もともとの能力の差か?
アンプを買えたことで、SACD だけに限らず通常の CD を再生したときにも、音質や音場の向上(もしくは良い雰囲気になっちゃう)が私のこの耳でもわかり、めでたしめでたし。でも、CD をリッピングした FLAC ファイルを NAP で再生したときには、いままでとの違いがあまり感じられなくてめそめそしくしくってことを前回書いた。
なぜそうなったのか?
仮に CD プレーヤー SA8005 の持っている《能力》が『10』だとしよう。そしてまた NAP の NA6005 の《能力》を『7』としよう(つまり NA6005 は SA8005 よりも実力が低いと仮定)。
私のために20余年にわたり働き続けてくれた LUXMAN のアンプ。そのアンプが、経年による衰えによって SA8005 の持つ《能力》を 『6』 しか引き出せなかったのが、アンプを PM8006 に交換したことで、『9』ないしは『10』引き出してくれた。だから劇的に音が変化した。
一方、NA6005 の《能力》を、LUX のアンプは CD プレーヤーと同様に『6』引き出していた。
PM8006 は、NA6005 の能力を最大限の『7』引き出してくれた。
しかし、その差は『1』。だから劇的な変化は起こらなかった。
って、仮説はどうだろう?だめ?なってない?
ベルリオーズ(Hector Berlioz 1803-69 フランス)の「劇的交響曲『ロメオとジュリエット』(Symphonie dramatique 'Romeo et Juliette')」Op.17,H.79(1839)。
劇的交響曲が劇的に鳴り響く……てか?
上位機種が眼中になかったワケは……
じゃあ、NAP を買うときに、無理してでも CD プレーヤーと同じ8000番台の製品にすればよかったのに、と思われるかも知れない。
NA6005 の上位機種、NA8005 である。
が、NA8005 を買う気はまったくなかった。NA6005 だから買ったのである。
どういうことか?
NA6005 は WiFi に対応している。だが、NA8005 は違う。
だが NA6005 では、NA8005 にあった USB-DAC が省かれている。
しかしすでに持っている SA8005 に USB-DAC が装備されているので、その点は問題ない。
いや、USB-DACを使ってパソコンの音源を聴くためにパソコンと SA8005 をケーブルで接続するのがわずらわしいので(NA8005 も同じことだ)、WiFi 対応の NAP の出現を待っていたのだ。 結果的に今回プリメインアンプもマランツ製の、それも PM8006 という8000番台の製品にしたので、わが家のマランツ3兄弟では、NAP だけが価格的に谷となっている(メーカーの希望小売価格(税別)は、PM8006:130,000円、SA8005:129,500円、NA6005:68,000円)。
ちょいと気分が良くないのは、3兄弟のうち NAP だけが中国産。つまり Made in Japan ではないこと。
その上、上の写真のように製品のロゴマークが、NAP だけただの印刷。アンプと CD プレーヤーは彫り物的なのに……
とはいえ、NA8005 と NA6005 は明らかに音に違いがあるのだろうか?
もしあるとしたら、NA6005 の購入は見送り、WiFi を備えた上位機種がデビューするのを待った方が良い。
思い起こせばこのときも、アンプのときほどじゃないけど、それなりにアタシは悩んだのだった……続く
♪ 作品情報 ♪
詞は作曲者とE.ドシャン(シェイクスピアによる)
【編成】 orch(picc 1,fl 2,ob 2,Ehr 1,cl 4,fg 4,hrn 4,crnt 2,trp 2,trb 3,tub 1,timp 2set,perc(cym 1,BD 1,SD 1,trg 2,tamb 2,アンティーク小cym 1),Str),独唱(T=ロメオ,Ms=ジュリエット,Bs=ロランス神父),cho
♪ 紹介したディスク ♪
ボロディナ(Ms),モーザー(T)、マイルス(Bs)、C.デイヴィス/ウィーン・フィル、バイエルン放送合唱団。
1993年録音。フィリップス。