うめき、ともしびが消えた
3か月ほど前に自宅の給湯ボイラーを交換した。
お願いもしないのに熱湯が出てくるようになったからではない。
が、運転中にヒュインヒュインという音が大きくなってきて、私の耳にはそれが悲鳴のように聞こえるようになってきたのだ。
ボイラーの気持ちがわかる私としては、もういつ突然死、もしくは、かたくななボイコット状態に陥ってもおかしくないと判断した。
もう19年間使い続けてきたのだ。よくここまでもった。よくぞ長い間がんばってくれた。良いモノにあたったと感謝せざるを得ない。もっとも氷山係長のところのボイラーは26年モノではあったが……
交換後、これまでとは違う静かな音でお湯を沸かしてくれた2代目ノーリツ号であったが、先日心霊現象のようにリビングにあるリモコンの表示が暗くなったり明るくなったりを繰り返したり、時刻が狂ったり、設定した湯温が勝手に変わったり、「恨めしやぁ~」ではないがジージーと爺さんに物をねだる孫の声のような音がしたリ、挙句の果てには電源が切れてしまうという症状が現れた。
まぁ、脈がないような状態だわな
メーカーの点検によって、リビングのリモコンに来ている電圧が非常に不安定かつ低下していることがわかった。
実はボイラーとリモコンは新しくなったが、本体から床下と壁の中を通ってリモコンにつながるケーブルについては旧来のものをそのまま使い続けることにしたのだ。もしかするとケーブルの老朽化によって不具合が出始めたということも考えられた。
しかし、
① ケーブル(コード)が経年劣化することはゼロではないだろうが、だとしたら壁の中に張り巡らされている100V電源のコードだってそういうことが起こりうる。しかしあまりそういう例は聞いたことがない(たまに漏電火災というのも耳にはするが)。
② だとしたら、ネズミなどが噛んでケーブルが切断しかかっていることが考えられる。
③ が、1年半ほど前に床下でニンニクが散らばっているという不可解な事象はあったが、ネズミなどがその後も床下にいるとは考え難い。また、そのときにケーブルを噛み噛みされたとしたら、リモコンの異常はもっと早くに起こったはずである。
④ となると、ボイラー交換したタイミングで不具合が出たので、工事の際にケーブルを傷つけるなどした可能性も考えられなくもない。
⑤ だが、それなら3ヵ月後ではなくボイラー交換と同時に不具合が生じるはずである。
ということで、要するに何が原因かわからないままである。
が、リモコンを新しい別なものに変えもらっても症状は改善されない。
だいいちテスターで測ると、リモコンに届いているケーブルの電圧が死の直前の血圧のように明らかに低い。
となるとメーカー・マターではない。そこで、設置業者にケーブルの交換を申し入れた。
電圧が15Vだというからまさかとは思うが、それでも場所柄浴槽の中に電気が流れ、湯が電離し、こりゃいいシビレだわいなどと言ってる間に心臓が止まっちまうことだって……ないな。
床下に潜ってもらい、これまでのケーブルに新しいケーブルを結び付けて引っ張る。これで新しいケーブルを壁の中に引き込み通すことができるが、途中それを間違って切断してしまった1人の作業員のせいで、この業者(メーカーではなくボイラーの設置業者)のチーム内で一時不協和音が響き渡ったが、なんとか作業が終了(そのトラブルのせいで作業は2時間にも及んだ)。
そのあとはリモコンは正常に機能している(写真は蘇生したあとのリモコン)。
ヴァレーズ(Edgard Varese 1883-1965 フランス→アメリカ)の「イオニザシオン(Ionisation)」(1929-31)。
Ionisationは“電離”の意。
この作品については過去にここで取り上げているが、13の打楽器とサイレンのためのバリバリの前衛音楽。
少なくとも“バ~リバリッゆーばりっ”ってコマーシャルが流れていたころは、まだまだ前衛的だった。
いま聴くと、でもなんとなくお茶目な感じがするのはなぜだろう?
メータ指揮ロスアンジェルス・フィル、ロスアンジェルス・パーカッション・グループの演奏を私はずっと聴き続けている(頻度は3年に1回くらいだけど)。
そーいやぁ、おとといもイオンのことを書いたような……
1971年録音。LONDON(デッカ)。
原因は古いケーブルだったことに間違いないということになったが、なぜそのようなトラブルに至ったのかはわからないままに終わった。古いケーブルを見るタイミングもなかったし。
ちょっと腑に落ちないが、考えてもどうなるものでもない。