイスではない。この日は5人で行動していたわけで、金沢のことをなにも知らない私以外の4人はここに決めていたらしい。私1人だけだったらまた担担麺を食べてむせかえったことだろう。
なかなか美味しい寿司だった。
ボク、苦手なアジもハマチも食べたよ!
そして昨日の土曜日。
ほんのわずかにのどの痛みは残っていたが、驚異的な回復を見せた。私が。
パブロンエースAX錠とヴィックス・メディケイテッド・ドロップ(オレンジ味)のおかげであり、かつ今回は食欲が落ちなかったことが勝因だと思われる。もちろんハンバーグ・パワーも回復を後押ししてくれたのだろう。
元気で爽やかな姿で私は金沢をあとに……
昨日の朝の金沢駅。
特急“しらさぎ”に乗る前に改札内のトイレに立ち寄ると、天井のスピーカーからはモーツァルトの軽快で爽やかな音楽が流れていた。私の回復を祝福してくれているかのように。
そのモーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756-91 オーストリア)のディヴェルティメント ニ長調K.136(K6.125a)。
この作品はK.137~138(K6.125b~125c)とともに1772年に書かれているが、3曲合わせて「ザルツブルク交響曲(Salzburger Sinfonien)」とも呼ばれる。
編成は2つのヴァイオリンとヴィオラ、チェロであり、弦楽四重奏とも見なせる。
一方で、各パートを複数人に割り当てて小アンサンブル編成で演奏することもできる。
また、これらは通常のディヴェルティメントの形式とは異なりメヌエットを除いた3楽章構成で書かれているため、のちに管楽器を加えて交響曲の形に仕上げるつもりだったのではないかという説もある。
ただ、この時代はディヴェルティメント(喜遊曲)とかノットゥルノ(夜想曲)などのジャンルの明確な区別はなかったのも事実である。
コープマン指揮アムステルダム・バロック管弦楽団の演奏を。
1989年録音。エラート。
K.136はとても有名な曲だが、それでも耳にするたびに新鮮な喜びを感じるのは、やはりモーツァルトのすごさである。
ウィーンでは大物を抑える人気ぶり
ホフマイスター(Franz Anton Hoffmeister 1754-1812 ドイツ)の管楽のためのセレナード。
今日紹介するCDには、
① パルティータ第3番変ロ長調(2ob,2cl,2hrn,2fg,cb)
② パルティータニ長調(2ob,2hrn,2fg,cb)
③ ディヴェルティメント第4番変ロ長調(2ob,2cl,2hrn,2fg,cb)
④ パルティータ変ホ長調
の4曲が収められているが、作曲年など上記情報以外の細かな曲については不明。
③以外は“Parthia”と表記されており、この単語を私は知らないのだが、タワレコのオンラインショップのページではパルティータ(Partita(伊))と書かれているので、ここでもそれにならった、真似した、食いついた。
ホフマイスターはウィーンで活躍した作曲家で、当時はかなりの人気を誇っていた。
ハイドン(1732-1809)、モーツァルト(1756-91)、ベートーヴェン(1770-1827)などと時代が重なり、実際ホフマイスターと交友関係にあった。
出版社設立
そしてまた彼の大きな功績は、同時代の作曲家の作品を出版したことである。
出版社を起ち上げ、自身や上に挙げた3人の大作曲家のほか、クレメンティやディッタースドルフなどの作品を出版したのだった。
ここに収められた4曲の管楽セレナードは、ハイドンやモーツァルトに似た匿名的な楽想のものもあるが、「これってほかではあまり聴けないよね」っていう変化に富んだ、かつ大胆な響きの曲も多い。
