Miura_AoiToge  旭川の街が異次元ワールドに?
 きのうのブログ記事で、村上春樹の「1Q84」の一節を載せたが、この小説は天吾と青豆が別々に1Q84年の世界に入り込んでしまう話である。
 まだこのころは、私も村上春樹の小説をワクワクしながらページをめくったものだ。

 間違いない。月は二個ある。
 ひとつは昔からずっとあるもともとの月であり、もうひとつはずっと小振りな緑色の月だった。それは本来の月よりかたちがいびつで、明るさも劣っていた。行きがかりで押しつけられた、だれにも歓迎されない、貧しく醜い遠縁の子供のように見えた。しかしそれは打ち消しがたくそこにあった。幻でもなければ、目の錯覚でもない。それは実体と輪郭を備えた天体として、たしかにそこに浮かんでいた。……     (第20章)

 空に月が2つ浮かんでいるという異次元ワールド。

 ところがこの小説に先立つこと27年前、「青い棘」で三浦綾子は月ではなく太陽が2つあるワールドを登場させている。

IMGP1099 それがねえ、先生の話だけど、この頃の加菜子の絵には、必ずお日さまが二つあるんだって

 加菜子は旭川在住の幼稚園児である。

 どういうことになってしまったのだろう?

 斜視になった?
 いや、違う。

 オカルト?
 いや、春樹ワールドのようなものではない。

 実は、そこには子ども心ながらにも日々の平安を願う気持ちが……なのである。

ShostakovichForestJarvi ショスタコーヴィチ(Dmitry Shostakovich 1906-75 ソヴィエト)の「われらの祖国に太陽は輝く(The Sun shines on our Motherland)」Op.90(1952)でもどうだい、加菜子?

 あっ、言っておくが、写真に写っているお日さまはどう見ても1つである。2つに見えたって人は眼科に行った方が良いかもしれない。
 だってこの写真は現実の空のものですもの。