あなたならどっちを選ぶ?
CDのリッピング作業。
地道にちんたらとめげることなく行ない続けてその後も進めている。
取り込んだ音源ファイルは外付けのハードディスク(以下HDD)と無線LANディスク(NAS)に保管。一方がメイン保管場所で、もう1つがバックアップである。
リッピングによる音源の保管は、
① 外付CDドライブ →(USBケーブル)→ PC →(USBケーブル)→ 外付HDD
② 外付CDドライブ →(USBケーブル)→ PC →(無線LAN)→ NAS
という2つの方法がある(PC内蔵のCDドライブがしばしば予期せぬときに気を失ったり、ディスクが引きこもって出て来なくなるようになったのは痛い。まったく関係ない話だが、私は内臓料理は苦手である)。
またこの音源ファイルを再生するには、
① 外付HDD →(USBケーブル)→ PC →(USBケーブル)→ DAC内蔵CDプレーヤー
② NAS →(無線LAN)→ PC →(USBケーブル)→ DAC内蔵CDプレーヤー
という同じく2つの方法がある。
要するに、通常使う保管場所をどちらかにするかの違いだが、誰もが迷わず選ぶのはリッピング&再生用にNASを使い、外付HDDをバックアップ用にするという方法だろう。
だが、そう簡単にいかないのが不幸な星の下に生まれた私の宿命である。
ボトルネックはどぉ~こ~だぁ~?
私を悩ませているのは無線LANである。
ここで世の中の無線LANの規格と速度を整理すると、
[規格] [最大速度] [周波数帯域]
IEEE802.11b 11Mbps 2.4GHz
IEEE802.11a 54Mbps 5 GHz
IEEE802.11g 54Mbps 2.4GHz
IEEE803.11n 300Mbps 2.4/5GHz
IEEE803.11ac 1300Mbps 5 GHz
ということになっている。
My PC は5年前に購入したノートPC(ウインドウズ7)。
内蔵ワイヤレスLANは 11n 対応(b/g/n準拠)。つまり、11b と 11g と 11n での通信ができる。
逆に言えば、対応しているのはいちばん速いものでも 11n なので、300Mbps 以上の速度はパソコンを頭の上にかざそうが、(無線である意味がなくなるが)無線LANルータの目の前でパソコンを使おうが、時間が経って固まってしまったバリウムのように出ないものは出ない。
しかも 11n ではあっても、障害物に強く距離も長いが電子レンジやコードレス電話の電波干渉を受けやすいという 2.4GHz のみに対応。5GHz 帯は受信できない。
一方、使っている無線LANルーターは、11ac にまで対応した機種で(ここに書いたように、購入したいきさつはソフトバンクのレンタルが高いことに気づいたからである)、最大速度は 5GHz帯 の 11ac で867Mbps をビシバシ放出するタイプ。2.4GHz 帯での最大速度は 11n の 300Mbps である。
ただ、いくらビシバシ放出してくれても、上に書いたようにPC側が最大でも 300Mbps までの 2.4GHz・11n でしか受信できないので、私は高性能な 5GHz 帯の恩恵を授かることができない。
完璧に宝の持ち腐れ、能ある鷹は爪を隠すじゃなく、能ない鷹子(今日のPCの源氏名だ)のせいで私は爪を噛む、という歯痒い状況に放置されているのだ。
無線LANを使用しているときに、ウインドウズの“ネットワークと共有センターを開く”→“ワイヤレスネットワークの接続の状態”で通信速度を見ると、たいていの場合 54.0Mbps という値が表示される。たまに 78.0 とか 117.0 に上がるが、それはつかの間の幸せ。一瞬にして 54.0 に戻ってしまう。
この部屋で契約している回線は“フレッツ光ネクスト 隼”なので、壁のモジュールジャックからLANケーブルで結ばれた無線LANルーターまでは(理論値だが) 1000Mbps(1Gbps)の通信速度がある。
無線LANルーターの最大速度は 867Mbps だからここでちょいとブレーキを踏まれるが、PCの受信能力は 300Mbps しかないので速度はさらに半分以下に落ちてしまう。
さらに悪いことは重なるもので、落ちてしまうといっても 300Mbps はあくまで最大速度の理論値。
実際にはほとんど常に 54Mbps の速度しか出ていないわけだ。これを理想と現実のギャップという。
ギガ速で担担麺が運ばれて来る錦城とはえらい違いだ。
はやく感じていたんです、アタシ
正直言ってこの速度でもインターネットを使っていてストレスを感じることはほとんどない。
疥癬が腫れて、いや、回線が晴れて有線から無線になった瞬間に、1000M が 54M と 1/20 にまで落ちてしまっていて、そりゃすっごくすっごくもったいないが、ストレスを感じないし、カンジタところ、いや、感じたところでパソコンを買い替えない限りどうしようもないことである。
帯広にいるときには、自宅に戻ったときにVista機を使うとその遅さにイライラし、逆に帯広の(いま使っているこの)PCは速いなぁと満足し何不自由していなかったくらいだ(ただし、自宅の方は昨年の春にウインドウズ10のノートに買い替えて、PCの能力ではこちらが劣勢に立たされている)。
このようにインターネットは、まあよい。
ところがである。
この速度ではCDを取り込んだり再生するPC側と音源ファイルが保管されているNASとの通信にあたって、すっごくすっごく不自由な思いをすることが明らかになったのだった。……たぶん明日じゃない日に続く
バーンスタイン/ボストン交響楽団によるベートーヴェン(Ludwig van Beethoven 1770-1827 ドイツ)の交響曲第7番イ長調Op.92(1811-12)。
1990年8月19日に行なわれたタングルウッド音楽祭でのライヴ。
バーンスタインの最後のステージとなった演奏である。
この演奏の約2か月後の10月14日にバーンスタインは亡くなった。
遅いテンポのベト7の演奏として知る人ぞ知る演奏。
晩年のバーンスタインの演奏は概してテンポが遅くなっていったが、ベト7ではそれがしみる。
この年の6月。第1回目のパシフィック・ミュージック・フェスティバルが札幌を中心に開催された。
私はバーンスタインがロンドン交響楽団を振った演奏会でこの曲を聴くことができたが、そのときも遅かった。
あまり遅いと間延びして聴こえるものだと思うが、このときの演奏にはすごい深みのようなものを感じたのを記憶している。もちろん、バーンスタインがこのときすでに病に置かされているなんて知らなかったが……