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ジェットツアー担当の世界と申します
この日の定期演奏会には、なんとラーンキが登場した。
あのラーンキが札響と協演したのだ!
ところが、そのステージの光景も演奏の印象も全然記憶に残っていない。
むかし「コンペティション」という映画があった(1980年・アメリカ)。ピアノ・コンクールに出場し優勝を目指す若いピアニストたちを描いた映画だが、なぜその人たちが自由曲でモーツァルトやベートーヴェン(「皇帝」だった)といった『地味』な(でも、よく言えば『味わいのある』)曲を選ぶのか理解できなかった。
チャイコフスキーやプロコフィエフ、ラヴェルやラフマニノフの方がインパクトがあるだろうに、と思ったものだ(優勝した女性はアクシデントがあってモーツァルトからプロコフィエフの3番に変更したが)。
きっと、そのころの私はベートーヴェンやモーツァルトの味わいがまだわからなかったのだ。いま、この歳になると、やかましい曲も好きではあるが、ベートーヴェンの「皇帝」やモーツァルトの後期のコンチェルト、あるいはブラームスの2番なんかをしばしば聴きたくなる。不思議なものだ。
つまりラーンキが弾く「皇帝」を覚えていないのは、「皇帝」という曲に魅かれていなかったからに違いない。
その後、FM北海道の「札響アワー」で放送されたのをエアチェックし、しばらくの間マラ4といえばそのカセットテープを聴いたものだ。
13ページの「札通航空観光」の広告(担当者の名前が「世界薫」って本名か?)。
“モーツァルトの街ザルツブルクでは、クラシック音楽に親しむチャンスです”って、いやいやおかしくないけど、なんだかクレジットカード会社やアマゾンなんかを名乗って中国から送られてくる迷惑メールにありそうな日本語に通じるものがある。