
初代・陳建民、2代目・陳建一、3代目・陳建太郎の赤坂四川飯店。
名古屋にも、その直営店か系列店かはよくわからないが、四川飯店がある。
場所は名駅でも栄でもない。池下という街の閑静とした住宅街にある。
先週、牛坂課長ならびに
もちろんただ行ってみただけではない。ちゃんと食べてみた。
モダンな店舗。提灯やら紹興酒のカメなんかが店先に並んでいたりしない。
店内には、いかにもって感じで中国音楽が流れたりしていない。
価格設定は、一般的な中華料理店の1.5~2倍くらい。赤坂の四川飯店よりはちょっぴり安いかもしれない。
が、味は間違いなし。これなら、この価格でも文句など言えるものか!
陳建一の麻婆豆腐と陳建民の麻婆豆腐の2種の麻婆豆腐があり、どちらも食べてみたが、どっちもうまい。
建一版は唐辛子マーク4つ、建民版は1つ。
建民版の方が懐かしい味がする。
なお、どちらも山椒(
メニューにはないのを承知で「かに玉はあります?」と言ってみたら、ウェイターのお兄さんが「かに玉はちょっと」と笑って応えてくれた。ウケてよかった。
メニューにあるのに「麻婆春雨……」とオーダーしようとすると間髪入れずに「ない!」というあの店とは正反対。応対も洗練されている。
味わい深さこの上ないスープ
最後に担担麺を注文。
3人でシェア。
スープをすすると、なんと深みのある味か!
憑りつかれたように続けてスープを飲んでしまい、汁なし担担麺のようになってしまった。
もちろん麺もこのスープに相性抜群の太さ。
あぁ、3人でシェアするんじゃなかった。みんな私の物にすればよかった!
せめて、大盛りを3人で分けるべきだった。
なお、こちらも山椒は使っていない。
友好マップが変化
ところで、何度か触れているが、札幌にも四川飯店がある。それも2店。
私がよく行っていたのは札幌駅ターミナルビル・ESTAの10階にある店の方だ。
ところが以前、赤坂の四川飯店に行ったとき、レジの横に置いてある全国の店舗が載っているパンフをみると、その店が載っていない。
レジの人に聞くと、その店はウチの系列店ではないという。一方、もう1つの店、札幌ガーデンパレスに入っている四川飯店は関係があると言っていた。
写真は、1985年に発行された「暮しの設計 Vol.167 陳建民 健一 中国の家庭料理入門」。
そのなかに四川飯店の案内が載っている広告ページがある。
赤坂四川飯店の系列店として札幌四川飯店が載っているが、この電話番号はESTAにある店のもの。この店はもちろんいまでもあるし、人気がある。電話番号も同じだ。
ということは、少なくとも昭和60年の時点ではESTAの店は赤坂四川飯店の系列店だったことになる。
一方、札幌ガーデンパレスに入っている四川飯店は、いまのガーデンパレスが建てられる前、現在地の近くにあったエルム会館だかという古い建物にあったはずだ。行ったことはないが看板を見かけたことがある。
それがどんないきさつか知らないが、ESTAの店はもう本家と関係なく、逆に広告には載っていなかったガーデンパレスの店はつながりがあることになった。
ガーデンパレスの店に初めて行ったのはいまから15年ほど前で、その後何回か食事しているが、確かに赤坂四川飯店や先週食べた名古屋の四川飯店の味に通じるものがあるし、ESTAの四川飯店よりも値段の設定も高めだ。

そういえば、ESTAの四川飯店はかつて、陳建民の弟子だった人(日本人)が料理長を務めていると言っていた(写真はまったく関係ない名古屋の中華料理屋でみかけた貼り紙です)。その人が辞めたあと、提携関係が変わったのだろうか?ホームページには“桃園会グループ”とある。
ところで、なぜ私が陳建民の料理本を持っているか。
ESTAの四川飯店の担担麺や麻婆豆腐などの味に感動した若き日の私は、自分でも作りたいと強く思った。
そんなときにこの本を見つけたのである。
“暮しの設計”での陳建民シリーズは私が知っている限り3冊ある。ほかの2冊は“陳建民・洋子夫妻のおそうざい中國料理”と“陳建一 中国の野菜料理”である。
結局私は札幌の旭屋書店でこれらのバックナンバーを買いそろえたが、いちばん使っているのは“中国の家庭料理入門”である。
これに載っている麻婆豆腐と担担麺のレシピ。
陳建民はどちらにも花椒を使っていない。
今日はちょいと変わったアルバムを。
いまから15年以上前に秋葉原の石丸3号店で、なんの目的意識もなく買ったもの。
最近になってナクソス・ミュージック・ライブラリーで検索してみたら、これが中胡のための協奏曲と二胡と管弦楽のための作品集であることがわかった。
収録曲は写真に書かれているとおり。
中胡協奏曲「Su Wu」の作曲者はZhu Liu、二胡のための協奏曲「Ballad of Yubel」の作曲者はWenjin Liuということだが、ほかの曲は伝承曲もしくは作曲者不詳らしい。
数人の店員を雇っているくらいの規模の中華料理店の中で流れていそうな“いかにも”音楽だ。
中胡と二胡を弾いているのは黄安源、指揮は葉詠詩、オーケストラは香港フィルハーモニー管弦楽団。
1987年録音。MARCO POLO。
なお、広告に書かれている旭川と北見(錦江)の四川飯店は現在はない。
旭川店はターミナルホテルの上の階に、錦江は北見東急百貨店にあったが、ホテルはイオンに建て替えられたし、東急百貨店は……いまどうなってんだろ?