いまさら下げ方向にはフンフン歌えない?
先日の記事で、「第九」(ベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調Op.125)の第1楽章の最初の炸裂箇所のスコアを載せた。
まるで霧の中から何かが迫って来るように徐々に盛り上がり、ついに『ダ ダーン』と ff で爆発的に第1主題が姿を現す箇所。
その最初の2つの音(赤枠で囲んだ部分)の箇所の楽譜を、たぶん50年近くぶりで、その記事を書いたときに目にしたのだが、そのときに「私の耳は節穴だったのか?」というほど驚き、またその後もなんとも現実を受け入れがたいような気持ちが続いている状態だ。
というのも、『ダ ダーン』の最初の『ダ』の音よりも、次の『ダーン』の方の音が高いのはフルートだけということを知ったから。
私は「第九」を初めて聴いたときから、ずっとここは
ダーン
⤴
ダ
と、オーケストラが放つ音の塊が最初の音より次の音の方が上がって聴こえていたからだ。そして、鼻歌でもそのように歌っていたのだ。中学生の時分から。
ところが、フルート以外は、同じ音か、下がっていることにショックを受けたのだ(おや、コントラバスはオレンジ色の線を引かなきゃならなかったのに間違った)。
みなさんは、2つ目の音の方が上がっているようには聴こえない?
これを知ったあと、手許にあるいろいろな「第九」の演奏を聴いてみたが、どう自分をごまかそうとしても、私の耳には『ダ
ダーン』としか聴こえない。

それとも、上がるのはフルートだけでもそのように聴こえるのがベートーヴェンのオーケストレーションの匠の技なのか?
私が持っている古本のようなにおいを放つスコアに間違いがあるのではないかと、ほとんど可能性がゼロではあるものの、疑いを持って紀伊國屋書店で全音楽譜出版社の zen-on スコアも見てみたが、やっぱりオントモのスコアと同じだった。
でも、私は訴える。
それでも2番目が高く聴こえる、と。
さて、全然関係ないが、江別市内の某スーパーの駐車場横で、春の兆しを目にした。
フキノトウだ。
伸びてくると厄介極まりない雑草だが、この時季のこの姿は実に愛らしい。
また、わが家の庭のチオノドクサもつやつやの葉の姿を見せ始めている。
ありがとうございます。ただ、私の場合は、どの演奏を聴いてもそのように聴こえるのです。ヘンなの。