連続するのは肉体と精神の両方に良くない
 今日はひな祭りである。

20250225Hinakazari

 そんなこととは関係なく、8日前の日曜日の話。

 昼少し前に妻が「豚の小間切れを買ってあるから、今日はカレーにしようと思うんだけど、作るの頼んでもいい?」と私に聞いた。
 「もちろん!」と私は答えた。妻は忙しいのだ。もうすぐ1歳になるお孫ちゃん(弟)のよだれ掛けを作ってあげなきゃならないのだ。春から保育園に毎日通うようになるので何枚も作ってあげる必要があるのだ。

 カレー用の豚の角切りでなく、安物の小間切れであることが不満だが、物価高の折りなのでいたしかたない(カレールーの値上がり度合いもひどい。これって本当に便乗値上げじゃないのだろうか?)。

 「もちろん!」と答えた私は、昼は餅入りのラーメンにしようとひらめいた。
 だが、ちゃちゃっと済ませたかったのでラーメンはインスタントの袋麺にした。でも、由緒正しきマルちゃん正麺である。値段だっていっちょ前なのだ。それにしても、いやぁ、『The 炭水化物』!

20250223Seimen

 さて、カレーの問題点は、気がつけば量が多く出来上がってしまうということである。
 カレーを続けて食べるのは2食までで勘弁してほしい。私には2食までが限界だ。さらに3食続くと勘弁などと悠長なことを言ってる場合じゃなく、胸焼けする。確実に。鶏むね肉を焼いたものは好きだが(もも肉はもっと好きだ)自分が胸焼けになるのは嫌だ。そもそも2食続けてカレーを食べたら、そのあと数日間はカレーを食べたくなくなる。体が拒否するのだ。
 これから先、収入が減りプアーな暮らしになったらそんなわがままは通用しないのかもしれないが、今の時点では胸焼けしてまでがまんして食べたくない。

 こうして残ったカレーは深皿に移し替えられて冷蔵庫に保存され、そのうち茶色い液体が分離し始めて、結局何日かして「やっぱ食べちゃわないとだめか」と、かきまぜてはピピー、またかきまぜてはピピーと全体が均一に温まるように何回かに分けてレンジアップして、涙ながらに食べることになる。

  未開封のルーに手をつけるな
 そこで、今回私は、夫婦二人でそれぞれ2回食べたら鍋底が見える分量だけを作ることを最重要課題に位置付けることにした。カレーは作っている最中についつい水を増し増ししがちだが、今回は外で雪庇が落ちようと、カラスがウチの物置の屋根で油を売っていようと、江別市からの『江別市民会館の近くで中年の男性が寒さにもめげずヘラヘラした顔で下半身を露出して歩いていました』という注意喚起の LINE の通知音が鳴ろうと、水を足すために鍋のふたを開けることを絶対にしないよう決めた。

 それは中途半端に残っているカレールーを今回で使い切り、新たな半端も発生させないという目的も併せ持っていた。
 ウチで使っているハウスバーモントカレーのルーは1パック6片(6かけ)である。

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 しかし、冷蔵庫の中に中途半端に4片が残っていたのである。
 前回カレーを作ったときに1パック(6片)を鍋に入れたものの味が薄く(もしくはとろみが足りず)、さらに2片追加。その残りってわけだ。それにしても、そのときーこのときも私が作ったのだがーに鍋いっぱいに出来上がってしまったカレーのことを思い出すと、胸がうずく。出来上がった瞬間に、「これを夫婦二人で消費しなければならないのか」というプレッシャーに襲われたのだ。

 今回は、この4片しか使わない。水も足さなきゃルーも足さず。がんこじじいのようにそれを貫くことを、私は片手鍋に誓った。

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 ルー2分の1箱分(1パック=6片。6皿分)の場合の水の量は750ml と書いてある。ということは、4片なら理論上の水の量は、

 750 ÷ 6 × 4 = 500ml

ってことになる。そしてこれは4皿分ってことにもなるので、ほぅら、夫婦二人で2回分。バッチグーではないか!

 たまねぎは2個使用。印度カリー子のレシピでカレーを作るときに買った「ぶんぶんチョッパー」を久しぶりに箱から出し、今回はこれでみじん切り(1個半)。残り半個はくし切り(食感を残すため)。ニンジンは2分の1本、豚肉は300グラム。

 おろししょうが少々を入れて豚肉を炒め、いったん取り出す(余分な油を切るため)。
 みじん切りにしたたまねぎを茶色く色づくまで炒め、そのあとさいの目切りにしたニンジンとくし切りにしたたまねぎを入れ、さらに豚肉を戻す。
 少し炒めたあと水を500ml 入れ、沸騰してから20分くらい煮込む。
 加熱をやめ、あくを取ったあとカレールーを4片入れ、よくかき混ぜて溶かす。そのあと弱火で10分以上煮込む。
 加熱を終える数分前にすりおろしたリンゴ(8分の1個分。これ、入れすぎると甘ったるくなりすぎるので注意が必要)を入れてかき混ぜる。いや、嫌だったりめんどうだったりするならリンゴを入れる必要はない。もともと『りんごとハチミツとろ~りとけてる』んだし。この日、たまたま冷蔵庫の野菜室の中に取り残されていたリンゴを発見したから入れたに過ぎない。

 ってことで、心を鬼にして水もルーも当初計画を変更することなく作ったら、ちゃんとできました、ちょうど4食分が!

20250223Curry

 今回も味がちょっと物足りない感じがした。いつもならここで「じゃあ、もう1個か2個、ルーを足してみよう」って行動をとってしまうのだが(そして次回繰越の半端が発生)、印度カリー子が「味が落ち着かない?コクが足りない?と感じるときは、たいていが塩不足」と著書に書いてあったのを思い出し、塩をほんの少し入れてみた。すると、まさに味もバッチグー。ルーを足せばいいってもんじゃないことを実感した。塩ではなく味噌でもいけるかもと思ったが、取り返しのつかない味になる恐れもあるので今回はやめた。

  朝から元気だこと……
 この日の夜と翌日の振り替え休日の朝、私はカレーを食べた。
 これは朝のもの。俗に言う『朝カレー』ってやつだ。これで私の分は完食ってことになる。

20250224Curry

 手前に写っている謎の軟体動物のような物体は、ギョーザである。2日前に食べた餃子の残りをのせて、ちょいと「みよしののぎょうざカレー」風にしてみた(下の写真は「みよしの」の HP から転載)。

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 さらに、この日の昼は「菊水」の麺(味わいづくり札幌生ラーメン)とスープで、しょうゆラーメンを作って食べた。小ライス付きで。「菊水」さん、創業75周年おめでとうございます。

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 朝からぎょうざカレー(しっかり両面を焼いた目玉焼き(オーバーハードという)と指サックのようなウインナーを添えて)を食べ、昼はラーメン+小ライスとは、なかなか旺盛な64歳ですこと(←食欲に関しては)。

 って、珍しいことでも、自慢するようなことでもない、ただ「少しばかりのカレーを作ってみました」っていう話を、たいそうなことのように長々と書いてゴメン。

♪ 今日の一曲 ♪
 ラヴェル(Maurice Ravel 1875-1937 フランス)のピアノ曲「水の戯れ(Jeux d'eaux)」(1901)。
 ラヴェルが印象主義の手法を確立した最初の作品といわれる。

RavelHaas (2)


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