幼児体験のせい?浅田次郎の「勇気凜凜ルリの色 四十肩と恋愛」(講談社文庫)のなかの「
浅田氏の生家は金持ちだったそうだが、氏が“九歳のとき家業が没落して、一家離散の憂き目に遭った”。
どん底に落とされ、親類の家に引き取られることになるが、持っていけるものは限られる。
どうしても捨てたくない物が二つあった。
ひとつは母が買ってくれたヴァイオリンで、それは失踪した母に対する思慕というより、純然たるヴァイオリンへの愛着のために、捨てたくはなかった。
氏はヴァイオリン・コンチェルトを好んで聴くそうだが、この幼児体験によるよるのかもしれないと書いている。
だが、ヴァイオリンはこのとき捨ててしまった。
もう一つ捨てたくなかったのはミーコという名の猫だったが、家を去るその日、ミーコはついぞ姿を現さなかったそうだ。
素敵なネーミングその後、このエッセイが書かれた(初出の)とき、氏の家では5匹の猫と1匹の犬を飼っていたが、その数年前には犬猫合計13匹を飼っていたという。
過去飼っていた猫のことも書いているが、その名前に思わず笑ってしまった。
……数年前に同居した
……当時、家中を仕切っていた
……愛犬「平岡パンチ」と肩乗り猫「稲田ミルク」……
ペットを飼うわけにはいかないが、私もたとえばオーディオの左のスピーカーに「山本トメ」、右は「内馬場恭平」とか名づけ……実に意味のないことだな、うん。
きっと浅田氏も大好きだと思われるメンデルスゾーン(Felix Mendelssohn[-Bartholdy] 1809-47 ドイツ)のヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64(1844)を。
今日は五嶋みどりのヴァイオリン、ヤンソンス/ベルリン・フィルの演奏で。
2003年録音。ソニークラシカル。
あぁ、そろそろ「移期」モードから脱出したい-まだ平常・平穏なる落ち着いた暮しの状態とは言えない-私である。
