私は自ら吐いた余計なひと言で、今後トイレ掃除をさぼってはいけないことになった。

  景観を損ねる菊の花
 オディールさんが転勤先から「その後、新しいトイレの使い心地は快適ですか?」と心配してメールを送ってくれるほど好評(もしくは不評)となったこのレポートも今回が最終回である。

 北海道の場合、冬場は水道管凍結の恐れがある。そのため床下の配管にはポリエチレンなどでできた保温チューブ(カバー)が着けられている。

 それはトイレ内に立ちあがっている床上まで水道管を覆っている。

20250124Kikuza

 そしてその上端は、チューブの端面を隠すために『菊座』というギザギザの金属のカバーで覆われている。
 『菊座』というのは肛門の異称でもあるが(えっ、知らなかった?余計なこと書いてごめん(←とは、これっぽっちも思っていない))、この場合はもちろんそうではなく、正統的な『菊の花をかたどった座金』のことである。菊の紋章で端面を化粧するわけだ。

 この『菊座』、新しいうちはキラキラと輝いて文字通り『化粧する覆い』としての役割を果たしていたが、年数とともにほこりがたまり、そのうち湿気などでほこりが固着し、いろいろやっても汚れがとれなくなってしまった。それはまるで、拭き足りない、あるいは洗い足りない肛門のようだ(って、やめなさい!)。

 せっかくトイレの床も便器も便座もきれいになったのに、いやきれいになったがゆえに、汚れが溝にはまり込んだ輝きを失った菊座はトイレ空間の景観を損ねることになった。

 そこでネットで『菊座』を調べると、こういう商品が売られていた(『菊座 隠語』と検索するとあらぬ方向へ行ってしまう)。

202501AlmiKikuza

 が、私には『20A』と言われても、サイズ感がまったくわからない。
 それでもこれで、「アルミ菊座」なる製品が世の中に一般的に売られていることはわかった。ならば、DCM などのホームセンターにもあるに違いない。実物を確かめて購入しよう。
 保温チューブの直径と水道管の直径を測り、後日 DCM に行った。

 しかし『アルミ菊座』は見当たらなかった。
 そのかわり、『シーリングプレート』という金属製の『覆い』が売られていた。
 サイズは4種類くらいあり、その中の『20A』というのが、測っていったウチのサイズと一致したので、1階と2階分の2つを購入した(なお、下の写真はワケあって『25』サイズのもの)。もちろん、会計のときには正々堂々、意気揚々とスマホで「マイボ会員証」を提示した。

202503Plate1

202503Plate2

 『菊座』をはずし、『シーリングプレート』をかぶせた AFTER の様子がこれ。

202502Sealingplate

 これなら、汚れても簡単にとれそうだ。

♪ 今日の一曲 ♪
 シベリウス(Jean Sibelius 1865-1957 フィンランド)の「ひな菊(Bellis)」。

 ピアノ曲「5つの小品花の組曲。5 Pieces(Die Blumen)」Op.85(1916)の第1曲。

SibeliusPf