触ってみたくなるツボミちゃん
 毎度毎度過去にさかのぼる話で、あなたの気持ちまで後ろ向きにさせちゃうんじゃないかと申し訳ない気がしないでもないが、正月に自宅に帰ったときに、部屋の中に置いてある鉢植えの1つ、オルニソガルム・カウダツム(コーダツム)(Ornithogalum caudartumu。和名:ニセカイソウ)がつぼみを持っているのに気がついた。

20190105Nisekaisou

 そのあと、1週間ほど前に再び自宅に戻ったときに、私はその開花を期待していたのだが、開く気どころかやる気がないとしか思えないほど、ほとんど変化がなかった。

  こんなに肥えました
 昨日のブログで紹介した過去の関連記事をクリックしてもワープしてしまうのだが、こういういきさつで豆粒のような球根を手に入れたこのニセカイソウ。

 しかし、いまやこんな風に(といっても、この写真を撮ったのは1年以上前)大きく、そしてまた絶えず「産めよ増やせよ」している(植え替えをしていないので、鉢は最初のものと同じ。けど百均のもののせいか、塗装ははげ落ちてしまった)。

IMGP2017

  海のタマネギって?
 『ニセカイソウ』というのは『偽海葱』と書く。つまり偽の『海葱』なわけだが、なんじゃい?その海葱っていうのは?

 英語では『シー・オニオン』って言うらしいが、海に生えているタマネギのことじゃなくて、『偽海葱』に似た『海葱』(ウルギネア・マリティマ)っていう、同じユリ科の植物のことなんだそうだ。その『海藻』に似ているけど種が違うので『偽海葱』って名づけられたんだそうだ(話について来れてます?)。

 しかも『シー・オニオン』だなんて、名前だけ見ると健康志向の人は狂喜乱舞して食べたがりそうだが、『ニセカイソウ』は全草に毒があるという(皮をむいたこのミドリミドリしているところなんて、とってもおいしそうに見えますよね?)。あっ、ニセモノだからそれもアリか。本物の『海葱』が無毒かどうかは知らないけど。

 で、昨日はモーツァルトが自作の歌劇「偽の女庭師」の序曲に終曲をつけた番号なしの交響曲を紹介したが、実はモーツァルトには「偽ののろま娘(La finta semplice)」K.51(K6.46a)(1768)って歌劇もある。よっぽど『偽物』に興味があったのだろうか?まだ子どもだったのに……

 しかし、私はニセモノな上にのろまな娘を扱ったこの曲を1秒も耳にしたことがない。
 いや、この歌劇の序曲は交響曲第7番ニ長調K.45を改作したものだから、別な形では聴いていることになる。

Mozart35Kubelik  たまにロマンティックなモーツァルトはいかが?
 そこで、その代わりに、は全然なっていないけど、大人になったモーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart 1756-91 オーストリア)が書いた交響曲第41番ハ長調K.551ジュピター(Jupiter)」。

 1788年の作曲なので、モーツァルト32歳のときの作品。かつ、死の3年前の作品。

 たまーにはビンビンシャカシャカしたピリオド演奏じゃなく、まったりとしていて虫歯がうずくようなモダーンの演奏が聴きたくなって、クーベリック/ウィーン・フィルの演奏を聴いちゃった(日曜日のことでございます)。
 LP時代(セラフィム・レーベル)によく聴いたものだ。ちゃんと懐かしく感じるところが不思議、かつ、私がのろまでないことを証明している。

 1961年録音。EMI。

  さて、ニセモノ扱いされている『ニセカイソウ』だが、次回自宅に戻るときには咲いているだろうか?
 いや、もう散ってしまっているっていうオチのような気がしてならない。

♪ 作品情報 ♪
【初演】 不明(モーツァルトの生前に何らかの形で演奏されたと考えられている)
【構成】 4楽章(約30分)
【編成】 orch(fl, ob 2, fg 2, hrn 2, trp 2, timp, Str)
【本作品について取り上げた過去の主な記事】
  モダン楽器によるピリオド奏法のモーツァルト
  とっても大きな星なのは事実ですが…♪クーベリックのWAM/Sym41
  功績をもっと讃えて欲しいような……♪WAM/Sym41(by ガーディナー)
    
♪ 作曲家情報 ♪
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