先日、お酒を飲んでいる席でお雑煮の話題になった。
当方は私と凸川係長という、札幌出身の生粋の道産子2人。
対する先方はともに関西出身の2人。
先方の1人が私に尋ねる。
「北海道のお雑煮の味はどんなんですか?こっちは味噌ですが」
道産子2名「ミソォォォォォッ!? ラーメンじゃないので味噌はないです」。
先方A「じゃあ塩味ですか?おすましみたいな」
私「いえ。しょうゆ味です。なお、ラーメンも私は味噌ではなくしょう油派です」
先方A「しょうゆうぅぅっ~?」
私「ええ、雑煮そばとか力そばのような感じです。それよりはもう少し薄味ですが」
先方A「なんですか、それ?雑煮の近くに何があるっていうんです?力っていうのは聞いたことがあるような気もしますが」
私「つまり餅が上にのっているそばです。多くの場合かしわも伴います」
先方A「なんや、かちんそばのことか」
道産子2名「かちん?」(なおこの間、先方Bは食べることに専念中)
誰でも味方につけよう作戦を展開
私たちがそんな言葉は聞いたことがないというと、ムキになった先方の1人が、ちょうどお店の女性がハイボールを持ってきたときに聞いた。
「おねえさん、かちんそばって知っているよね?」
「はい。知ってます」
優勢に立ちすっかりいい気になって、今度はだし巻き卵を運んできた店のおじさんに聞く。
「かちんそばって知ってますよね?」
「えっ?なんですか?か、、、、」
「かちんそばです」
「かちん……そば、、、、ですか?さあ、知らないです」(きわめて申し訳なさそうな表情)。
凸川係長がおじさんに助け舟を出す。
「いいんです、いいんです、すいません、ありがとうございます」
先方のなにわ組は「きっとあのおっさん関西出身やないんやで」などと根拠のない指摘をこそこそとしていた。
即時現地調査をしてみると……
そのときである。
私はやおら席を立った。
第1の目的はオシッコ。第2の目的は「かちん」というのは本当かという確認のためだ。
おしっこをした後、いま私たちが飲んでいる店の周囲を探ってみた。というのも、ここは地下飲食店街で、確かそば屋もあったはずなのだ。
すると……
確かにそれは存在した!
「かちん」でなく「かっちん」だが、(このお店の名は「御鷹茶屋」)。
翌日調べると、「かちん」もしくは「かっちん」とは、宮中御所の言葉で餅のことだという。
てことで、雑煮そば(うどん)もしくは力そば(うどん)-《力》の方が一般的な呼称かもしれない-のことを、大阪や京都では「かちん」もしくは「かっちん」そば(うどん)というらしい。
私はいままでまったく聞いたことがなかったけど……

2015年ライヴ録音。Cryston。
そのあとは、餅の形について、丸餅か?四角かなどと論争になったが、北海道は四角である(少なくともわが家は)。サトウの切り餅をそのまま違和感なく使えるのである。
では本日、広島に立ち寄ったあと、松山に行ってまいります。
ブログにも書きましたが、「かっちん」という言葉は大阪で初めて知りました。
阪急三番街のあの蕎麦屋、結局利用しないまま転勤になりました。