
魅惑的な言葉をごちゃまぜにして訴えてくる店である。
『健康一番』はわかるが、その下に『毎日の運動』。
それが何に関連付けられているかというと、実は看板のいちばん上に書かれた『歌って踊って』である。
うっかりすると、同じ毛筆体文字の『歌って踊って健康一番』で完結していると考えがちだが、実は『歌って踊って』は下の丸ゴシック体の『毎日の健康』にもかかっているわけだ。秘技・二重目的格である。
さりげなく『一曲100円』とダブル攻撃しているところも見逃せない。
同じ数がダブル。人はそれをゾロ目と言う
さらに店主がダブル好きだろうということがにじみ出ているのがゾロ目。
「ゾロ目出たら1曲サービス」ってやつだ。いったい何のゾロ目なのかはっきり書かれていないところが、また客の好奇心をいやがおうにも高めている。
『憩いの場』に目を奪われているうちに、かんじんの健康のことが頭から抜けてしまいがちだ。
そこで印象を決定的にするのが『健康道場』である。
憩えるが、あくまで目的は健康。
足腰を無理なく鍛えるために立ち飲みにしているところも、もちろん計算ずくだろう。
ところでここには謎の食べ物が書かれている。
ドラえもんやホリエモンのことは知っている。南大門は帯広の焼肉屋だし、赤門は(ホリエモンとも関連する)大樹町にあるラーメン屋だ。
だが、ハザエモンって何だ?何者だ?
500円ってリーズナブルだけど……

ブロッホ(Ernest Bloch 1880-1959 スイス→アメリカ)の「ヘブライ狂詩曲『ソロモン』(Rhapsodie hebraique 'Schelomo')」(1915-16)。
独奏チェロとオーケストラのための作品。
ソロモンは古代ユダヤ王国の最盛の時代の王。ヘブライ語の発音に従って綴るとソロモンの名はシェロモとなる。そのためこの曲も「シェロモ」と呼ばれることもある。
ブロッホはユダヤ民族主義の作曲家。
この曲は彼の主義を強く示したもので、「ソロモン」をユダヤの象徴として音楽にした。つまり標題音楽ではない。
モルクのチェロ、P.ヤルヴィ/フランス国立放送フィルの演奏を。
2003年録音。エラート。
ところで、この店の写真を撮ったのは土曜日の朝。
当然ひと気はない。入口は籐細工的板と金網によるバリケードされている。
だが、のれんはかかっているし、営業中の札も。
そのずぼらさがちょいと気にかかる……