それはルスツリゾートのコマーシャルだ。よくわからないが、そろそろ開園するのだろう。だからこれでもかというくらい流れている。
そのコマーシャル、若い女性(北海道の歌手で瀬川あやかさんという人らしい)がギターを弾きながら「はーるがきたー、はーるがきたー」とスローテンポで歌っているのだが、画像はその歌とまったくあっていない。口の動きは聞こえてくるいる「はーるがきたー」よりはるかに速いし、ギターをジャンジャカと弾いているような手の動きも速い。
卓球の試合の中継を、実況音声のかわりに「アルビノーニのアダージョ」を流しながら見せられているような感じだ(ややオーバーだけど)。
口パクの疑念どころか、もはや口パクと言えない。だってひとっつも合ってないんだもの。
というか、どうしてこういう作りを許したのか理解できない。作った広告会社も、どんな屁理屈をこねて、こういうCMにしますと提案したのだろう?
この歌手さんも気の毒に思う。
早く春が来きってくれて、あのCMの放映も終わってほしい(なぜかこのCM、ネットでは出てこない。古いのはあるのだが)。
謙虚な態度とも言えるが……
アルビノーニ(Tomaso Albinoni 1671-1751 イタリア)作曲、ジャゾット(Remo Giazotto 1910-1998 イタリア)編曲の「アダージョ ト短調」……
アルビノーニ(Tomaso Albinoni 1671-1751 イタリア)作曲、ジャゾット(Remo Giazotto 1910-1998 イタリア)編曲の「アダージョ ト短調」……
↑ というのはウソで、ジャゾット作曲の「アダージョ ト短調」(1958出版)。
ここにも書いたが-しかも今読むとわかりにくいし-、この曲はアルビノーニの「ソナタ ト短調」の断片を音楽学者のジャゾットが編曲したものと言われてきた。だって、当の本人がそういうんだから、みんなすっかり信じてしまったのだ。
ところが、実際にはアルビノーニの筆による箇所は1つもなく、ジャゾットのオリジナル作品であることがわかった。
「アルビノーニのアダージョ【ジャゾット編】」ということで、ジャゾットの名前はすっかり有名になったのだが、いまではすっかり嘘つき野郎と呼ばれている(可能性がある)。
これだけ有名な曲となったわけだから、最初っから自分の作品ですと言えばよかったのにと思わなくもないが、アルビノーニの名を借りたからこそポピュラーになったのかもしれない。
ジャゾットは名前が有名になっただけではない。
ちゃっかり版権を手にしていて、しっかりと稼いだのだった。
この「アダージョ」やコレッリのコンチェルト・グロッソ「クリスマス」、パッヘルベルのカノンなどバロックの有名小品を集めた「バロック・マスターピース」というアルバムをご紹介。
エトリンガー指揮カペラ・イストロポリターナ他による演奏。
1986年録音。ナクソス。


コメントありがとうございます。おそらくジャゾット自身、アルビノーニを尊敬していたのでしょうね。おっしゃるとおり、まさにウィンーウィンとなりましたね。