MiuraA_Arashi2  八重は屈託なく育ったけど……
 三浦綾子の「嵐吹く時も」を読み終えた。
 最初のうちは、むかし買ったUSBメモリに大量の画像データをコピーしたときのように、遅々として進まなかったが、そのあと一挙に読み終えたのは、がぜんストーリーがおもしろくなったからだ。

 ここに書いたように、上巻の巻末付録にその後のネタバレとなることが書かれていて、私は嘆き悲しんだのだが、そのような妨害を乗り越え、ストーリーにのめりこむことができた。読んだあとはけっこうな感動に浸らされた。この感動は、これまで読んだ三浦作品のなかでは「泥流地帯」、そして「塩狩峠」に次ぐものかもしれない。

 三浦綾子の小説には必ずヘンな、『ズレた』女性が登場する。
 それは悪意ある人物であることもあるが、本人は何も気づいていないゆえにかえってタチが悪い場合もある。
 準・ネタバレになってしまうかもしれないが、この小説の中では、その一番は『八重』であると、私は申し上げたい。

 この次に読むのは「水なき雲」である。

MiuraA_Mizunaki_Booklive

 マーラー(Gustav Mahler 1860-1911 オーストリア)のカンタータ「嘆きの歌(Das klagende Lied)」(第1稿1880,第2稿'92-93,第3稿'98-99)を。

MahlerRattle1-10