うまくいかなかったものをよみがえらせる?
原田ひ香の「三千円の使いかた」(中公文庫)を読んだ。
妻が BOOK OFF で買って来て読み、「おもしろかった」と言っていたので、貸してもらったのだ。
BOOK OFF で買ったということは少し前の本なのかと思いきや、先週のひな祭りの日の道新朝刊にも広告が載っていて、ベストセラー ing 状態、バリバリ現役だと知った。それにしても、こういう広告で誰とも知らない人の感想を載せていることが多いが-それもどの本でもだいたい同じような絶賛-、どこまで本当(本物)なのかとついつい眉に唾をつけたくなってしまう。
それはそうと、確かになかなかおもしろかった。が、残念ながら、私には自分もここに書いてあるようなことを実践してみようかという動機付けまでには至らなかった(あっ、これはノウハウ本ではなく『家族小説』である)。
その前日の北海道新聞朝刊には村上春樹の新作についての記事が載っていた。
新作の出版が記事になるっていうところが、さすが村上春樹である。
なんだかんだ言って、でも私はこの本は買うんだろうな。「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」はとても好きな村上春樹小説だし。
三千円の使いかた by MUUSAN
回平さんは帯広支社と名古屋支社勤務時代の同僚で、帯広から名古屋へも同じタイミングで一緒に異動した。
そしてまた、回平さんと話すのはおととしの暮れ近く以来、1年3カ月ぶりだ。
「お久しぶりです。回平です」
「こんにちは。お久しぶりです。元気でした?」
「はい。あの、実は千葉さんから『なごや会』をやろう。幹事は回平さんにお願いしたい、と言われまして、あのころ名古屋支社で一緒に仕事をしていまは札幌にいる人たちに電話しているところなんです。3月〇日を予定してまして、ぜひともMUUSANさんにも参加していただけないかと思って電話しました。もう、上原さんと牛坂さんからは出席の返事をもらってます」
「えっ、もう OB になった私なんかが参加してもいいの?」
「ぜひ」
「ありがとう。じゃあ、よろしくお願いします」
「では、お店とかが決まったらまた連絡します」
こうして電話が切れた。先日は「なごやか会」(この名は私がかってに命名)が開かれたが、今度は「なごや会」(この名は千葉さんが言っていたという)である。「なごやか会」はどちらかというと私的なつながりのメンバーだが、「なごや会」は当時の仕事のからみが濃かったメンバーが集まるような感じがしている。
そして2日後にメールが来た。
そこには店の名前と、会費は三千円と書かれていた。
私はこのように三千円を使う予定だ。