油難
先週の水曜日。
朝、札幌駅立売商会(弁菜亭)のワゴンの前に行くと、その日の「日替り弁当 A」は回鍋肉だった。そう、カイナベニクではなくてホイコーローである。でも、回鍋肉気分ではなかった私は、購入を見送った。あっさりとそう決断したのは、午前中に外勤する予定があって、その帰りにどこかで弁当を買えるという恵まれた状況に私は置かれていたからだ。
その外勤帰りに札幌東急百貨店の地下に行き、この日はビエンナーレで「若鶏の香草焼き弁当」を買った。
このチキンの下にはたっぷりと油が入っている。過去の経験を踏まえ極力まっすぐに傾けないように持ち歩いたが、食べる段になってすでに油は外ににじみ出ているという災難に見舞われていることが判明した。
弁当を入れてくれていたポリ袋から出さずに、ポリ袋を破き、そのまま下敷きにして食べた。
鶏の味はいいのに、この弁当は危険すぎる。前にも書いたが、鶏以外には酸っぱいニンジンと私のお好みでないポテトしか入ってないし……(でも若鶏のおいしさをたっぷりと味わえるし、ボリュームもある)。
でも、なぜ鶏肉と一緒にあんなにたっぷりとオイルを入れなきゃならないのか、私にはわからない。繰り返して言うが、持ち歩くのに危険極まりないったらありゃしない。
そしてまた、いつの間にか駅前の佐藤水産が入っていたビルや道銀が入っていたビルが無くなっていた。エスタも今年の秋に解体が始まるそうだ。
甘い心地……
さて、昼のオイリーな受難はさておき、この日の帰りは、途中で DCM に寄って イチゴの苗を買った。
イチゴが成っていたら、お孫ちゃんが遊びに来たときに喜んでくれるかもしれないと思ったのだ。考えてみれば、私が子どものとき――のちにそこで同居することになったのだが――札幌の祖父母宅に遊びに行くと、庭にはブドウや梅、クルミに栗、梨やグミの木が植えてあって、それを喜んで食べるわけじゃないが、楽しかった思い出が私にはある。そういう体験が、急にイチゴを育ててみようという気にさせたのかもしれない。
買ってきたその日(夕方)のうちに、鉢に4株を寄せ植えした。
イチゴを最後に育てたのは3年前のことだ。
しかし、実が成って喜んで手に取ると、裏がワラジムシに食われているとか鳥につつかれているといったはらわたが煮えくり返るような被害に何度も遭い、「もう、やーめた」って気になったのだった。
しかし、今回は地植えではなく、鉢で育ててみることにした。また、いちごの品種は「あまごこち」という四季成りのものを選んだ。
苗の状態は必ずしも良さそうではなかったが、元気になってたわわに実ってくれることを期待したい。もちろん、ワラジムシやダンゴムシやアブラムシ、そして鳥と精一杯戦い抜く気構えである。入り替えた網戸の残りの網で鳥から守ることも計画中だ。うどん粉病にも警戒しなければ。
素直に左折
翌日の木曜日の朝は気温が低く、5月の下旬だというのに、スーツの上にジャンバーを着て家を出た(家出したという意味ではない)。
札幌駅に着き、またまた弁菜亭のワゴンに向かおうとしたが、その先の光景を目にしてカチカチカチ。心のウインカーを点けて私は左折した。
というのも、弁当(非駅弁の弁当)は黒い布で覆われ、まだ開店前だから売れませんという決然とした意思を示していたからだ。いや、覆われているというよりも、ワゴンの上の商品群が黒布できっちりと包まれているような、そんな状態だった。
なので私は左折してそのあと右カーブして、あるいは車線変更しながらファミリーマートに向かい、またまた「チキンステーキ&ガーリックライス」を買った。ついでにファミマルの海苔のカップみそ汁も買った。
この日もおいしくいただいた。とても満足した。
帰りの電車は721系だったが、ぶつかった虫で顔がやたら汚れていた。
そしてまた、庭ではバーバスカム・ビオレッタが咲き始めた。
そういえば3月31日に終売になるのを知り、その前に最後に買っておこうと思ったのに、ビエネッタが手に入らなかったことを思い出した。
♪ 今日の一曲 ♪
ブクステフーデ(Dietrich Buxtehude 1637頃-1707 ドイツ)のコラール前奏曲「甘き喜びのうちに(In dulci jubilo)」H.4-3-14,BuxWV.197。
ブクステフーデ(Dietrich Buxtehude 1637頃-1707 ドイツ)のコラール前奏曲「甘き喜びのうちに(In dulci jubilo)」H.4-3-14,BuxWV.197。