ということは、お昼寝のときにかけるには、ちょっと刺激が強すぎる。
余計なお世話だろうけど、昼寝のときはハイドンをお薦めしたい。おいそれと寝かせてくれないユニークさをホフマイスターの曲は持っている。 この当時は管楽器のための小アンサンブルのための音楽はかなり人気が高く、ディヴェルティメント、セレナード、パルティータが多く作曲されていた。
ホフマイスターも楽譜の売れ行きも計算して、これらの曲を書いたのかもしれない。
また、裏付けはないが、これらの曲は野外音楽だった可能性もある。当時は野外パルティータなど上に書いた管楽小アンサンブルの曲が人気だったのだ。その、ある意味野蛮なところをそぎ落として、真の室内楽曲へと発展させたのがモーツァルトだった。
野外音楽だったのに室内楽曲だなんて、いまの分類、おかしいですね……
コンソルティウム・クラシクムによる演奏。
1992年録音。CPO。
朝から漆黒の闇
昨日の記事にちょっと触れたが、朝パソコンのスイッチを入れると、最初のメッセージが画面が出たあとは暗黒の闇。ウィンドウズの画面に進まないのだ。ハードディスクも動いていない。ということは、ずっと待っていてもそれ以上の展開はないということだ。
電源ボタンを押して強制的にOFFにし、もう一度電源スイッチを押す。
またまた最初の画面が出たあと、通常起動かセーフモードで起動するかきいてくるので、セーフモードにする。
さらに復元するかどうかきいてくるので、復元するを選ぶと、しば~らく“復元中”の画面のままで、そのあと再起動。なんとかウィンドウズの画面も出てきて、回復できた。
しかし動作が不安定。
もう一度再起動すると、またまた最初の状態に。
も一度セーフモードで復元して、ってことでなんとか元に戻した。
実は自宅のFM V-BIBLO(Vista機)は、ハードディスク(C:)の空き容量が少なく、私はしばしばディスククリーンアップをしている。その際は過去の復元ポイントも削除している。そうしないと空き容量がほとんど増えないからだ。
だから復元ポイントは残っていないはず。
それなのに何を頼りに復元したのか、なかなか不思議なことだ。
前日の夜、やはり空き容量を増やそうと不要なファイルをいくつか削除した。
KINGSOFTのウィルス・セキュリティソフトを新しいヴァージョンに変えてから、“不要なファイルがあります”とご親切に教えてくれる。それを鵜呑みにして指示通り消すととんでもないことになるのだが、昨日はそのなかから自分でも慎重にホントに不要そうなファイルをプログラムを削除したのだった。
でも、ハイボールをけっこう飲んだあとの私の慎重さなんて、まったく信用できない。
きっと不要と判断した必要なプログラムを消してしまったに違いない。
最悪はC:ドライブ全体をすっかりリカバリーしなきゃならないところだったが、なんとか助かった。
にしても、なんとかして空き容量を増やせないだろうか?
使っていない富士通のソフトをアンインストールしようとするとエラーが出たり、スタートアップでの起動を無効にするとお叱りのメッセージが出るし……
マイコンピュータで各ドライブを表示させたときC:の棒グラフが赤く表示されていると、ホント、気持ち悪くなる。
チャラ、チャラララ……じゃわからない?無理もないです
“モーツァルトのメヌエット”と呼ばれる、おっそろしく広く知られている曲がある。
「チャラ、チャラララララ、チャラララララ、チャララララララァ~ン」ってものだ。
コマーシャルとかいろんなところで使われている。
えっ、理解できない?
