持ち歩き続けると傷みます
名古屋に戻るときの新千歳空港は、ガラガラかと思いきや、全然混雑していた(快速エアポートはあまり混んでいなかったのに)。
朝のうちから羽田便がことごとく欠航していたので、多くの人があきらめてすでに空港をあとにしてしまっているかと思いきや、運航再開を待つ人でごったがえ、とまではいかないまでも、なかなかな賑わいだった。
考えてみれば翌日は翌日で、関東で猛威をふるっているこの台風が北海道に来るわけで、たとえ暇だとしても「明日にしよ!」とはいかないのだろう。1泊分余計な出費になるし。
私だって名古屋便は平気だもんと思いつつも、もし明日までさらに怠惰な生活(精神的には緊張しているが)を引き延ばしていたらまずかったかもしれないのだ。
空港売店の冷蔵保存のおみやげが並んでいるストッカーには“飛行機の遅延をよくお確かめになってお買い求めください”と貼り紙がされていたが、さりげなく親切であると感心してしまった。
伊丹に引き返したばかりなので傷みません
いまから10数年前の12月の夜。
伊丹空港から乗った飛行機がなかなか千歳に向けて降下を開始しないことがあった。
ようやくアナウンスが流れたのだが、その内容は千歳空港が突然の大雪になり秋田上空で待機のため旋回しているというもの。
乗っている私は、ぐるぐる回っていることなどつゆ知らず、目も回すことなく読書していたのだった。
こういうケースは珍しい。
出発前に条件付きでの出発というアナウンスもなかったし、この雪はまったく予想できなかったようだ。
やがて燃料が限界に達してきていつまでもここでグルグルしてられないので伊丹に引き返すというアナウンスが。
私は当時まだ備え付けられていた機内公衆電話のところまで行き大阪支社に電話をしてホテルの予約の手配をお願いした。もう1泊大阪に泊まる羽目になったのだ。
鞄には搭乗前に買った要冷蔵の“プリン大福”が入っていた。
子どもたちが好きなのでおみやげに買ったのだった。
ホテルに着き、チェックインの手続きを終えた私はフロントのお兄さんに“よかったらこれ食べてください”とプリン大福を渡した。
いま思えば、「飛行機が引き換えしたせいで賞味期限が今日いっぱいのプリン大福を持ち帰れなくなった。だから皆さんで食べてください」と、自分が置かれた状況を説明をしなかった。
あのお兄さんが妙な誤解をして心が高まり、夜に私の部屋のドアをコンコンとノックしなかったことは幸いだった。
堤防がない?いずれ三日月湖が生まれるかも
私と入れ違いで休みを取って関西に遊びに行っていた長男が帰ってきたはずだが、彼も私同様台風の上を通り抜けることができただろう。
さて、火曜日はその台風の影響で北海道は再び大雨に見舞われた。
名古屋にいると当たり前のことだが北海道の天候の状況はほとんど報道されない。
関東圏が襲われるとNHKなんかは全国ネットで放送し続けるが、それとは雲泥の差だ。住んでいる人の数が違いすぎるといえばそれまでだが、あれだけ農作物に被害が出ていそうなのを見ると、もっと注視すべきことなんじゃないかと思う。
わが家は石狩川の下流近くにあるし、その支流である川はもっとそばを流れている。
そのすぐ近くの川の水位がジワジワと上がっていくのを見ると、まったくもって心穏やかではない。
昨日の早朝にようやく水位が上昇から下降に転じた(“はん濫注意水位”ではあるが)。
過去の災害経験からいまはもう十分な治水対策ができているとは聞くが、災害が実際に起こってしまったあとで「あれは想定外でした」で済まされてはたまらない。
ホント、よかった。
ところでその前日、つまりおとといの夕方に石狩川の下流が氾濫した。
場所は深川市である。
札幌からは100kmほど北に位置する。
なのにそこも“下流”なのである。
石狩川って、どこからが下流に相当するのだろう?(と考えていたら、疎菜課長が神居古潭から下が下流だと言っていた)。
氾濫した場所は堤防のないところだったそうで、つまりは治水対策が施されていない場所。
ということで、申し訳ないがそれなら氾濫もありうるかもと思ったが、これが堤防もきちんと整備されているとこ
ろだったら、私としては「まさか!」と10連発叫びをあげるところだった。
その氾濫箇所も昨日の朝には通常水位に戻っていた。
にしても、このあたり深い!
考えるだけで恐ろしい。
にしても急に増えたり、すぐに水が下がったり、相当たちの悪い病的気まぐれ女のようだ。
この地図で石狩川が真っ黒の線で表示されていたのを見たときは、そりゃそりゃ恐ろしいものを感じた。
なお、余計な情報かもしれないが、川の右岸と左岸がどっちがどっちかご存じだろうか。
上流から下流を見て左が左岸、右が右岸だ。
えっ?アフリカの国?それはウガンダ。
去年も取り上げているが、私が好きなヴァイス(Harald Weiss 1949- ドイツ)の「箱舟(Arche)」(1984)。
シアター・ミュージックであり、初演時のライヴ録音。
すでに入手困難なようだが(NAXOS MUSIC LIBRARYでは聴ける)、彼のユニークで斬新な(しかもこの曲はなじみやすいメロディーが次から次へと現われワクワクする)音楽はもっと人気が出てもいいような気がしてならない。
このH.ヴァイスだが、このところ新譜も見かけないが、お元気なんだろうか?……