貧乏性なもので……
 話が行ったり来たりして申し訳ないが(←口先だけで、実はそれほど申し訳なく思っていない)、再び先週の木曜日の話。
 そう、昼に「厚切りポークのジンジャーソース」弁当を食べた日のことだ。

 この日の夜も、調理担当は私。
 この日の私は出社日だったというのに、なんと感心な振る舞いだろう!と言いたいところだが、接客業の仕事をしている妻の方がはるかに疲れているのだ。

 冷蔵庫のチルド室に挽き肉があった。
 冷蔵庫の野菜室に安くなっていたので大袋で買ったピーマンが6個残っていた。
 なので、肉詰めピーマンを作った。←祝!三段論法成立

 しかし、出来上がった肉詰めピーマンは、肉とピーマンの間にニトリのすき間家具が入るくらいすき間ができてしまった。私に断りなく、焼いているうちに肉は縮み、ピーマンはハリとツヤを失って弛緩したのだ。

 妻が言うには「挽き肉をけっこうぎっちり詰め込まなきゃだめ」。

 そうなのか……
 私の生来の貧乏性が料理の仕上がりに正直に反映してしまった形だが、焼く前にぎっちり作戦のことを教えてほしかった。私としては、ご丁寧にピーマンの個数に合わせて挽き肉の量を分配したのだから。
 なお、左側の一品は湯豆腐。2日前に期限が切れた豆腐を消費するため、急きょテーブル上に強制参加させた。

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  いやな予感がいやなことに的中
 夜の9時過ぎに用事があって2階の自室――といっても、前にも書いたとおり長男が使っていた部屋だ――に行ったのだが、部屋に入る前に何か嫌な予感がした。

 照明をつけると、なんと、壁に大きな汚れが!
 その黒いものは汚れではなく、大きな邪悪極まりないゲジゲジ(正式にはゲジ)だった。

 私の予感は当たってしまったのだ。当たらなくていいのに。
 でも、すごい。予言者になれるかもしれない。ノストラダムーサン……

 もちろんゲジゲジの写真なんて撮っている余裕はない。
 目を離したすきに高速で逃走してしまう恐れがあるからだ。行方不明になったら不安で夜も眠れない。それに、あなただってゲジゲジの写真なんて見たくないだろう。

 ゲジゲジが張りついていた場所は、オーディオ機器の後ろ側の壁の床から1.5mほどの高さのところ。
 こっちの様子を窺うようにじっとしている。
 ゲジの目は左右それぞれ200個くらいの複眼から成るそうだ。ということは、いまあいつには私の顔が400個見えているということか?この岩城宏之みたいな感じで

 とにかく、アンプや CD プレーヤーの近くなのでアースジェットをかけるわけにもいかない。
 いや、殺虫剤をかけて苦しみもがきながら大暴れされても困る。カマドウマのように飛び跳ねまくることはないだろうが……

 私はとっさに近くにあった、たたんであったヨドバシ.com の小さい段ボール箱を手にしやや強めに叩き、床に落ちたあと逃げようとしたそいつを今度は怒りと憎しみを込めて強打した(実は最初の一撃で動けなくなると思っていたのだが、そこは私の計算ミスだった。身に着いた優しさが出てしまったのだろうか?)。
 こうして邪悪なものは駆除された。床にはもげた脚が何本かピクピク動いていた。
 ヤフオクで何か売れたときに発送に使おうと思っていたその段ボール箱は、汚らわしいものとして即刻屋外追放処分となった。

 それにしても今月に入って、家の中にゲジゲジが出現したのは2回目だ。
 前回は1階の廊下の壁、そして今回。いずれも同じ時間帯だ。
 春になったわいと喜んでばかりはいられない。陽気に駆られてこういう気味の悪い生物――ゲジゲジは益虫だというが(やつらは昆虫じゃないけど)、それ以前の問題だ――や変態が出没するようになるからだ。もっとも江別あたりでも、真冬でも下半身を露出しているオヤジがいたそうだが。

  ソウルフードで気を取り直し
 不快かつ怖い思いをした翌日は在宅ワークの日。

 昼はホンコンやきそばを作って食べた。
 爽快な気分にまではならなかったが、ソウルフードの味に幸せな気分にはなれた。
 どーでもいい話だが、最近ホンコンやきそばを作るときは、ほんのちょっと水の量を多めにしている。

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 この日の夜。
 寝る前に自室に行き、緊張感をもって臨戦態勢で照明のスイッチをオンにしたが、そこには邪悪な者の姿はなかった。
 とりあえずはほっとした。

♪ 今日の一曲 ♪
 バルトーク(Bartok,Bela 1881-1945 ハンガリー)の「醜いもの(Egy torz)」(1911)。
 「2つの肖像(Ket portre)」Op.5,Sz.37の第2曲。

BartokPf3