海の日はサンピアザ水族館へ、ではなく
今月の第3月曜日は、念のため申し上げておくと今日23日のことではない。今日は2018年7月における第4月曜日である。第3月曜日は先週の「海の日」である。
勘の良いあなたはもう気づいているだろう。これから私は1週間前の過去の思い出話をするのである。
この日は特に目的があったわけではないが、新札幌の商業施設、つまりサンピアザ、カテプリに行った。イオンものぞいてみたが、意外とワイシャツ(長袖)が安くないのですぐに店から出た。
半額にときめきMAX!
ここに来たからにはカテプリのストーンショップ『ストーンブレス』に寄らないわけにはいかない。
と言ってもブレスレットはすでに4つ持っているわけで、目的は原石(ラフストーン)。何か私の気を引くものがないか覗いてみた。
まず、目に飛び込んできたのは゛50%OFF゛の貼り紙。セールが終わったら全部はがすのが大変だろうというくらい大から小まであちこちにこまめについている。
ただ、私は武内豊が天井が低いのが好きだというのと同じくらい知っている。原石はOFFの対象外だということを。
広いとは言えない店内を一周しその場をあとにしようとしたとき、目に入ったのが1つの原石。しかもその石の値札には゛セール対象外゛のシールが貼られていない。
それがこれである。
おっぱいアイスみたいな形だが、似て非なるものだ。
が、実はこうなっているのである。
私の心はクリームソーダを目の前にした乙女のように、なんとなくクリスタルである。
あっ、さっき゛目に入った゛と書いたが、視界に入ったという意味だ。いくらつぶらな瞳の私でも、こんなの目に入るわけがない。
私はブレスレット作りに余念のない店員さんに邪念を与えるべく声をかけた。
「あのぅ、これは半額の対象外ですか?」
われながら、なぜ素直に「半額の対象ですか?」と聞けないものかと不思議に思う。
三歩先にいた店員さんは二歩あゆみよって来て、その石のタグを確認し「これは割引の対象になります」と答えた。
「天然石ですか?」
「はい。最後の一点です」「この台は?」
「それもつけております」
「ぜひ買わせてください」
「ありがとうございます!」
というわけで、7,000円ほどのこの水晶のジオード(石の内部が空洞になっていて、そこに結晶が形成されたもの。いわば手のひらの上の鍾乳洞……ではないか)を、私は3,500円弱で手にすることができた。
添付してくれた説明書きには“幸運と財運をもたらす神秘のマネーボックス”とある。
私がクリスタル成金になる可能性が高まった?
モーツァルトを毒殺したという風評を流されてしまった気の毒なサリエーリ(Antonio Salieri 1750-1825 イタリア)の歌劇「トロフォーニオ(トロポニオス)の洞窟(La grotta di Trofonio)」(1785初演)の序曲を(これまで私はサリエリと書くことがほとんどだったが、世の中のか弱い趨勢に合わせてサリエーリと記すことにしてみた)。
ファイ/マンハイム・モーツァルト管弦楽団の演奏で。
2007~2009年録音。ヘンスラー。
けど、マネーボックスどころか、このところ石でずいぶん散財しているような。
必ず返ってくるよね?石ちゃんたち頼むよ!