贅沢配合よりもノコギリヤシ単品に期待
 またまた、新聞に載っていた精力剤の広告である。

 世の中には強壮作用のある私の知らない物質がいろいろあるものだ。
 私が知ってるものにしたって、名前を知っているってだけであって、この手のモノを飲んだことがない。

 こういうものににお金を出すくらいなら、ノコギリヤシのサプリを買って突如襲ってくる尿意をなんとかしたほうが断然実用的なのである。
 そう。私にとっては強壮剤や精力剤は実用的なものではない。これでノコギリヤシが効いてくれれば言うことなしなのだが……

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  変な病気にならないですよね?
 で、この広告を見て、へぇ~こんなんもあるんだと思ったものが3つ。
 そのうち2つは動物性であり、精力がみなぎる以前に、こういうのを飲んでも大丈夫なもんなんだと思った次第。

  その1~擬黒多刺蟻
 すごい名前だ。黒に見違えるたくさん刺してくるアリ、なのかあるいは、黒くてたくさん刺してくるアリに似たもの、なのかわからないが、たいそうすごそうなアリだ。

 調べてみると数多くあるアリの種類の中でも中国政府が唯一認可しているアリだそうだ。何に関して認可しているのかは知らんが。「玄駒」とも呼ぶらしい。

 薬膳料理にも使われるそうで、ミネラルが豊富な火山地帯に生息しているのでこのアリにもミネラルが豊富なんだそうだ。私なんか、あの節っぽい体を見ると、どんな昆虫もミネラルの塊りのように思えちゃうのだが……
 さらに、エクジソンという成分が滋養強壮に良いらしい。これはアリのパワーの源で、擬黒多刺蟻は自分の体の何百倍もの物を持てるというのだが、それはエクジソンのためだそうだ。
 ウチの庭にも大きな獲物を運んでいるクロアリを見かけるが、擬黒多刺蟻の場合はわが家のアリのさらに10倍もの力があるそうなのだ。火事場のばあさんも真っ青なバカ力だ。

AsadaSoukyu1  その2~サソリエキス
 サソリというと、浅田次郎の「蒼穹の昴」で、官吏の楊喜禎は対立派によって靴にしのばせてあったサソリに刺されて死んでしまう。そんなこわいムシである。

 あるいはすっごく幼いころ(私が、である)、テレビで観たモノクロ映画「汚れなき悪戯」で、マルセリーノが空想の友人マニュエルだかと外で遊んでいると、サソリに刺されて(当然、架空の人物ではなくマルセリーノが)親代わりの神父さんたちを慌てさせる。そんな憎むべき節足動物である。

 毒を持たない種類もいるそうだが、どっちにしろ気持ち悪い。
 気持ち悪いけど昔から精力剤として知られていたという。男ってビンビンになるためには気色の悪いムシのエキスも吸い取ろうとするのね。
 サソリエキスにはアミノ酸が豊富で、性ミネラルとも言われる亜鉛も豊富なんだそうだ。
 なら亜鉛のサプリに味の素をまぶして食えばいいような気もするけど。

 ちなみに私は亜鉛のサプリはときどき飲んでいる。というのも、ある本(そこそこ科学的な本)におなかが緩くなりがちな人に効果的と書かれていたからだ。でも、ビオフェルミンの方が良いかしら?

 サソリに関しては、なんとなくイメージ先行って感じもしなくはない。

  その3~トンカットアリ
 豚の血管をも噛み切るアリのことではなく、これは植物。
 朝鮮人参などと同じ仲間の熱帯雨林に育つ常緑低木で、根から抽出したエキスがエネルギーのもとになるという。
 男性ホルモンであるテストステロンの分泌を促す作用もあるという。
 ってことは、男性の更年期障害の症状に効果があるかもしれない。

  お値打ちな商品?

 この“昇龍源”の広告だが、

 なんと!!90粒入でこのお値段 
 通常価格1袋8,700円(税込)が1,995円(税込)
 ただし、お一人様最大3袋までとさせて頂きます
 50歳未満の方は通常価格


と書かれている。

 ちなみに“昇龍源”でネット検索してみると、龍精源、龍勢源、龍虎源(なんとこれ、15万円!)ってのが出てくるが、“昇龍源”にはヒットしなかった。

 けど、いくらお一人様3袋までの特別価格とはいえ、安すぎない?
 90粒で2000円弱って、胃薬とたいした変わんないもの。


Shostakovich14Barshai  死者は何を歌う?
 さて、1年の最後の日にふさわしい話題としたところで、今日取り上げる楽曲は、これまた1年の最後の日にふさわしい、かどうかは議論の余地もないだろうが(もちろん、ないということに)、昨日までの記事内容も踏まえて、ショスタコーヴィチ(Dmitry Shostakovich 1906-75 ソヴィエト)の交響曲第14番ト短調Op.135死者の歌(Lyrics for death)」(1969)。

 ここで書いているように、死をテーマとしたリルケなどの11の詩を用いた歌曲のような交響曲。

 今日は人によってはショスタコーヴィチの解釈者として高く評価しているバルシャイが指揮した演奏を(確か宇野功芳氏も褒めていたような記憶がある)。

 タワレコのオンライン・ショップでも、次のように紹介されている。

ShostakoSymWDR バルシャイが私財を提供して完成させた“思い入れに満ちた”傑作ボックス!
 20世紀ソヴィエトを代表する大作曲家、ショスタコーヴィチの交響曲全集が、グッド・プライスでリリース以来の大ロング・ヒット継続中!
 バルシャイ(1924年8月28日~;ロシア出身でスイス在住)といえば、ショスタコーヴィチに師事した経歴を持ち、交響曲第14番の初演指揮者であり、弦楽四重奏曲第8番を「室内交響曲」として編曲したりしており、非常に関係の深い音楽家。当初はヴィオラ奏者として名声を確立しましたが、1976年にイスラエルへ亡命し、その後は数々のオーケストラの指揮者、音楽監督を歴任しました。1991年、ドイツの若手演奏家とモスクワ・フィルのメンバーで構成された臨時オーケストラを指揮。1993年4月、亡命以来久々にロシアに帰郷して、ロシア・ナショナルSOとベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」、モスクワ放送SOとマーラーの交響曲第9番を演奏したことは有名。1966年、初来日~以来、来日多数。
 ここでは、バルシャイ自らの充実した音楽活動期にあたる90年代以降、着実に録音を残してきた交響曲全集を収録しています。オーケストラは、ケルン放送SO[WDR交響楽団]。ベルティーニとの関係が深かった時期の“スーパー・オーケストラ”なだけに全曲を通じて、機能性豊かで表現の幅、巧みなニュアンス、音響の厚みとデリケートな音楽表現が秀逸に実感されます。バルシャイが私財を投資して完成させたCDボックスという、思い入れに溢れた全11枚組にて、熟聴すべきアルバムと言えるでしょう。


 オーケストラはWDR交響楽団。独唱はシモーニ(ソプラノ)とヴァネエフ(バス)。

 1999~2000年録音。ブリリアント・クラシックス。

 今年1年も、当ブログを読んでいただきありがとうございました。
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