私のは昭和51年4月20日第10刷
 ちょうど1週間前の日曜日、4月19日に、西洋音楽史学者の皆川達夫さんが老衰で亡くなった(私が新聞で訃報を知ったのは24日付け朝刊)。

 皆川さんといえば、NHK-FMの「バロック音楽のたのしみ」で、服部幸三さんとともに、バロック音楽の魅力を伝えてくれた、日本におけるバロック音楽の第一人者。

 また、この本は高校生のころ買ったものだが-音楽関係の本では、私が買った最初期のものだ-、バロック音楽を知るうえでとても参考になった(当時390円!それにしても、ものを大切にする私!)。

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 そんなまだ自分が若いころから知っている人たちが、どんどん亡くなっていくのはとてもさびしい。

 「バロック音楽のたのしみ」のテーマ曲に使われていた、ヴィヴァルディ(本当の作者はシェドヴィルと考えられている)のソナタ集「忠実な羊飼い」を。

Vivaldip13Larrieu 私はランパルとラリューのフルートによる2種類の音源のCDを持っているが、いまはいずれも入手不可。いや、そもそもこのソナタ集の録音自体がほとんどない。

 いま入手できそうな音源はこれくらいだろうか?(私は未聴。どうやらフルートとチェンバロによる演奏ではなさそうだ)。

 「バロック音楽のたのしみ」は平日の朝早く(6:15~)の放送だったにも関わらず、けっこうリスナーがいたのではないかと思う。

 村上春樹の「1Q84」のなかにもこの番組のことに違いない描写がある(Book2の339-340ページ)。

 新しいコーヒーを飲み、洗面所に行ってFMラジオでバロック音楽の番組を聴きながら髭を剃った。テレマンの作曲した各種独奏楽器のためのパルティータ。いつもと同じ行動だ。台所でコーヒーを作り、それを飲み、ラジオで「バロック音楽をあなたに」を聴きながら髭を剃る。日々曲目だけが変わる。昨日はたしかラモーの鍵盤音楽だった。

 村上春樹といえば、新刊が出た
 小説ではないので「またかよぉ~」っていうところはないと思う。
 なので買わねば。