山じゃないのにきのこかよ!
先日、「きのこ王国」の「デリシャス・レストラン」で昼食を食べることにしたにもかかわらず、私はキノコの胞子1個すら入っていない「かけそば」を頼んで食べたことを報告した。
その翌週の、祝日。
いよいよ寒くなってくるというので、家の基礎にあるいくつかの通気口を閉めに、家の周りを一周していたところ、家の横、つまり隣の家との間に植えてあったナツツバキを切ったあとの切り株に異変が起こっているのを発見した。
そう、きのこである。
キノコが、茸が、菌が、モコモコと育っていたのである。
きのこほど、その名前がよくわからない植物はないが、当然、このきのこが何という名前なのかはわからない。名前もわからないし、毒があるのか食べられるのかもわからない。見た感じは、鍋物に入れて食べるとおいしそうだが……。いえいえ、決して食べません。親戚がむかし、ツキヨタケをシイタケと間違って食べて、大笑いはしなかったけど、七転八倒したらしいって話を聞いて、シイタケならスーパーで買えよと思った私が、ここでそんな愚行をするわけがないではないか!
このあいだ「きのこ王国」できのこに見向きもしなかった私に、悔い改めよとばかり生えてきたのだろうか?
どっちにしろ、こういうのってどうしたら枯らすことができるのだろう?
やっぱ、殺菌剤なのだろうか?
その数日後、私は買った。
いや、殺菌剤ではなく、「きのこの山」である。
仕事帰りに立ち寄ったスーパーで見かけて、急に食べたくなったのだ。
通常商品ではなく「復刻デザイン」のものを選んだのは、ノスタルジーを感じたからではなく、単に通常商品より20円ほど安くなっていたからである。
少年時代のモーツァルトにも影響を与えた人気音楽家だったが、毒きのこを食べて若くして亡くなってしまったショーベルト(Johann Schobert 1735頃-67 ドイツ→フランス)のクラヴサン協奏曲第4番ハ長調Op.15を。
チェンバロの響きが華麗で優雅。すばらしい曲なのに、廃盤となったパイヤール盤しか音源はないようだ。