先日東京に出張した。
昼前に羽田空港に着いたとき、空腹は絶頂に達していた。
私の「搭乗前は食事をしない」という信念をこの日も貫徹し、朝から水しか口にしていなかったからだ。
実は飛行機の中でもカツカレーの妄想を見続けていたのだった(でも、なぜ天丼とかラーメンライスじゃなく、この日はカツカレーだったのか不思議だ)。
私が第2ターミナルの到着口前にある『ART CAFE』のポークカレーの味をけっこうお気に入りなのは、みなさんご存じのとおり(なんて信じるもんか!)。
なので、あのポークカレーのルゥの味わいのカツカレーが食べられると、5行上のリンク記事に書いたことをすっかり忘れて、期待に胸膨らませていた。
が、そうなのである。
カツカレーは『ゴーゴー』なのである。
つまり、この店では、ふつうの『ゴーゴーカレー』を食べることができないし、ふつうの『カツカレー』を注文することもできないわけだ。
濃厚なのは苦手なの
食べたことはないが『ゴーゴーカレー』ってくどそうなイメージがあって、きっと私の好みには合わないに違いない。
しかしこのときは鼻腔に広がる『カツ』の揚げ油の匂いを堪能したい気持ちが強すぎて、「ゴーゴーカレー、レギュラーで」と、まるで食べなれた人のように、カウンターのお兄さんに注文してしまった。
しばらくして、微笑みを家に置き忘れてきたようなお兄さんは、「ゴーゴーカツカレーの方ぁ」と、力ない声で私を呼んだ。これが、『ゴーゴーカツカレー』である。
色が濃い。黒いとはまでは言えないが、私の苦手な土手煮みたいだ。
味も濃い。
カレーではあるが、私の概念のなかでは『カレー類』。
固形分はひき肉のような粒つぶが確認できただけ。好き嫌いが分かれそうな味だが、私の好みではない。
おまけに下唇の内側を噛んでしまったし……
プーランク(Francis Poulenc 1899-1963 フランス)の「ロコマドゥールの黒い聖母像への連禱(Litanies a la Virge Noire de Rocomadour)」FP.82(1936)を聴きながら、回復を祈ろうと決意した私であった。
♪ 作品情報 ♪
【初演】 1936年・ロンドン(BBC放送)
【構成】 単一楽章(約9分)
【編成】 女声(または童声)合唱, org
【本作品について取り上げた過去の記事】
≫ 修道女さまに叱られて……
♪ 作曲家情報 ♪ R.ビニェスにピアノ、ケックランに作曲を学ぶ。フランス〈6人組〉の一人として、サティ、ラヴェルらの影響をうけ、簡潔な古典様式とフランス風エスプリに富んだ作品を残す。第2次大戦後は教会音楽の分野で特異の境地をひらいた。
(井上和男編著「
クラシック音楽作品名辞典」(三省堂)による)
♪ 紹介したディスク ♪
ピケマル/イル=ド=フランス・ヴィットリア地方合唱団,ルブラン(org)。
1992年録音。NAXOS。


