
先週のある日の夕方。
寂しげな雰囲気を発散しつつマンションに向かう帰宅途中の単身赴任者の私は、華やかな気分を味わいたくてスーパーに寄った。スーパー店内の明るさが華やかに感じるなんて、なんて感受性が豊かなのだろう!
一応断っておくが、実際に寂しいというわけではない。迎える人がいない部屋にニタニタして帰る方が気持ち悪いではないか!
すると驚くほどのことではないが、そのときはびっくりしたことに豚バラ肉ブロックが安売りされていた。
どうでもいいことだが、土曜日に見かけたこの焼肉店。どうも豚らしきものが描かれているが、注文したら肉が、牛かと思ったら豚でびっくりって意味が……こめられてないよな。たぶん。豚っ鼻の牛なんだ、きっとこれ。
肉塊のパックを手にした私は決意した。「よし!チャーシューを作ろう!」
あぁ、この店に立ち寄ってよかった。プチ・ハッピー。けどまた衝動買いをしてしまった嫌悪感もこれまたプチプチ。
煮汁は油膜どころじゃない状況に
で、さっそくパックから肉を取り出したのだが、ラップ越しに見えた赤身の部分はまさに
豚バラ肉だから看板にウソ偽りはないわけだが、私は勝手に赤身と脂身ができそこないのミルフィーユのように層をなしているとばかり思い込んでいたのだ。
けど、これを表裏逆にしてパックし販売しても絶対に売れないと思う。いや、カラスに餌付けしている奇特な、でも近所からはたいそう迷惑がられている爺さんなら買うかもしれない。トレーに接している裏面を確認することは無理にせよ、私はあらゆる角度からこの塊を観察すべきだった。
ということで、出来上がったのはチャーシューと角煮の中間のような料理。
いやぁ、出た出た。たっぷりと。いや、ですから煮ているときに脂が。
だから、出来上がったチャー煮-なんてことはない。煮豚ってことか-は脂身も(変な言い方だが)脂っぽくなくてとろとろ。なんだか口内がツヤツヤピチピチになりそう。
味?ちょっとしょっぱかったけど上出来。

バルトーク(Bartok,Bela 1881-1945 ハンガリー)の「ハンガリーの風景(Magyar kepek)」Sz.97(1931)。「村での夕べ」「熊の踊り」「メロディ」「ほろ酔い加減」「豚飼いの踊り」の5曲からなる管弦楽曲。
これらの曲はバルトーク自身のピアノ曲がもとになっている。
「村での夕べ」と「熊の踊り」は「10のやさしいピアノ小品」Sz.39(1908-09/改訂'45)の第5曲と第10曲、「メロディ」は「4つの哀歌」Op.9a,Sz.45(1909-10)の第2曲、「ほろ酔い加減」は「3つのブルレスカ」Op.8c,Sz.47(1911)の第2曲、そして「豚飼いの踊り」は「子供のために」第2巻の第21曲である。
ブーレーズ/シカゴ交響楽団の演奏を。
1993年録音。グラモフォン。
週末。
あんなことを書いたゆえに正統的な《たぬき》を食べたくなった。
そうだ!面倒がらずに自分で作ればいいんだ!
そういうわけでアサイチでまたまたスーパーに出かけたのであった。 ……続く