しょうがないなぁ。
こういう曲だ(譜例は「作曲家別 名曲解説 ライブラリー 13 モーツァルト」(音楽之友社)に載っているもの)。
さて、この“モーツァルトのメヌエット”は独立した楽曲ではない。
モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756-1791 オーストリア)が1779年から1780年(自筆譜が紛失しているためこの間に作曲されたと幅がもたれている)にザルツブルクの名門ロビニッヒ家のために書いたディヴェルティメント第17番ニ長調K.334(K6.320b)の第3楽章である。
ロビニッヒ家は鉱山業者で、主人であるゲオルグは1760年に亡くなっていたが、未亡人のヴィクトリアが音楽好きで知られていた。この曲もヴィクトリアから依頼されたと推測されるが、どのような機会のために書かれたのかははっきりしない。
特定の行事や機会のために書かれたものが機会音楽なり
このディヴェルティメント(Divertimento)はモーツァルトがザルツブルクにいた時期に書いた最後の“機会音楽”。
第3楽章のメヌエットが非常に有名なためにそこだけが単独で演奏される機会が多いのだが、音楽学者のアインシュタインが「室内楽的な様式とコンチェルタンテな様式とが溶け合い、完全な域に達している」と評しているように、曲全体が見事な出来なのである。フランス風な優雅さだけではなく、内向的な陰りを感じさせる楽章も実に味わい深い。
1. アレグロ
2. 主題と変奏(アンダンテ)
3. メヌエット
4. アダージョ
5. メヌエット
6. ロンド
なお編成は、2 hrn,2 vn,va,vc。
オリジナル楽器使用を使っているというディヴェルティメント・ザルツブルクの演奏を。
残響が多めの録音で、広いお屋敷のなかでの祝宴の場で聴いているような気分になる。でも、距離感がとても近くて、自分のすぐ横で弾かれているようである。せっかく広いんだからゆったり空間を使おうよと、ちょっぴり言いたくなる。
1980/82録音。クラーヴェス
CDにカップリング収録されている行進曲ニ長調K.445(K6.320c)は、ディヴェルティメント第17番に追加したものと考えられている。
金曜日は“スーパーおおぞら”で札幌へ。
土曜日は朝からバラの冬囲いはずし。
午後はワケあって胆振管内のある町へ。
この週末に関する報告はあらためて。

モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756-91 オーストリア)の「5つのディヴェルティメント(5 Divertimenti)」変ロ長調。
各曲とも5つの楽章からなり、第1番~第4番はK.Anh.229、第5番はK.Anh.229a。K6.番号では5曲まとめてK6.439b。作曲年は1781-82頃あるいは1785年頃と考えられている(K.Anh.番号、K6.番号についてはこちらを参照のこと)。
この5曲の自筆譜は早くに失われたため、楽器編成や作曲年代がはっきりとわかっていない。
しかし、1813年には「第6番」も加わった形で、2種の編成の楽譜が「セレナード」として出版されている。
その1つは2クラリネットとファゴットによる三重奏のもの。もう1つはこの3つの楽器に2ホルンが加わった五重奏のものである。
ただし「第6番」はモーツァルトの手による曲ではなく、何者かが「フィガロの結婚」や「ドン・ジョヴァンニ」のアリアを編曲して5楽章仕立てにした作品である。

その後の研究で、2ホルンは他人が加えたものとわかり、オリジナルの編成は2クラリネットとファゴットとされたが、バセットホルン3本のために書かれたという説もある。
ここでは2クラリネットとファゴット(バスーン)による演奏を。
これらの曲を耳にすると、宮廷での食事の際にBGMとして演奏するために作られたのではないだろうかと想像してしまう。
食事に限らず、休日の朝にかけるとなかなか良い感じである。
Henk de Graaf と Jan Jansen のクラリネット、Johan Steinmannのファゴット。「第6番」も収録されている。
第6番も、有名なアリアのメロディーが次々現われ楽しい。“何者か”に感謝はしないまでも、責める気もなくなる。
2001年録音。ブリリアント・クラシックス。
三重奏なのに《管弦楽曲》扱い
ところでこのディヴェルティメント、2clとfgという編成なのに今日のブログのカテゴリは《管弦楽曲》である。《室内楽曲》じゃないのかというお叱りを受けそうである。でも、受理しないもんね、アタシ。
モーツァルトが残したディヴェルティメントには管弦楽によるものもあれば、管楽だけのものもある。また弦楽については各声部1名のものもあれば複数のものもある。つまり管弦楽曲か室内楽曲なのか線引きが難しいのである。
これは彼のセレナードやカッサシオンでも同じ。
ということで、モーツァルトのこれらのジャンルの作品は管弦楽曲として扱わせてもらっている。
本当ならば管弦楽曲なのか室内楽曲なのかという分類よりも、ディヴェルティメント、セレナード、カッサシオンと分類する方が妥当なのかもしれない。
その分け方もけっこうあいまいさが残るのだが……
言い訳してごめん……
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