姿かたちで判断したためのミス 
 札幌駅立売商会(弁菜亭)が『駅弁ではない弁当』の品ぞろえの中の一つとして販売している「幕の内弁当」。
 私が2020年の2月に大阪からこちらに戻って来てから、どれほどお世話になったかってくらい食べてきたが、おそらく物価上昇のあおりを受け昨年の6月にザンギ(鶏の唐揚げ)がコロッケ半個に置き換わったのをきっかけに、私はこの弁当を買わなくなった。

 札幌駅立売商会の駅弁以外の弁当に入っているザンギのクオリティは私のお好みではないのだが(でもこの駅弁のザンギも同じような感じだったけど)、でも私はコンビニやスーパーの弁当に入っている平べったくて中がかたまったイモのペーストのようなコロッケよりは、このザンギの方がはるかに好ましい。そういうコロッケはちっともありがたくないのだ。

 今週の月曜日。
 この日も「ハンバーグ弁当」にしようか、それとも(メインが白身魚のフライなので、前向きな気分にはなれないが)今月ももうあと3日なので、札幌駅立売商会ファンとしては駆け込みで「今月のおすすめ弁当(睦月)」を買うべきだろうかと、悩みながら西改札前の弁菜亭ワゴンに向かった。
 そのとき偶然にも「幕の内弁当」の原材料表示にメンチカツと書いてあるのが目に飛び込んできた。まるで私に訴えかけるかのように!

 そう。私がコロッケだと思いこんでいたのは、実はメンチカツだったのだ!
 私は見た目だけでコロッケと思いこんでこの弁当を半年以上も敬遠し続けていたのだ。「幕の内弁当」になんとお詫びしたらよいのだろう!
 猛省しながら、マルちゃんのワンタンをお供に、久々にこの弁当を味わった。

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 私はメンチカツが好きで、札幌駅立売商会の弁当のメンチカツも、これまた好きなのだ。ザンギがメンチに替わったのなら、それは私にとってひじょうに喜ばしいこと以外の何物でもない。
 でも、私はこの半年間でこのメンチカツを食べるチャンスを何度も自ら放棄していたことになる。悔やんでも悔やみきれない。

 もう一度、去年の6月にキヨスクで撮った写真を見てみよう。

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 なんてこったい。『原材料名』の下の行に『ンチカツ』と書かれているではないか!これは『メンチカツ』と推定せざるを得ない。
 なぜ、あのとききちんとチェックしなかったのだろう!MUUSAN のバカバカバカッ!

 って、60歳すぎにもなって、こんなことを嘆き悲しんだり喜んだりして、やれやれ、まったくもって何考えてんだか……。コロッケだと思っていたものがメンチカツだったってだけの話じゃないか。

 札幌駅立売商会の「幕の内弁当」は往年の姿とは少し変わってしまったが、『幕の内』の基本を押さえている点は変わっていない。鮭もおいしいし、煮物から替わった小松菜のお浸しも上品なとてもよい味つけだった。

 ところで、この日の朝は気温は高めながら、ほんの少し雪が舞い降りていた。江別駅のホームで電車を待っていると、降ってきた雪がコートの袖に。気温の関係からか、それらは見事な結晶の形のまま。なんだか、私は自分が雪の王子になったような気分になった(←やれやれ、again)。

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 リスト(Liszt,Franz 1811-86 ハンガリー)の交響詩「英雄の嘆き(Heroide funebre)」S.102(1849-50/改訂'54)。未完の「革命交響曲」の第1楽章がもとになっている。リストの交響詩の通し番号では第8番となる。

Liszt Masur