うなぎは回遊するが、私は周遊したかった
夏休みが始まった。
インターハイも始まった。
すでに観光客の姿も多くみられるようになっている。
サツエキも朝から人がたくさんだ。
そんなわけで、最近では朝に弁菜亭(札幌駅立売商会)に行くと先客がいて少し待たなければならないような場面も多くなった。弁菜亭にとっては、ここ数年辛抱した努力が報われつつある格好だ。
その弁菜亭で、あらたな駅弁が発売されたことを、同社のホームページで知った。
これはそそられる。
ということで、このところ昼食にお金をかけ過ぎだと反省はしているものの、食べられるときに食べることが大切と、食欲不振に陥ったときの苦しさを知っている私は、火曜日の朝、札幌駅西改札前(改札外)の弁菜亭ワゴンに向かった。
老夫婦がどの弁当にしようか迷っていて時間がかかっていたので、私は先に買った。「うなぎ入り海鮮釜めし」を。
店の人には、通りすがりのわりに気前の良い買い方をする紳士だと思われたことだろう。
で、なんで周遊じゃなくて海鮮に変わったかというと、瞬時にして「北海道周遊おにぎり弁当」の姿はなく、まだ届いていないことを私は理解したからだった。
「海鮮釜めし」はその名前、その内容から、私の好みであるとは想像できなかったが、一度は食べておくべきだと思い(肉三昧だけでは弁菜亭ファンとしては片手落ちってもんだ)、買ったのだった。
みなさんに対して緑色の袋のなかの箸をきちんと写真で紹介しておく責任も、私にはあるし。
この「うなぎ入り海鮮釜めし」は、どのおかずもおいしかった。
しかし、上に書いたように、そもそもが海鮮物志向ではない私には、ふつうにおいしいという感想にとどまらざるを得なかった(やっぱり「幕の内 いしかり」を選ぶべきだったのだろうか?)。
うれしい誤算は、うなぎの蒲焼きが予想外にもふんわりやわらかで、へんな臭みもなく、蒲焼きとしては A 級品だったことだ。
掛け紙は日替わり?
翌日の朝。
このときは、改札内の弁菜亭に行った。
おじさんが一人、駅弁を買おうか買うまいか店の前で迷っていた。
私は瞬時に「北海道周遊おにぎり弁当」があるのを発見し、迷っていて買う決心がつくのが何時間後になるのかわからないおじさんの横で、「これください」とお店のお姉さんに言って、購入した。お姉さんは「決断力のある、すてきな人ね」とばかり、笑顔で商品を渡してくれた。
でも、このときは「宗谷」しかなかったから良かったようなものの「北斗」などほかの包装紙のものもあったなら、私もどれにしようか迷っていたかもしれない。
この特急の写真入り掛け紙をはずすと、またまた「四季彩(しきのいろどり)」の文字が印刷された箱が。このときと一緒だ。
この弁当はすばらしく充実した内容の駅弁だ。
おにぎり2個では少ないかなと思ったが、コーンやスパゲティ、ポテサラにあんこもち(柳もち?)が炭水化物の補強をしてくれるので、満腹になる。
おかずもどれもおいしい。一品一品が弁菜亭の傑作というべきものばかりだが、ザンギだけは他の弁菜亭の弁当にも入っているのと同じ感じの、衣がややぶよっとしたもの。そこがわずかにマイナスポイントだ。
夏休みで人の動きが多くなっているのだろう。
この日の夕方のオホーツク3号は、通常の3両編成から4両編成へと、車両が増結されていた。
そしてまた、線路わき(高砂⇔江別間)では、JRから土地を借りて野菜を作っているおじさんが、そんなのかんけーねぇとばかり、作業に集中していた。
でも、、、、、昨日は金曜日だったのに、オホーツク3号はいつもどおりの3両編成だった。どーいうことなんでしょう?
グラズノフ(Alexander Konstantinovich Glazunov 1865-1936 ロシア)の幻想曲「海(The Sea)」Op.28(1889)を。