この日の昼食代475円
ほぼ1年前のこと。
私はあるホテルのラウンジでカレーライスを注文した。
そのあとに入ってきた男性客はピラフを注文した。
やがてカレーを持った店員(私が店に入ったときに迅速な対応をせずウェイトさせられたのでウェイトレスと呼ぶにはふさわしくない)が、男性客の所へ行った。
男性客は、頼んでない、でもカレーでもいいや、と本来の注文者である私のことなど忖度せず(しかも、ピラフよりカレーの方がやや値段が高いことにも気づいていなかったはずだ)、そしてまた店員はラウンジがほとんど無人並みにガラガラすいているのに自分が運んだ相手が間違いであることにしばらく気づかず、あやうく私のカレーが他人の胃袋に収まるところだった。
その店員が井瀬詩麻子。こことここで連載扱いで取り上げられた女性である。
愉快ではない気分でカレーライスを食べ、詩麻子にお金を払って別れてからおよそ1年が経った先週の金曜日、再びそのホテルに行く用事がった。
他にエサを与えてくれる場所がないので、去年と同じように魔界に踏み込むように足を店の中へ入れるしかないのだろうか。
いや、あのいたたまれない雰囲気は二度と味わいたくない。
そう考え、私は近鉄名古屋駅、というか近鉄パッセの“にぎりたて”で焼きたらこのおにぎりと天むすを買い、電車に乗り込んだ。目的地・志摩磯部駅に着くのは11:50。その前の宇治山田駅で伊勢志摩ライナーに乗り換えたら食べることにしよう。暑くなりそうだが、電車の中だ。おにぎりが傷む心配はまったくない。
ホテルに着き、怖いもの見たさ、というか、雰囲気が変わっていないかどうか知りたくて、あのラウンジの入口近くまで行ってみた。 1,200円ちょっとはある意味安いとはいえる
1年前と同じ静けさだった。
入口には、食事メニューとしてカレーとピラフの写真を載せたメニューが。
1年前と同じだ。
覗き込むと、客は数組。
覗き込んでも店員に気づかれないのだ。店に入ってもしばらくは気づかれないくらいだから。
詩麻子はこのとき果していたのだろうか?
あるいは不在だったのだろうか?
なお、写真がボケているのは、雰囲気だけではなく廊下も暗かった上に、汗で蒸れた携帯電話で撮ったからだ。決して魔界だからということではない。
ってことで、再会はしなかったが……
ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven 1770-1827 ドイツ)のピアノ・ソナタ第26番変ホ長調Op.81a「告別(Das Lebewohl)」(1809-10)。
3つの楽章からなり、それぞれの楽章には「告別(Lebewohl)」「不在(Abwesenheit)」「再会(Wiedersehn)」の標題がある。
ベートーヴェン自身が標題をつけたピアノ・ソナタはこの「告別」と第8番の「悲愴」の2曲だけである。 この告別とは、ベートーヴェンのパトロンだったルドルフ大公とのこと。
1809年にナポレオン率いるフランス軍がウィーンを占拠。ルドルフ大公を含むウィーンの貴族たちは疎開した。
ベートーヴェンは第1楽章に“告別、尊敬するルドルフ大公殿下のご出発にあたって”と記した。
第2楽章は殿下が疎開で不在であることだし、第3楽章は疎開先からの帰還である。
ただし、標題がついているとはいえ、ストーリーに沿って進むのではなく、“あくまでもソナタの範囲内で感情を示すにとどまっており、いわゆる標題音楽とは一線を画している”(小石忠男氏)のである。
私が聴いているのは若き日のハイドシェックによる演奏。
1967-73年録音。EMI。
この出張の話は明日もしつこく続く。
旧館(~2014.6.21)入口
江別市雪情報総合案内
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© 2014 「新・読後充実度 84ppm のお話」
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私も以前はルービンシュタインの盤を持っていたのですが、レプリント盤だったので処分してしまいました。いまはハイドシェックのしか持ってないんです。