202004Mikado_Bentou1.JPG  ってことは11:28着の北斗3号でやって来た?
 先日は函館本線のキツネについて書いたが、今日は函館の駅弁屋についてである。

 コロナ対策で、会社としては在宅勤務に加え、午前もしくは午後の交代勤務シフトも導入していたのだが、私が午後勤務に当たった先週の某日。

 昼前にJR札幌駅に着き、いつもの改札内KIOSKで弁当を買おうと思ったら(出社して食事をして午後からの仕事に臨むわけだ)、時間的に売れてしまったのか、それとも時勢的に仕入れがそもそも少ないのか、「幕の内弁当」も「おふくろの味弁当」もなく、やや小ぶりの少食系ミニサイズ弁当しかなかった。

 さてどうしたものかと思ったら、レジをはさんで店の反対側でKIOSKレディが「みかど」の弁当を陳列し始めたところだった。
 気づかれないよう後ろからそぅっと近づき……って、犯罪かっ!、なんてことはせずに紳士的に近づくと、レディ曰く「いま、着いたばかりですよ」と、私の購買意欲をそそりまくる誘惑めいたお言葉。

 そう。
 ここでは函館の駅弁店「みかど」の駅弁を売っているのだ。
 朝、函館駅で列車に積み込みこちらまで運んでくるのだ。

  弁菜亭の幕の内弁当2.6個分。いや、カロリーじゃなくて……
 私は「幕の内っぽいのはどれですか?」と尋ねた。
 「これになります」と手渡された。

 失敗した。値段を聞く前に受け取ってしまった。

 この日の私のランチは、1,300円の豪華弁当ってことになった。
 午後からの仕事がはかどるに違いない……トホホ。

202004Mikado_Bentou2.JPG だが、この「北の駅弁屋さん」弁当は、駅弁の教科書みたいなもの。駅弁はこうでなければ!ってものだった。
 函館の名産品である(と思われる)海の幸が宝箱のよう中に入っているのだ。

 箱の中は“井”のように9等分されている(正直、私に“丼”に見える)。

 上段の左からホタテ、ニシン、鮭。
 中段の左からツブ、イクラ(と錦糸玉子)、いか飯。
 下段の左は漬物だが、中央はカニ、右はウニとカズノコ。

 「いやぁ、はるばる来たぜ函館」って、列車の中で食べれば旅行気分が一層盛り上がること間違いなしの駅弁だ。
 ご飯も8つ合わせりゃけっこうな量でボリューム的にも不満なし。
 これで1,300円は安いと言えるだろう。

 だが、また今度別な機会にも私が買うかというと、その可能性はかなり低い。
 値段のことは別にしても、そしてとってもおいしいのだが、私の好物がぜんぜん入っていないからだ(“すきもの”ではなく“こうぶつ”と読みように)。つまり畜肉系のものが不在。
 私の食の志向とマッチしないのだ。
 でも、私はこの弁当、あらゆる点で賞賛したい。

  母体は関西のエキナカ食堂運営会社
 ところでなぜKIOSKが、わざわざ函館から運んでまでミカドの弁当を売っているのか?
 函館の味を札幌にいながら楽しんでもらうためという、お客さまに対するサービスだろうが、もっと現実的な販売戦略(?)が絡んでいる。

 「みかど」というのは、もともとは大阪に本社があったエキナカの食堂を運営していた会社。
 その「みかど」には函館支店もあって、函館駅で駅弁の製造販売も行なうようになった。
 しかし「みかど」は営業権を譲渡するなどして経営を縮小、函館支店も2012年に廃止され、営業権を北海道キヨスクに譲渡したのだった。

 いまの「みかど」の駅弁は「北海道キヨスク株式会社 駅弁の函館みかど弁当工場」で製造されているのである。

 ということで、キヨスクが札幌にも持って来て、もっと買ってもらいましょってことなのだ。
 私も、札幌駅のKIOSKで「豚わっぱ飯」を見かけたら、今度買ってみよう。

 ところで、午前・午後勤務シフトだが、先週末に『出社頻度が下がらない《シフト別勤務》は中止する』ということで、この体制はわずかな実施期間で撤回された。

 確かに、考えてみれば午前勤務だと朝の通勤時間帯に動かねばならないし、午後勤務だと夕方の帰宅時間帯に遭遇する。リスクは朝夕ダブルの半分だが、半日出ることにどれだけの意味があるのか疑問でもある(あまり考えてなかったけど)。

 そしてまた、『可能な限り社員の出社頻度を下げる』というお達しもでた。
 5月も私は出社する日数は片手の指の数ぐらい。あとは在宅勤務の宅八郎である。

BachMatthausHerreweghe 深い意味はまったくないが、バッハ(Johann Sebastian Bach 1685-1750 ドイツ)の「マタイ受難曲(Matthaus-Passion)」BWV.244(1727初演)。

 在宅勤務の人も、出社する人も、お休み中の人も、今日もまた前向きな気持ちですごしましょう!(だったら受難曲なんか取り上げるなって?)