Cui_Midori  安全のためとはいえ、やり過ぎでは?
 あさってから道北-つまり北海道の北の方-に出張なので、この週末は自宅に戻ってきている。

 先週は北海道も(北海道としては)かなりの暑さだったということで、この先の一層の地球温暖化にも備えるため、わが家のリビングにもいよいよもってエアコンをつけなければならないかもと、水曜日から妻と非公式に電話会談による協議を始めた。

 妻が複数の家電量販店に問い合わせたところ、エアコンを設置する場合は専用回路のコンセントが必要であり、それがないと取り付けできないという(そのことは昨年知った)。

 これは法律で定められたことではなく、業界(メーカーと家電量販店)の自主規制なんだそうだ。

 いまから6~7年前に子供部屋の1つにエアコンを取り付けたときは、購入した家電量販店でそんなことは言われなかったので、ここ数年の間にできた規制なのだろう。子供部屋のエアコンは、ふつうにコンセントに差し込んで使っている。

 確かにタコ足配線だと発火する危険性がある。あるいはリビングなどで比較的大きなエアコンをつけるとなると専用回路があった方が安心だ(あるいは200Vなら、専用回路にせざるを得ない)。

 しかし6畳程度の部屋で使う-それも毎日ではなくたまに-小さめのエアコン(15A以下)を取り付けるのにも専用回路が必要となると、ちょっと規制しすぎなんじゃないかと思う。
 そのうち、電気ストーブを使う場合も、アイロンを使う場合も、あるいはハンダごてを使う場合にも専用回路が必要と言いださないことを願っている。

  商品だけの販売はできかねます
 いまのところ予定は全然ないが、将来リビング以外の部屋(6畳や8畳)にエアコンをつけたいと思っても、家電量販店に頼む限りは専用回路のコンセントをつけないと設置してもらえない。あるいは、現在子供部屋についているエアコンの寿命が来て買い替えようとした場合も、今度は専用回路が必要となる。

 実は昨年の秋に、ある家電量販店でエアコンが安くなっていたので購入を検討したことがある。
 そのときに初めて専用コンセントが必要だということを知った。そのエアコンは100Vのタイプだったのでふつうのコンセントに差し込んで使えばいいと思いきや、それはダメという。

 では回路を設けるにはと見積もってもらうと、けっこうなお値段。結局、取り付け工事費込だったにもかかわらず、専用回路だのなんだので、見積り額は本体価格の倍くらいになった。
 しかも、納戸の中にあるブレーカーから壁に穴をあけて専用回路のコードを引き出し、キッチンやリビングの壁にコードを這わすという見た目も鮮やかな隠し事なしの工法。それじゃみっともないので取り付けをやめたのだった。

 その後、ハウスメーカーに聞くと、床下を這わして壁の内側にコードを通してコンセントを作ることができるということだった(ヨドバシもそうできると言っていた)。

 今回あらためてハウスメーカーに聞いてみると、リビングに専用回路を引っ張るのは4万程度でできると言う。また、ハウスメーカーでもエアコンを扱っていると言う(もちろん取り付け工事もできる)。
 回路の工事は価格面と、そして家の構造を熟知している観点からハウスメーカーに頼んだ方が良いかなと思っている。家の構造という点では、取り付け工事もハウスメーカーに頼んだ方が安心できる。
 
 私に残された選択肢は次の4つ。

 ① 家電量販店に回路の工事とエアコン購入・取り付け工事の一切を頼む
 ② ハウスメーカーに回路の工事とエアコンの購入・取り付け工事の一切を頼む
 ③ 回路の工事のみハウスメーカーに頼み、エアコンの購入・取り付け工事は家電量販店に頼む
 ④ 家電量販店からエアコン本体のみを購入し、回路と取り付け工事はハウスメーカーに頼む

 ただし、新製品が安いらしい家電量販店-私は新製品を買ったことがないのでどれくらい安いのかわからない-に電話で問い合わせると、④には応じられないと言っていた。
 専用回路の有無が分からない先に売るのは自主規制に反するからだろう。

 あとは価格を比較して、どちらから買うか、あるいは今年も購入を見送るか考えることする。
 と、言ってる間に決断と、そして買うと決めてからも納品まで時間がかかり-実際、1カ月待ちというところもあるらしい-すっかり涼しくなってしまっている可能性もある。

 なお、専用回路の工事をしてもらうにしろ、安いからといって悪質な電気工事会社に頼むととんでもない工事になっているケースもあるようだから注意が必要だ。

  良く言えば“渋い”?
 先日キュイ(Cesar Cui 1835-1918 ロシア)の「オリエンタル(Orientale)」を取り上げたが、そのときに自分で聴いてもいないのに紹介した五嶋みどりのCDを購入、ちゃんと聴いてみた。

 この曲を聴くのはおよそ20年ぶり。

 こんな曲だったっけ?

 考えてみれば、私がむかし聴いていた演奏は、トランペット・ソロとヴァイオリン合奏用に編曲されたものだった(ドク・シツェルのトランペットとボリショイ劇場ヴァイオリン・アンサンブル)。だから、オリジナルのヴァイオリンとピアノのものより華があったのだろう。
 今回聴いた感想は、「あら、まぁ、地味でございますこと」

 キュイの作品中最も有名な作品がこれなら、ほかの作品が忘れ去られてしまっているのも納得。同時に、キュイが置かれているいまの立場もやむを得ないと理解できた。

 みどりさんに落ち度がないのはもちろんのことである。

 ピアノはマクドナルド。

 1992年録音。ソニークラシカル。