同志から錬金ならぬ研磨術の秘技の教えが
オディールさんが鉱物好物家だと知り、『わが同志』として記事に取り上げたが、それを読んだ彼から、メールが来た。
そこには《磨き》について、なかなか詳しい説明がなされていた。
そんな彼は、購入した『ファイアーアゲート』の原石を、磨kingしているのだ。
かいつまんで書くと、
・磨くには耐水のサンドペーパーを使用すると書かれていることが多いが、私の場合はアソコ、いや、玉、いやいや、石の個体が大きすぎるため、まずは大まかにダイヤモンドシャープナーで削り、その後、耐水サンドペーパーで番手を上げながら研磨している。
・最後は研磨剤を柔らかい布に塗って仕上げている。ピカールなどの金属研磨剤が良いと思われまれる。
・ソーダライトはそこまで激硬でなかったと思うので、ある程度形が整っていて小さければサンドペーパーだけでも良さそうに思われる(私はあきらめた)。
ピカールはわが家にもある。水道管の清掃用に20年前に買ったのだが、まだたっぷり残っている(つまり水道管磨きをほとんどしていないということだ)。 磨くだけ無駄なのだそーだ
実はこのメールが届く数日前、私はまたまた新さっぽろのストーン・ショップに行き、『ソーダライト』の原石を購入した。
私は店の人に聞いてみた。
「これをサンドペーパーで磨いていくと、ツルツルピカピカになるんでしょうか?」
「かなり大変です。まず無理だと思ってください。私も一度挑戦したことがありますが、いっこうに進まないのであきらめました」
それに、ソーダライト(Na8Al6Si6O24Cl2)のモース硬度は5.5~6。
硬度5は、ナイフでなんとか傷をつけることができる硬さであり、6はナイフで傷をつけることができずナイフの刃が傷むというもの。
オディールさんの言うように激しく硬くはないにせよ、それでも間違って足の甲に落としたら涙がたっぷり出るほどじゅうぶんな硬さがあるのである。
拝啓 オディールさん
あなたのことはとっても信用しています。けど、ごめんなさい。
私は、あなたより店員さんの言葉を選びます。
でも、ワタシ、オディールさんが忍耐強く『ファイアーアゲート』を磨き続け、今世紀半ばには北見市民スケートリンクの氷のように仕上げることを信じています。その鏡面のような姿を見てみたいものですが、そのころには私は、鏡面のように磨かれた花崗岩の塔の下に眠っていると思います。
そんなあなたに、アンダーソン(Leroy Anderson 1908-75 アメリカ)の「サンドペーパー・バレエ(Sandpaper Ballet)」(1954)をプレゼントします。
どうぞ、ご自分でご購入ください。
私が持っているCDはスタインバーグの指揮によるものなのですが、廃盤になってしまっています。だから。代わりに聴いたことのなスラットキン盤をお薦めします。もちろん聴いたことがないので、お薦めはしますがあくまで良いのではないかという勘しかありません。
そうそう、うれしいお知らせを1つ。
ソーダライトを買ったあと、私はサンピアザ地下3階の回転寿司屋に行きました。
イカやヒラメを食べましたよ!
えっ?全然うれしくない?
そーだよね。 敬具
ところが、ストーンブレスレットのソーダライトの玉は、いくつかかけてしまった。
硬さともろさは別だとは言うが、装着中に時計にぶつかってかけたのだ。
石にも時計にも良くないこの接触事故。
なんとか打つ手はないだろうか?