変な名前……
先週出張で札幌に行ったときもアレを買ってきた。
アレと自分で書いて急に頭に浮かんだのが“アラ!”。
海苔の佃煮である。
つまりは桃屋なら、古くは“江戸むらさき”、現在は“ごはんでよ!”と同種の商品である。余談だが“ごはんですよ!”にも小さな文で“江戸むらさき”と書かれている。
子どものころ初めて、ふつうの“江戸むらさき”ではなく“江戸むらさき特級”の瓶を目にしたときは、そのカネゴンの顔を縦圧縮したようなフォルムにうっとりしたものだ。
“アラ!”
線路沿いの木造の物置小屋に貼られたそれだけしか書いてないブリキの看板を見かけたのも子どものころだ。
奥さま、何に驚いたんですか?って感じだ。
だが、それが海苔の佃煮の商品名だと知ったのはずっとあとのこと。
関西のメーカーのものだというが、北海道のスーパーではあまり見かけた記憶がないし、私は口にしたことがない。
で、“アラ!”の名の由来が何なのか私にはいまだに不明である。
きっと命名にまつわる奥深い秘話があるに違いない。
3つの秘伝のハーモニー
で、アレに話を戻すが、アレというのは西山製麺のラーメンスープである。
スーパーなどで売っているラーメンスープは濃縮したスープだけというのが主流だし(便利だからだろう)、西山にもそういう商品がある。
しかし、私が好んでいるのは昔からある、液体の濃縮スープの他に、粉末の調味料とラードがセットになったもの。それもやはり醤油味がお気にだ。
麺はこちらのスーパーでも西山のものが売られているので、ここ名古屋の地でもサッポロラーメンの祖である西山ラーメンを食べることができるのである。玉子めんである必要はないんだけど……(しかも一玉税抜115円!)。 でも、めん助を目にすると癒されるぅ~。
土曜日の昼にはさっそくラーメンを作って食べる気満々、流行性感冒になんか負けない元気な子、である。
袋に描かれた、何してんだかわからないお姉さんも、顔を見るに、気合いは入っているようだし。
アレッ?アラ!の話の方がアレの話より長くなってしまったでアル。
かの地は、もう新緑が萌えているかも
話は変わるが、今年の立春は2月4日だった。
立春というのは、そのころから徐々に徐々に寒さが和らいでいくという日である(その前日は季節が切り替わる節目となる節分だった)。
春が近づくにつれ、雪も氷も解ける。
北海道にいるときにはまだまだぜんぜんそんな実感がないが、1月23日に猿払村の海で接岸した流氷は、やがて遠のいていくわけだ。
そんななか、氷山係長が転勤することになった。
ここよりも西、商人の街へ、である。
♪ 流氷とけてぇ~ 春風吹いてぇ~
という歌が頭に浮かぶ。
吉田弘作詞、船村徹作曲の「宗谷岬」である。
が、こっそり気づいてしまった人もいるだろうが、流氷と氷山は違う。
だから氷山係長の送別にあたって、私は「宗谷岬」を選ばない(クラシック音楽じゃないし)。
近くまた乾杯しましょうぜ
やはりここは、マーラー(Gustav Mahler 1860-1911 オーストリア)の「大地の歌(Das Lied von der Erde)」(1908-09)だろう。
何度も書いているように、私はこの交響曲(でもあり連作歌曲でもある)の終楽章(第6楽章)「告別(Der Abschied)」の最後の詞がひどく好きである。
この世(地)に希望を見い出せなかったので山へと去ろうとする男が、最後に友人に言う言葉である。
原詩は王維の「送別」。マーラーはH.ベートゲがこれを独訳・改編した詩を用いた。
Die liebe Erde alluberall Bluht auf im Lenz und grunt aufs neu!
Alluberall und ewig Blauen licht die Fernen!
Ewig......ewig......
いとしきこの大地に春来りていずこにも花咲き、緑新たなり!
遠き果てまで、いずこにも、とこしえに青き光!
とこしえに……とこしえに…… (渡辺護 訳)
今日は私が「大地の歌」を知ることになった、私的な歴史的演奏であるライナー/シカゴ響の演奏を(ここでも取り上げている)。
独唱はフォレスター(アルト)とルイス(テノール)。
1959年録音。RCA。
えっ?エッ?ゑっ?
ハ・イ・バ・ンだって?
「大地の歌」の第1楽章には、
この黄金の盃を底まで飲みつくせ!
というフレーズがある。
また、氷山係長と飲める日を楽しみにしている(特別付録:等身大オディール・ホッキー)。
マカロニほうれん荘、ひっどく懐かしい~!