「天一」違い
札幌東急百貨店地下の「天一」が1月末で退店してからというもの、札幌駅周辺のデパ地下では天ぷら専門店の天丼弁当を買うことができなくなった。
いや、札幌駅周辺のデパートといっても、東急のほかには大丸しかないが……
いや、札幌駅周辺のデパートといっても、東急のほかには大丸しかないが……
「天一」といえば、6月6日のライブドアニュースの見出しに『天一の大量閉店「離脱」が原因?』というものがあった。
札幌東急百貨店以外でも、全国で「天一」の閉店が進んでいるのか?
『離脱』って、海老から衣がはがれる事故が相次いだのか?
と思って記事を読んだら、「天一」って「天下一品」のことだった。
そうだよな。「天冨良 天一」 が、『大量』と表現されるほど店舗の数があるわけがないもんな(でも、それなりにはある)。
スタンダードに対抗するのは「サービス」
で、話は戻るというかここから始まるが、時計台の横のビルに入っている「年金相談センター」まで行った私は、そこはもう大通公園のすぐ近くなわけで、15分ほど時間をつぶせば「丸井今井」が開店し、「ハゲ天」の「スタンダード天丼」(もしくは張り切って「大エビ天丼」)を買うことができることに気づいてしまい、十代の若者が入れない中華料理店やよだれが出そうになるプリンアラモードのサンプルを観察したあと、10:05に丸井今井の地下入口前に着いた。
なぜ、10オクロックでないかというと、それならまるでがっついているかのようではないか!だから5分ずらしたのである。
しかし!
丸井の入り口は暗かった。
店の中もうす暗かった。
入り口前の立て看板を見ると、『開店10:30』と書いてあった。
私は、天丼を買うのにまだあと30分も待たなければならないのかと、地下コンコースの天井を仰いだ。
あと25分待つべきか?
と、そのときひらめいた。
もしかすると、三越は10時開店じゃなかっただろうか?
三越の地下に天ぷら専門店が出店しているかどうかは知らないが、行ってみる価値はある。
私はその価値に期待して地下を歩いた。
三越は開いていた。
地下1階のフロアに行く。
あった!
「蛯天」があった。
急く気持ちを抑えながら店の前に行く。
すでに「サービス天丼」(779円)が並べられていた。
しかし、私の窮状を救ってくれたことに感謝し、大盤振る舞いで特製天丼を頼んだ。
店員さんは「特製天丼ですと、これから天ぷらを揚げますので少々お時間がかかります。お待ちいただけますか?」と言った。
待っても良かったのだが、でも開店直後の忙しいときに、揚げ場担当の職人さんに余計な手間をかけさせてはいけないと思い、「では、サービス天丼にします」と答えた。
厚かましいオバサンのように「だから、ちょっとサービスしなさいよ」なんてことは一切言わなかった。
「申し訳ございません。ありがとうございます」と言う店員さんはとても応対が丁寧で感じが良かった。
こうして「サービス天丼」が入ったレジ袋をぶら下げて、私はチカホを歩いて会社へと戻った。
私の好みではないサツマイモの天ぷらが入っているのは、定番アイテムだからしかたない。
かつて食べていた「天一」よりやや硬めの衣だが、おいしかった。
♪ MUUSAN の今日の一曲 ♪
J.S.バッハ(Johann Sebastian Bach 1685-1750 ドイツ)の「フルートとチェンバロのための3つのソナタ(Sonaten fur Flote und obbligato cembalo)」から第1番ロ短調BWV.1030(1738)。
J.S.バッハ(Johann Sebastian Bach 1685-1750 ドイツ)の「フルートとチェンバロのための3つのソナタ(Sonaten fur Flote und obbligato cembalo)」から第1番ロ短調BWV.1030(1738)。