なんとかパソコンをもとに戻すことができ、安堵してリビングに行くと、妻が新聞に折り込まれていたスーパーのチラシを私に示した。そこには“本日限り”で駅弁&空弁大会が開催されると書かれていた。
うん、悪くない。
おっ、長万部は「かなや」の「かにめし」もあるではないか!
なになに?「かにめし」は昼11時ころからの販売になるって。よし、昼ご飯を食べてから行こう(昼ごはんとして食べるという概念はゼロ。夕食時にお酒とともに)。
菊水のラーメン(これとは違うもの。あれは道外市場向けだと思う)をゆで、西山のスープを使ったしょう油ラーメンがこの日の昼食。もやしも「三味」も買ってあったし、欠かすことのできない長ネギは冷蔵庫の野菜室に入っていた。チャーシューはなかったので代わりにハムを使った。
うまい!
満足満足!
そのあと妻とそのスーパーに散歩がてら、ってことは歩いて、行ってみる。
午後1時前だというのに、もう厚岸の「氏家かきめし」や新千歳空港の空弁である佐藤水産の「石狩鮨」、富山の「ますのすし」は売り切れ。「摩周の豚丼」も残りわずか。
考えてみれば、昼食用に買っていくというニーズの方が高いわけだ。それ、自然。
そんななか、「かにめし」は入荷量も多いのかもしれないが、まだ5個以上はあった。
私の舌が鈍感なのか?
この駅弁を食べるのはいつ以来だろう?
むかし五番館(のちに五番館西武)があったころ-そこの地下食品売り場はなかなか充実していた。だが、その後靴売り場(地下に靴売り場!)になってしまった-、かなやもその中に店を構えていた。
年に何度かだが、昼食用に「かにめし」を買いに行ったものだ(金谷という名札をつけた女の人がいた)。
それ以来だとするともう15年以上食べてないかもしれない。
あのときの味が口の中で復元されるときが来たのだ。
口に入れる。口の中にカニの味が……広がらない。
なぜ?
カニの身は、着色していなくて甘みもつけていない『でんぶ』のよう。
カニの味が希薄。味付けもこんなんだったっけ?
いや、妻もおいしいと狂喜乱舞したりはしていないので、私の味覚だけの問題ではなさそうだ。
これで税込1,180円は、ちょっと「う~ん」てな感じ。オネダンイジョーとは言えない。

後悔はしてないけど、ちょっと期待しすぎたかなぁ……
じゃあ、今日は久々にマーラーの交響曲第5番を。
8日前の日曜日は、苦労して復元できたり、期待したのに復元できなかったりだったのだ。