ツルツル路面をペンギン歩き
新千歳空港で多数の欠航が出た金曜日の、翌日の土曜日(つまり、いまだほぼほぼ1週間前のことを書いている、前向きじゃない私)。
しかし、江別はさほど雪も降らず、そのさらに翌日の日曜日の方がやっかいだった。
朝起きて外を見ると、そこそこに積もっている。
そんななか、札幌に出かける。
マチナカの交差点が、鶴ッ鶴のアイスバーンになっていて、渡るのが怖いほど。
大丸百貨店に寄って、佐藤水産にも行って、そのあとヨドバシカメラで卓上用のIHヒーターを購入。
今使っている、齢15歳ほどのIHヒーターは、近ごろ急にピーピーと警告音が鳴ったり、失神したりする。なので、火花を散らす前に買い替えたのだ。なんといっても、お鍋の季節なことですし……
そのあと、ESTA地下の四川飯店に麻婆豆腐を買いに行ったのだが、なぜか昼どきなのに席がけっこう空いていたので、担々麵を食べることにした。妻は小辛、私は中辛。サービスの一品は妻が杏仁豆腐、私がライス。
おなかがいっぱいになったので、夕食用の麻婆豆腐を買う積極果敢な意欲が一気に消失。買わずに帰って来た。
このように振り返ると、こんな足元が悪い日にわざわざ出かけるような用事じゃなかったように思えてならない。
IHヒーターはヨドバシ・ドットコムで買ってもよかったわけだし、だいいち、ヨドバシの袋を下げてビックカメラのあるESTAあたりをウロウロするとは失礼千万であった。
駅から家への途中でスーパーに寄り、西山ラーメンのスープとS&Bホンコンやきそばを、自分の大阪へのみやげとして購入。
また、夜は『せいろ蒸し」にすると妻が言うので、帯広の『ほたる』という店(旧:綾月)に、かつて“ジンギスカン風”というせいろ蒸しがあったのを思い出し(つけだれがポン酢ではなくジンギスカンのタレなわけ)、ソラチのジンギスカンのたれを買う。
“ジンくんはたべられません”という注意書きに、地味にウケた私。
雪深い歩道を大股歩き
月曜日。
朝起きて外を見ると-まだ暗くてよく見えなかったが-そこそこ以上に雪が積もっていて、しかも除雪が入っていないという最悪の状況。
5時過ぎの早朝から雪かき。
道路も困るが、線路はどうだろう?
「江別駅に置いてあった、あの除雪車は出動したのだろうか?JRが遅れると困る」と、思いながらときおり吹雪く中、黙々と雪かき。まぁ、おちゃらけながら雪かきをする人はいないだろうけど。
それにしても、ここまで降ったのになぜ市の除雪が入っていないのか理解できない。出動する判断のタイミングを誤ったのだろうか?
朝食を食べ、早めに家を出て駅に向かう。
歩道も誰かが歩いたあとしかない。その足跡に合わせて歩こうとするが、どうやらこの先駆者の足跡は長靴によるもののようだ。なぜか長靴で歩くと大股になる傾向にある。それに合わせて歩くのはつらい。それにそもそも雪道はペンギン歩きが基本だし(特にアイスバーン)。
ドビュッシー(Claude-Achille Debussy 1862-1918 フランス)の「雪の上の足あと(Des pas sur la neige)」。
「前奏曲集第1巻(Prelude I)」(1909-10)の第6曲である。
「前奏曲集第1巻」は12曲からなり、各曲のタイトルは、
1.デルフィの舞姫たち
2.帆(ヴェール)
3.野を渡る風
4.音と香りは夕暮れの大気に漂う
5.アナカプリの丘
6.雪の上の足あと
7.西風の見たもの
8.亜麻色の髪の乙女
9.とだえたセレナード
10.沈める寺
11.パックの踊り
12.ミンストレル
となっているが、初版の楽譜では各タイトルは楽譜の冒頭ではなく、最後のページに書かれている。これはタイトルにこだわり過ぎないようにとドビュッシーが考えたためという。この表記を現在でも踏襲している楽譜もある。
今日はオリジナルのピアノによる演奏ではなく、ブレイナーが管弦楽に編曲したものを。
準・メルクル/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団の演奏。
2011年録音。ナクソス。
悔しいが羽毛をまとおう
駅に着くと、遅れが生じている列車もある。
予定より早い列車に乗り込む。
札幌駅で乗り換えた『エアポート』は3分遅れで発車したが、無事新千歳空港に到着。
新千歳空港は晴れで、江別のように雪が降った形跡はない。
強烈な向かい風ということで5分ほど遅れたものの、順調に大阪空港に到着。
大阪から家に向かった時はふつうのコートだったが、戻りのこの日は朝の天候と気温から、妻の強い勧めでダウンを着て戻った私。
ここ大阪でダウンなんて道産子としては忌避すべき行為だと思う私は、ヒジョーに後ろめたい気分になったが、でもこっちではダウンを着ている人がけっこういる。
実際、北海道とは比較にならないにせよ、それなりに冷え込んでいたし。