PC140009  関西は丸餅のみそ味?
 先日、お酒を飲んでいる席でお雑煮の話題になった。
 当方は私と凸川係長という、札幌出身の生粋の道産子2人。
 対する先方はともに関西出身の2人。

 先方の1人が私に尋ねる。

 「北海道のお雑煮の味はどんなんですか?こっちは味噌ですが」
 道産子2名「ミソォォォォォッ!? ラーメンじゃないので味噌はないです」。
 先方A「じゃあ塩味ですか?おすましみたいな」
 私「いえ。しょうゆ味です。なお、ラーメンも私は味噌ではなくしょう油派です」
 先方A「しょうゆうぅぅっ~?」
 私「ええ、雑煮そばとか力そばのような感じです。それよりはもう少し薄味ですが」
 先方A「なんですか、それ?雑煮の近くに何があるっていうんです?力っていうのは聞いたことがあるような気もしますが」
 私「つまり餅が上にのっているそばです。多くの場合かしわも伴います」
 先方A「なんや、かちんそばのことか」
 道産子2名「かちん?」(なおこの間、先方Bは食べることに専念中)

  誰でも味方につけよう作戦を展開
 私たちがそんな言葉は聞いたことがないというと、ムキになった先方の1人が、ちょうどお店の女性がハイボールを持ってきたときに聞いた。
 「おねえさん、かちんそばって知っているよね?」
 「はい。知ってます」

 優勢に立ちすっかりいい気になって、今度はだし巻き卵を運んできた店のおじさんに聞く。
 「かちんそばって知ってますよね?」
 「えっ?なんですか?か、、、、」
 「かちんそばです」
 「かちん……そば、、、、ですか?さあ、知らないです」(きわめて申し訳なさそうな表情)。

 凸川係長がおじさんに助け舟を出す。
 「いいんです、いいんです、すいません、ありがとうございます」
 先方のなにわ組は「きっとあのおっさん関西出身やないんやで」などと根拠のない指摘をこそこそとしていた。

  即時現地調査をしてみると……
 そのときである。
 私はやおら席を立った。
 第1の目的はオシッコ。第2の目的は「かちん」というのは本当かという確認のためだ。

 おしっこをした後、いま私たちが飲んでいる店の周囲を探ってみた。というのも、ここは地下飲食店街で、確かそば屋もあったはずなのだ。

 すると……

20200106Kacchinn

 確かにそれは存在した!
 「かちん」でなく「かっちん」だが、(このお店の名は「御鷹茶屋」)。

 翌日調べると、「かちん」もしくは「かっちん」とは、宮中御所の言葉で餅のことだという。
 てことで、雑煮そば(うどん)もしくは力そば(うどん)-《力》の方が一般的な呼称かもしれない-のことを、大阪や京都では「かちん」もしくは「かっちん」そば(うどん)というらしい。
 私はいままでまったく聞いたことがなかったけど……

IfukubeLaudaTsukakoshi 塚越慎子のマリンバ独奏、岩村かっちん、いや岩村力指揮読売日本交響楽団による(って、かっちんは力でなく餅だろうに)、伊福部昭(Ifukube,Akira 1914-2006 北海道)の「オーケストラとマリンバのための『ラウダ・コンチェルタータ』(Lauda Concertata per Orchestra e Marimba)」(1979)。

 ここで私はこの演奏をほぼほぼ絶賛している。が、あれから3年経ったいまも、やはりこの曲では安倍圭子のマリンバによる録音を聴くことがほとんどな、保守的なアタシである……

 2015年ライヴ録音。Cryston。

 そのあとは、餅の形について、丸餅か?四角かなどと論争になったが、北海道は四角である(少なくともわが家は)。サトウの切り餅をそのまま違和感なく使えるのである。

 では本日、広島に立ち寄ったあと、松山に行ってまいります。