20170718Map  夜はウニにカニに……ってわけではなく
 さて、Victoriaで遅めのランチを食べ、支社に行き打合せをして、夜は南稚内駅近くの居酒屋。

 刺身は少し食べたが、あとは鶏のザンギや肉じゃが、ポテトサラダといったもの。飲み物はビールにハイボール。つまり、ボルシチやピロシキ、ウォッカなど稚内情緒に浸る(?)ようなメニューは一切なし。
 いつもと変わらぬ食生活がいちばんである。

 翌日は午後に旭川支社と打合せ。
 宗谷本線を南下する(地図は“THE JR Hokkaido”より)。

 稚内から旭川に向かうに当たり、もちろん事前に列車の時間を調べたのだが、なんと南稚内(稚内駅の1つ南にある駅で特急も停まる)6:40発の特急“サロベツ2号”に乗らなければ、打合せの時間までに旭川に辿りつけないことがわかり、その不便さにけっこう愕然とした(バスは日本海側を走るので旭川には寄らない)。

 料金の問題はあるが、名古屋で単身赴任している私よりも稚内で単身赴任生活を送る方が、自宅に戻るのがたいへんかもしれない。

 “サロベツ2号”が旭川に着くのは10:19。3時間39分かかる(ちなみに始発駅である稚内から南稚内までの所要時間は4分)。
 にしても、こんなに早く出発、そして到着しなくてはならない理由はない。

 理由はないが、事情がある。
 つまり、このあとの便となると稚内13:01(南稚内13:05)→旭川16:48の“サロベツ4号”まで特急がない。
 支社の人に「なんだおまえ、夕飯を食べに来たのか?」と皮肉の八つも言われそうだ。

 稚内10:27(南稚内10:31)発の普通列車に乗れば14:01に名寄に着く。
 名寄で14:35発の旭川行き快速“なよろ8号”に乗れば、旭川に16:01には着く。
 これとて、支社の人に「なんだおまえ、夕飯を食べに来たのか?」と皮肉の五つも言われかねない。

 だいいち、5時間半もちんたら列車に揺られるなんて、傷心・男独り旅じゃあるまいし耐えられたもんじゃない。

 そんなわけで私は早朝から南下作戦を開始せざるを得なかったのだ。ふだんから早起きだからいいけど。

  南稚内からだから、本線制覇にはならず
 実は今回が私にとっての宗谷本線発情者、いや初乗車。
 過去に稚内に出向いたとき、あるいは帰るときはいずれも車か飛行機だったのだ。
 
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 稚内から来る“サロベツ”をホームで待っている間、私の気持ちはワット数の少ない白熱電球のように暗かった。

IMG_20170721_0004 あの老朽化した183系に乗るのと思うと、どうしても気分が盛り上がらない。

 というのも、トイレではなく便所を利用しなくてはならないということを意味するからだ。いくら小の方の用だとしても、なんかいやだ。臭そうだ。

 “便所使用お知らせ灯”というプレートと、薄暗い白熱球色のランプ。
 そのイメージが強い。去年の夏も岩見沢~旭川間で“サロベツ”に乗ったので、その記憶はまだ色あせていない。あのときは別に便所に行ったわけじゃないが、ひどく昔くさいランプと表記に北海道民として観光客で利用する人に恥ずかしい感じがした。

 が、カーブから姿を現わしたのは261系。札幌⇔稚内の特急“宗谷”と同系車両である。

 あとできちんと調べてみたら、3月のダイヤ改正で“サロベツ”も“宗谷”(このダイヤ改正で“スーパー宗谷”は“宗谷”になった。謙虚な姿勢である。が、本数は1日2往復から1往復になった。これは謙虚とは別種のものだ)も261系での運転になっていたことがわかった。

 少しテンションが上がった私。が、老いた183系がすべて石北本線に集められていると思うと、北見、網走方面の人が気の毒だ。

 列車は南下する。
 

  線路を横断しようとする鹿は馬鹿だ
 草原と森林の狭間にあるような場所。牧草地以外で林となっていない場所はササが繁っている。マダニの楽園だ。


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 何度も警笛とともに急な減速。エゾシカなんかが横切るのだろう。

 ほら実際、牧草ロール(言っておくが、ロールケーキの一種ではない)の横には散策中のエゾシカが。

 

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  ……のべ
 駅名板を撮り損なったところで、今日はマーラー(Gustav Mahler 1860-1911 オーストリア)の「朝の野辺を歩けば(Ging heut' morgens ubers Feld)」。
 歌曲集「さすらう若人の歌(Lieder eines fahrenden Gesellen)」(1883-85/改訂'91-96)の第2曲であり、交響曲第1番の第1楽章第1主題に転用された。

 マーラーの交響曲の第2番から第4番は「角笛交響曲」と呼ばれるが、それは歌曲集「子供の不思議な角笛」のメロディーが使われているから。
 しかし第1番は「さすらう若人の歌」と密接なつながりがあり、また交響曲そのものが交響詩だった当初は“青春”というテーマをもっていたわけで、第1番は「若人交響曲」なのである(誰もそんな呼び方をしていないので、よそでは言わないように)。
 さらに、この歌曲集の第4曲「彼女の青い眼(Die zwei blauen Augen von meinem Schatz)」は同じく交響曲第1番の第3楽章の中間部に使われている。

 なお、歌曲集の第1曲は「彼女の婚礼の日は(Wenn mein Schatz Hochzeit macht)」、第3曲は「私の胸の中には燃える剣が(Ich hab' ein gluhend Messer)」である。

 ハーゲゴールのバリトン、マズア/ニューヨーク・フィルの演奏を。
 交響曲第1番とのカップリングなので、聴き比べると「なるほど!」と思わずあなたは膝を打ってしまうかもしれない。

 1992年ライヴ録音。テルデック。

 さらに私の宗谷本線南下作戦は続く……

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