20180301Dogs  愛犬家の歴史
 大阪市内を散歩していて、私の撮影癖を刺激した光景。

 この家の主の犬に対する変わらぬ愛情が伝わってくる。しかも何匹かは犬から大へと変身しているところも見逃せない。

  無表情ではないが……
 犬と言えば、観たことがある人も数知れずだと思うが、NISSHINBOのコマーシャル。
 あの、二人羽織のようなやり方で、音楽のリズムとは全く無関係なような顔をした犬がチェロを弾き、女性が「ニッシンボー」と歌うやつである。

 ただ、実際のオーケストラなんかでもチェロとかコントラバスの奏者はあまり感情を顔を出さずに弾いている感じなので、あの犬は意外と演技上手なのかもしれない。

 チェロで弾かれるあの曲はバッハ(Johann Sebastian Bach 1685-1750 ドイツ)の、有名な「6つの無伴奏チェロ組曲(6 Suiten fur Violoncello allein)」BWV.1007-1012(1720頃)の第1番ト長調第1曲前奏曲(Praeludium)」である。

 このチェロ組曲は各それぞれ6つの楽章からなっており、弾けない私がとやかく言うことではないが、1本のチェロでよくこんなことができるわいというほどの難曲(バッハの器楽曲はどれもそうだと思うけど)。
 そのなかでも第1番の第1曲「前奏曲」はむかしからいろいろなコマーシャルなどに使われていて、よく知られている。

BachVc  父とのギャップ、そしていまの私
 私は子どものころ、決まって平日の夕方に毎日流れていたウイスキー(確か『ボストンクラブ』というものだったと思う)のコマーシャルに使われているのを耳にして、「なんてステキな曲なんでしょう。なんて大人っぽいんでしょう。ウイスキーっておしゃれ」と思ったものだった。

 当時、私の父は家ではウイスキーを飲んでいたが、彼が飲んでいたのはサントリーレッドで、ウイスキーも飲んでいる当人も全然オシャレじゃなかったが。

 そんな私がいま飲んでいるのは、ブラックニッカ・クリア。それも4リットルボトルで買っている。

 屈指の名盤と言われるフルニエのチェロで。

 1960年録音。グラモフォン。

 この絶好ともいえる場所でがまんするのはワンちゃんも苦しいだろうなぁ。

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