201801Amazake  もう境界から完全に離れた?
 今月の中旬に札幌に出張したとき、定例の採血&お薬頂戴のため病院に行った。

 当日のうちに結果がわかるヘモグロビンA1cの値は5.6。基準範囲は4.6~6.2だから、この点に限って言えば境界型糖尿病どころか完全健常者。
 このため私の身体で甘いのは、フェースだけってことになってしまった。

 最近ブームになっているようだが、そしてそのせいで私もブームに乗ったのだが、『飲む点滴』と呼ばれている甘酒。甘酒はとにかく体に良いらしい。

  えっ?ウチにもあるの?
 1月の13日、土曜日。
 毎週夕方HBC(TBS系)で放送されている北海道ローカルの『あぐり王国北海道NEXT』を観ていた。

 この日はJAあさひかわの『ゆめぴりか甘酒』が取り上げられていた。

 実は私は甘酒が苦手だ。
 あの甘酒臭さが何よりウッと来る。日本酒を飲むことができるのに何言ってんだと言われそうだが、ウッと来るものは来るのだ。それに日本酒だって、ちょっと飲みすぎたらウッとどころかオエッと来るではないか。

 番組では、JAあさひかわの甘酒は麹から作ると言っていた。
 甘酒が苦手だというちびっこレポーター(あぐりっこ隊)が「おいしい!」と素直な気持ちを吐露していた。

 知らなかったが、甘酒には酒粕から作るものと麹から作るものがあるそうだ。
 TVで得た知識を、もともと甘酒が好きな妻に教えると、いまさらこの人なにを言ってるの?って顔をされたうえ、「冷蔵庫に入っている」と、「風呂は沸いている」みたいな感じで逆に教えられた。

 冷蔵庫の扉を開けてみると、あ~ら、JAあさひかわのものではないが、『国菊』というところの米麹から作った『本格甘酒』なるものが入っていた。あんなに冷蔵庫を開け閉めしていた私だが、ちっとも気づかなかった。視野狭窄も進んでいるのだろうか?

  嫌味のない良いとこどりの味
 そしてそれを飲んでみると、そりゃけっこう甘いが、それまで私が抱いていた甘酒の概念がガラガラと崩れてしまった。

 うまい!

 あの独特のクセ、嫌味がない。

 まじでうまい!

 子どものころ家で飲まされていた甘酒は酒粕から作ったものだった。
 私が甘酒を苦手にしていたのは、酒粕のせいだったのだ(ちなみに、米麹製のものはアルコール分を含んでいないが、酒粕製は若干アルコールを含む)。

IbertSado イベール(Jacques Ibert 1890-1962 フランス)の「バッカナール(Bacchanale)」(1956)。

 バッカナールは古代ギリシアの酒の神バッコスをまつる祭りのこと。
 イベールのこの曲は、野蛮ともいえる、飲んだくれたちの騒ぎのよう。
 甘酒じゃ、もちろんこうはならない。

 佐渡裕/ラムルー管弦楽団の演奏を。

 1996年録音。ナクソス。

  おいしい習慣だから続けられそう
 名古屋に戻ってスーパーに行ってみると、同じ『国菊甘酒 900ml』が売っていた。
 それからというもの、毎日少しずつではあるが甘酒を飲んでいる。

 なんせ『飲む点滴』なのだ。
 どうしましょ、血液検査の数値がことごとく劇的改善してしまったら……

 あっ!
 勘違いしてるでしょ?

 今回、私が血液検査を受けたのは「あぐり王国」を観た前の日のこと。
 それまでは何十年にもわたり甘酒をまったく口にしたことはなかった。
 つまり、ヘモグロビンA1cの好成績は甘酒とは関係ない。

 だからこそ、この次はもしかするともしかするぐらいの効果があらわれる可能性を秘めているのである。