濡れなかったから、ウソは許す
昨日の朝の天気予報は、もうすぐすると雨が降り始めるというもの。
私は雨がとっても嫌いなので、ふだんただでさえ家を出るのが早いのに、それよりもさらに10分早く出た。
ほんとうは15分早く会社に向けて出発するつもりだったのだが、ガスコンロ-いつもは朝はガスコンロを使わないようにしているのだが、この日は前日の夜に作った煮込みほうとうの残りを温め直した-とタバコの吸い殻の火気の点検、ガス湯沸かし器のスイッチがOFFになっていることのチェック、家電製品の電源オフの指さし確認、シャワーやトイレの水が確実に止まっているかの様子うかがい、に時間を要し、計画よりも5分遅れとなってしまった。
昨日の朝も暑かった。
歩いていて汗ばんだ。
もう夏用のスーツでもよいくらいだ。
2週間ほど前までは、朝晩は薄手のコートを着ても汗ばまないくらいだったはずなのに、急に暑くなった。
私の計算通り、支社に着くまで雨は降らなかった。
ついでにいうと、12時のチャイムが鳴っても雨は落ちてこなかった。
天気予報のうそつき……
が、12:10に突然降り始めた。「傘を持たずに昼を外に食べに出た人は、帰りはずぶぬれってことだ」と、朝のうちにセブンイレブンで買った明太のり弁を食べながら、自分の危機管理能力の高さに満足した。
いくらカツオを仕入れてしまったからって……
こう急に暑くなると、おまけに湿度も増してくると、食中毒が心配になってくる。
昼近くになると路上で売られ始める弁当。
あの人たちはこれから暑くなる季節も、そして真夏も、ああやって弁当を売り続けるのだろうか?
万が一のことを考えて、不安にならないのだろうか?
そういう屋外での販売ではなく仕出し弁当ではあったが、帯広にいたときに食中毒警報が発令されている暑い日だったのにもかかわらず会議で出た弁当のふたを開けるとカツオのたたきが入っていた、その衝撃の光景を思い出してしまう。
私はカツオのたたきをそもそも口にしない-ある一件があってから食べられない-ので、たたき自体ならびにその周辺部を口にすることはなかったが、ほかの人たちは大丈夫だったのだろうか?
まあ、騒ぎになってなかったから大丈夫だったんだろうけど……
美しく伸びる糸
高校のとき、私はほぼ毎日弁当を持って行っていたが、同じクラスの神奈川君は学食に行くか(珍しく高校なのに学食があった)購買店舗でパンを買っていた。
ある夏の日。
その日の神奈川君の昼は、午前中のうちに購買店舗のとりまとめで申し込んだパン。
ハムロールとジャムパン。
ここの写真にあるように、当時も円い食パン(耳付き)だった。
この車輪のようなパンによる、ハムとレタスとマヨネーズのサンドイッチがハムロールである。
まだあるとは知らなかった。ロングセラーだ。
神奈川君が大きな口を開けてハムロールにかぶりつくと、そのあとに糸がひいた。キラリと光ったのが私には見えた。
私は間違って納豆ロールを買ってしまったのかと思った(そんなもんないけど)。
が、袋はいつものハムロールだったし、ハムロールとしっかり書かれていた。
ハムかマヨネーズのどちらかに悪い菌が大増殖したようだ。
でも、本人は糸が生じていることに気づいていない。
たぶん明らかに味にも変化が起こっているはずなのだが、購買で一緒に買った瓶入りの明治スカット-オレンジ味-ですぐに胃袋へと流し込んだので、これまた気づいていない。
私は「神奈川君。いま口とパンの間に細い糸が伸びてたように見えたけど、手品でもした?口の中に糸巻きとか入ってる?」と、婉曲的に教えてあげた。
神奈川君は一口分欠いた手にしたパンを、半分に裂いてみた。
ニュワニュワニュワニュワと、それはそれは繊細で透き通った糸が無数に……
てなことで、今日はサン=サーンス(Camille Saint-Saens 1835-1921 フランス)の交響詩「オンファールの糸車(Le rouet d'Omphale)」Op.31(1872)(ルーセルの「蜘蛛の饗宴」と迷ったが)。
ギリシア神話を題材にした作品で、殺人(殺神?)の罪を償うために女王オンファールの奴隷となって働くヘラクレスと、美しいオンファールの魅力を描いている。
N.ヤルヴィ指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団の演奏を。
2011年録音。シャンドス。
さて、神奈川君はもちろんすぐに購買店舗に行き、返品。お金を返してもらった。それに加えておなかがピーチクパーチクして、6時間目が始まる前に学校をあとにした。
しかし、考えてみればこのときも食中毒騒ぎになった記憶がない。
ハムロールは日々、けっこうな数が売れていたはずなのにもかかわらず、である。
となると、運の悪い神奈川君は購買のオヤジが隠し持っていた前日の売れ残りにヒットしてしまったということも考えられる。
そうそう、ほうとうの話。
別に私はほうとうが好きなわけではない。というか、食べる習慣がない。
が、どこでもらったのかわからないが、乾麺とつゆのセットがずっと台所の棚の奥に置いてあった。
いよいよ今月が賞味期限なので、日曜の夜に作ってみたのだった。
それから天気の件だが、雨が降り始めたかと思ったら、それはけっこうな勢いとなり、夕方には風も相当強くなった。という事実を報告しておく。

そんなものがふりかけになっているんですね。それは怖い!
ハムロールは、明らかにコウバイおやじが前の日の売れ残りを神奈川君に売ったんだと思います。