私に1日時間をクダサイ……
先週の金曜日の10時過ぎに、もう十数年の間放置しっぱなしの口座の解約をしに某金融機関に行った。最後に通帳に印字されている行の日付は2014年2月で利息が3円。残高は9円(つまり利息がつく前は6円しか入っていなかったのだ)
調べてみて、窓口のお嬢さんが言うには、10年以上入出金がないので現在の残高が実際にいくらなのか確認するのは手作業になる。今日中にはわからないかもしれない、ということだった。
そこで、確認でき次第電話をもらい、あらためて解約の手続きをしに窓口を訪れることにした。
まっすぐに会社に帰らず、ヨドバシカメラの3階で一人焼肉用のコンロを見ていたときに、スマホが鳴った。その金融機関からだった。あのお嬢さんだった。まだ、1時間くらいしか経っていないのに確認できたという。
やはり残金は9円のままだった。
そして、お嬢さんが言うには、「解約手続きなさいますか?」。私は「えっ?しなくてもいいの?」と言いそうになった。
どういうことかというと、10年以上出し入れがない『休眠預金』になっているので、手続きがけっこうめんどうらしい。これが500円とか残っているなら面倒でも解約するが(札幌駅立売商会の幕の内弁当が買えるではないか!)、9円である。その金融機関の側としては、このまま口座を残しておいても問題は生じないそうだ。そうとは言わなかったが「9円でわざわざまた窓口にお越しいただいて、いろいろな書類を書いてもらうほどのことでもない」ということなんだろう。
私は「私の方としても、放っておいて問題が生じることはないのですね?たとえば、私が死んでしまったあとも」と尋ねたが、「この預金の相続を申し立てる場合は、相続する方が口座残高の相続手続きをする必要がありますが……」。いや、9円ですから。
ということで、私は彼女との合意のもと、この休眠預金を永遠 に眠りから覚まさないこととした。
そのあと札幌駅西改札前の弁菜亭ワゴンに行き、この日は「生姜焼き弁当」を購入。
ここでも書いているが、この「生姜焼き弁当」はあっさりした味付け。生姜が効いてないと言えなくもないが、油ギトギトの薄っぺらい肉ではないところが良い。肉の下にはキャベツを主とした野菜もたっぷり。今回は野菜に付属のマヨネーズをつけて食べた。
世の中のために私のお金を活用してください
これまで何度も書いてきたように、この曲の最後は「ewig, ewig……」(永遠に、永遠に……)という歌詞で消えてゆく。それが、たまらなく感動的だ。
先日、この曲を知ることになったライナー盤を久しぶりに聴いたが、不思議なもので、やっぱりちゃんと懐かしく感じた。
ところで、休眠預金について私は勘違いしていた。口座を放置しておくと手数料が引かれることがあるかもと心配してお嬢さんに確認したのだったが、勘違いしていた。お嬢さんが特に不利益が生じないと言ったのはそういうことだったのだ。
銀行にもよるが、口座維持手数料が発生するのは、2021年以降に新たに開設された口座で2年以上入出金がなかった場合(事前に銀行からその旨の案内が来る)。千数百円の手数料が引かれるが、残高が手数料額に満たない場合は、残金がすべて引き落とされ、その口座は解約されるそうだ。残金がたっぷりある場合は、毎年手数料が引き落とされるらしい。
今回の私の口座は、2005年ころに作ったもので、そもそもが未利用の場合の口座維持手数料がかかる口座の対象外だった。
一方、休眠預金というのは2009年1月以降に10年以上異動(入出金)がない口座で、残金は民間公益活動に活用される(異動には利子の付与は含まれない)。つまり、私の9円は世の中のために使われているのである。よしよし。