IMG_0003  ドビュッシーも尊敬した作曲家
 生麺タイプのカップめんはラ王である。響きも字も似ているものの、しかしながら、今日取り上げるのはラモー。

 ドビュッシーの「映像第1集」の第2曲のタイトルは「ラモーをたたえて」。そのラモーである。
 ドビュッシーは、フランス音楽の偉大なる先人・ラモーへの尊敬の念の“イメージ”をこの曲で表現したのだった。

 ラモー(Jean-Philippe Rameau 1683-1764 フランス)は後期バロック時代のフランス最大の作曲家とされる人物だが、現在その位置づけにふさわしいほど広く聴かれているかというと、Non!である。

 皆川達夫氏は「バロック音楽」(講談社現代新書)で、こう書いている。

 ……(大クープラン(フランソワ・クープラン)の同時代人で)重要なのは次の世代に属し、オペラの上でも重要な仕事を残したジャン・フィリップ・ラモーである。彼のクラヴサン作品の数は決して多くないが、鍵盤的なイディオムの追求、舞曲形式の重視そして和声的効果で、とくに注目すべきものがあり、大クープランのそれとともに今日の演奏会の重要なレパートリーとなっている。
 ニワトリの鳴き声を模倣した〈メンドリ〉は特に有名だが、しかしラモーのクラヴサン音楽をこの1曲だけで評価するのは、誤りといえよう。同様に、ラモーの同時代者ルイ・クロード・ダカンも鳥の声を模した〈カッコー〉で知られているが、これもいわばひとつの戯作であって、このすぐれたオルガン作曲家の本領を発揮した作品とはいいがたい。


 う~ん、重要なレパートリーになっているのかぁ……な?

  レスピーギも使用
 そんななかで、よく知られている曲が、皆川氏も書いている「めんどり」や、「タンブラン」、「めんどり」である。

 「鳥のさえずり(Le rappel des oiseaux)」と「タンブラン(Tambourin)」は、1724年出版(改訂1731)の「クラグサン曲集(第2組曲)(Pieces de clavecin)」に含まれる。
 この曲集は10曲からなり、「鳥のさえずり」は第5曲、「タンブラン」は第9曲にあたる。

 「めんどり(La poule)」はレスピーギが組曲「鳥」の第3曲「めんどり」で用いた曲。
 「新クラヴサン組曲,またはクラヴサン曲集第2集(Nouvelles suites de pieces de clavecin,ou Second livre)」(1728頃出版)の第12曲だが、この新組曲は、第1~7曲が第4組曲、第8曲~第16曲が第5組曲に分かれている。
 ということは、第5組曲の第5曲ということにもなる。

 マルコムのチェンバロで。
 1965年録音。デッカ。

 B.シャンピニュール著「音楽の歴史」(吉田秀和訳:白水社文庫クセジュ)には、ラモーについて以下のような記述がある。

 ……彼は孤独な男で、世間ぎらいだった。天性剛直で、恐るべき性格の持ち主として通っていた。40歳になるまで、彼は孤独のうちに、和声の抽象的な科学的研究に没頭していた。……(中略)……『和声論』は1722年に出版され、音楽界にセンセイションをまき起こす。著者は、音楽の最も著名な理論家としての地位を確立する。……

 ちなみに、ダカン(Louis-Claude Daquin 1694-1772 フランス)の「かっこう(Le coucou)」は「クラヴサン曲集第1巻(Premier livre de pieces de clavecin)」(1735刊)-第1組曲(8曲)、第2組曲(6曲)、第3組曲(4曲)、第4組曲(2曲)からなる-に収められており、第3組曲の第1曲である。
 なお、第2組曲第6曲の「つばめ(L'hirondelle)」もよく知られている。

 上で紹介したCDには「かっこう」も入っている(1960年録音)。