
4日前の会議は札幌の中心部ではなく、東区で開かれた。
そこで私は苗穂駅までJRを利用した。
苗穂駅で乗り降りすることは、私はほとんどない。
中学生のときに友達とここに来てSLの写真を撮った。
子供が小さいとき、鉄道の日のイベントで会場となるJR苗穂工場を訪れた(今年は今日が公開日である)。
6年前の人間ドックで、健診センターの最寄り駅である苗穂駅に降り立った。
その程度である。
上に書いたように苗穂駅には車両工場があり、大きな敷地を有している。
この敷地があるため、駅の南北は分断されている。
北側にはArioやサッポロビール園がある。が、駅に北口はない。
駅の唯一の出入り口である南側に出ることになるが、Arioの方に行くには長い“おか橋”(跨線橋)を渡るか(ここに苗穂駅が移転するらしい)、もっと札幌寄りにある開かずの踏切を使うしかない。
さて、会議が終わり、このあたりをうろついたが危うく迷うところだった。
東西南北を一瞬見失った。
が、苗穂工場の給水塔を目印にしていたので、少なくともどんどん苗穂駅から離れてしまうってことはなかった。この点が、山菜採りの老人と私との危機管理の違いである。
SLチックなディーゼル機関車
ところで、苗穂駅のホームに降り立った時に、珍しいものを見た。
鉄道ファンを辞して久しい私だが、やはりほんのちょっぴり血が騒ぐ。
黒塗りのディーゼル機関車なんて初めて見た。
しかも、スーパー宗谷で使われるキハ261系をどっかに牽引していくところだった。
それを見続ける時間は私にはなかったけど……
駅舎(ホームに面した側)には粋なような、そうでもないような看板が。
萩原朔太郎の「旅上」である(“旅情”ではない)。
そうでもないようなって思ったのは、きっと最後の“苗穂発”ってところから。
旅行でこの駅から出発するって人は、あまりいそうにもない。快速も特急も停まらないから。まっ、普通列車に乗ってどこかで乗り換えるって方法はあるが……
ホームから改札口に向かおうと、おとなげなくゆっくり階段を上っている若い母と3歳ぐらいの子の2人を急ぎ足で追い抜き跨線橋に上りきると、ちょうど特急が。
ヘッドマークは“臨時”。
おそらく、現在運休しているスーパーとかちやスーパーおおぞらの代わりに札幌⇔トマム間を1日3往復している列車だろう。
血で笑わんで!
1964年の大映映画「座頭市血笑旅」。
主演はもちろん勝新太郎。
そして音楽は伊福部昭(Ifukube,Akira 1914-2006 北海道)である。
全曲を聴きたければ、DVDでオリジナルのサウンドを求めるしかないが、録音は当然ながらモノラル。
ステレオで聴きたければ、(もちろんほんの一部だが)林友声/上海交響楽団が1997年に録音しなおしているものがある。良い音、大きな編成で聴きたければこちらということになるだろう。
ただし、このCDは廃盤。
それにしても、血笑旅ってすごい言葉だ。
地方まで出向いていく献血車の場合は、血漿旅ってことになるんだろうけど……