なじみのない施設
大阪への転勤にあたっては妻が引越しの手伝いに来てくれたわけだが、街中のあちこちで見かける、ある《看板》の意味が分からなかったようだ。
私にもなじみのないものではあるが、なんとなく意味がわかったのは前に大阪に居たことがあるからかもしれないし、野生の勘のせいかもしれない。
その看板とは『モータープール』と書かれたものである。
結論から言えば、これは駐車場のことだ。
大阪以外の土地ではほとんど使われていない言葉。いわば大阪の方言だ。
どっちにしろ私は泳げないが
このプールというのは、泳ぐために水を張った巨大な水たまりのことではなく-余談だが、私は金槌だ-、人や車の“たまり”。つまり拡大解釈して“車が集うところ=駐車場”ってことにしてしまったようである。
モータープールという言葉自体はアメリカで使われているらしく、軍用車や公用車の待機場所を指すという。
集え!
以上の話をしっかりと踏まえないで、アイヴス(Charles Ives 1874-1954 アメリカ)の交響曲第3番V-15「キャンプの集い(The Camp Meeting)」(1904)。
小編成のための3つの楽章からなる作品で、1901年に書いた2つのオルガン作品が原曲となっている。
3つの楽章は、
1. なつかしき仲間の集い Old Folks Gatherin'
2. 子供たちの日 Children's Day
3. コンムニオン(コミュニオン) Communion
で、原曲がオルガンのための作品だったため、讃美歌のメロディーの引用がある。
ハロルド・C・ショーンバーグの「大作曲家の生涯」(亀井旭/玉木裕共訳:共同通信社)には、以下のような記述がある。
・アイヴズを一つの尺度だけで判断するのは不可能である。彼の作品はあまりに時代に先んじており、作曲(構成) というよりは、突然変異 である。
・1947年、アイヴズは43年前に作曲した『交響曲第3番』の故にピュリツァー賞を授けられた。当時、彼は73歳だったが、その様式は1890年代の半ばに実質的に形成されていた。「なじみの深いコードを使って作曲することが不可能 なことに、初めから気づいていた」と、彼はかつて説明した。「私には他のコードが聞こえた 」と。
・1945年に初演された『第3番』は、讃美歌調の交響曲で、これまた心地良く、滑らかなスコアだが、和声面では少しばかりトゲトゲしくて独特なものを持っている。1911年に初演されていたら、聴衆は悲鳴を上げて場外に飛び出したことだろう。
アイヴズがこのシンフォニーを完成したのは1904年だが、ショーンバーグ氏が書いている1911年というのは、改訂された年である。
・『交響曲第3番』によって1947年にピュリツァー賞を受賞した際、彼はピュリツァー委員会に対し「この賞は少年用だ。私はとっくに成人している」と皮肉った。ある記者には「賞なんてものは、凡人が胸につけたがるバッジみたいなもんだ」と語り、副賞の500ドルは返上した。彼はまた「天才を含む多くの作曲家が、1万ドルの賞金をオペラによって獲得しようとして、転落への道を歩み始める」と語った。
マリナー/アカデミー室内管弦楽団(ASMF)の演奏で。
1975年録音。ロンドン(デッカ)。
ブーブー違い……
もちろん大阪にだって『〇〇パーキング』といった標準語風呼称の駐車場もある。
いや、そりゃお子ちゃまは車のことをブーブーとは言うけれど、それを豚にまで変身させることもないような気がするけど……
なお、名古屋あたりでもモータープールと呼ぶ駐車場があるらしいが、私は目にしたことがない。
大阪への転勤にあたっては妻が引越しの手伝いに来てくれたわけだが、街中のあちこちで見かける、ある《看板》の意味が分からなかったようだ。
私にもなじみのないものではあるが、なんとなく意味がわかったのは前に大阪に居たことがあるからかもしれないし、野生の勘のせいかもしれない。
その看板とは『モータープール』と書かれたものである。
結論から言えば、これは駐車場のことだ。
大阪以外の土地ではほとんど使われていない言葉。いわば大阪の方言だ。
どっちにしろ私は泳げないが
このプールというのは、泳ぐために水を張った巨大な水たまりのことではなく-余談だが、私は金槌だ-、人や車の“たまり”。つまり拡大解釈して“車が集うところ=駐車場”ってことにしてしまったようである。
モータープールという言葉自体はアメリカで使われているらしく、軍用車や公用車の待機場所を指すという。
集え!
以上の話をしっかりと踏まえないで、アイヴス(Charles Ives 1874-1954 アメリカ)の交響曲第3番V-15「キャンプの集い(The Camp Meeting)」(1904)。
小編成のための3つの楽章からなる作品で、1901年に書いた2つのオルガン作品が原曲となっている。
3つの楽章は、
1. なつかしき仲間の集い Old Folks Gatherin'
2. 子供たちの日 Children's Day
3. コンムニオン(コミュニオン) Communion
で、原曲がオルガンのための作品だったため、讃美歌のメロディーの引用がある。
ハロルド・C・ショーンバーグの「大作曲家の生涯」(亀井旭/玉木裕共訳:共同通信社)には、以下のような記述がある。
・アイヴズを一つの尺度だけで判断するのは不可能である。彼の作品はあまりに時代に先んじており、
・1947年、アイヴズは43年前に作曲した『交響曲第3番』の故にピュリツァー賞を授けられた。当時、彼は73歳だったが、その様式は1890年代の半ばに実質的に形成されていた。「なじみの深いコードを使って作曲することが
・1945年に初演された『第3番』は、讃美歌調の交響曲で、これまた心地良く、滑らかなスコアだが、和声面では少しばかりトゲトゲしくて独特なものを持っている。1911年に初演されていたら、聴衆は悲鳴を上げて場外に飛び出したことだろう。
アイヴズがこのシンフォニーを完成したのは1904年だが、ショーンバーグ氏が書いている1911年というのは、改訂された年である。
・『交響曲第3番』によって1947年にピュリツァー賞を受賞した際、彼はピュリツァー委員会に対し「この賞は少年用だ。私はとっくに成人している」と皮肉った。ある記者には「賞なんてものは、凡人が胸につけたがるバッジみたいなもんだ」と語り、副賞の500ドルは返上した。彼はまた「天才を含む多くの作曲家が、1万ドルの賞金をオペラによって獲得しようとして、転落への道を歩み始める」と語った。
マリナー/アカデミー室内管弦楽団(ASMF)の演奏で。
1975年録音。ロンドン(デッカ)。
ブーブー違い……
もちろん大阪にだって『〇〇パーキング』といった標準語風呼称の駐車場もある。
いや、そりゃお子ちゃまは車のことをブーブーとは言うけれど、それを豚にまで変身させることもないような気がするけど……
なお、名古屋あたりでもモータープールと呼ぶ駐車場があるらしいが、私は目にしたことがない。
全国に地味に散在しているんですね。