
土曜日は腸内の排泄、ではなく、町内の排雪作業が行われた。
冬のシーズンに一度、市(の委託を受けた会社)が大々的に除排雪を行なってくれるのである。
雪が降れば除雪はしてくれる。しかし基本的に雪は道路の両脇に寄せて積みあがるだけで、道幅は狭くなる。そこで排雪が必須となるわけだ。
作業部隊が現れる前に、私はカーポートの屋根の上にのぼりあたりの景色を見渡した、のではなく、その後屋根に積もった雪を道路わきへと投げ捨てた。
セコイとかこずるいというなかれ。わが家への訪問ができないほど積みあがった捨てられた雪(上の写真は捨て始めたばかりの時点のもの)は、もうすぐ除排雪作業部隊がきれいに持って行ってくれるのだ。その恩恵にあずからない手はない。

やがてストロングなとどろきとともに除雪車がやってきた。
先行隊である。この除雪車が何度も往復しいつもより強力に道幅を広げ、また路面のアスファルトぎりぎりまで雪を引っかき、その雪を『どこか』まで押して持っていく(それももちろんダンプに積まれてドナドナの歌とともに雪捨て場へと運ばれていく)。いつものようにただ道路の両脇に押し付けるだけではないのだ。
そのあとはダンプカーを十数台引き連れたロータリー式の除雪車がやってくる。
道路わきに積みあがっている雪をロータリー車が呑み込む。その横にダンプカーがゆっくりと伴走し吐き出される

荷台がいっぱいになったらすぐに後続の別のダンプカーが来るのである。ロータリー除雪車とダンプカーが並走するので、その道幅確保のためにも先行隊による除雪が必要なのである。
それにしても公道の幅ギリギリのところのラインをきっちりと走行するロータリー車の運転テクは大したものだ。私だったらあっけなく消火栓を巻き込んでしまいそうだ。
せっかくきれいになったが……
こうして道幅は広がり、(写真ではわかりにくいかもしれないが、いや全然わからないだろうが)快感的雪壁が残されるのである。
この日、函館の方の道南や根室の方の道東は大荒れの天気になった。
しかしこちらは先行隊の除雪車がやってきたときにはやや強めの雪が降っていたものの、その後は晴れた。

例年の傾向を見ると、排雪が行なわれた直後にあっというまに再び道が狭くなるような大雪に見舞われることが多々あるからだ。
だからといって、気を引き締めたところで、降るものは降ってしまうのだが……
伊福部昭(Ifukube,Akira 1914-2006 北海道)の「氷壁」。1958年に公開された映画「氷壁」のために書かれた音楽である。
サウンドトラック。キング。
この曲を含む、伊福部昭の映画音楽全集で聴くことができる。