三浦綾子の「水なき雲」(中央公論社)を読み終えた。
読み始めたのは昨年の8月だが、このようなこともあり、この本を読むのが大停滞。
進度20%くらいのところでストップしていたのだが、1カ月ほど前に読書を再開して、このほど読了。状況設定にちょっと無理を感じるところが無きにしも非ずだが、これまで読んできた三浦綾子の作品とはまた違う展開がおもしろかった。
ただ、読後充実度は低い。気持ち悪さが残るのと、救いようのないまま物語が終わるから後味が良くないのだ(だから、つまらない小説だということではない)。
そしてまた、この小説では他の三浦作品のような、キリスト教に関する記述がほとんどない。救いを求めて教会に行く者はいない。この点も、三浦綾子作品としては異色。
印象に残った記述はいくつかあるが、
息子にとって、親が愚かに見えることは、たまらないことなのだ。
という言葉に、特に共感をおぼえた。
P.M.デイヴィス(Peter Maxwell Davies 1934-2016 イギリス)の組曲「肉体の悪魔(The Devils)」(1971)を。
そしてまた、この次に読む本は、またもや三浦綾子にした。
購入したのは「積木の箱」である。
そうですね……