帰れる状況下にない
結局のところ、自宅のことが心配なため-私の脳裏には少年時代(なんせ世田谷食品のグルコサミンの中田喜子が女子大生役だったってくらい昔のドラマなのだ)に“再放送”で目にしたドラマ“岸辺のアルバム”での、洪水で流される家の様子が浮かんでは消え、消えては浮かんだ-支社の人たちに私がいなくて寂しい思いをさせることを申し訳なく思いつつ、もしくは不在期間が長引いて多くのひんしゅく、反感、憎しみを買うこと(こちらの可能性の方が現実的)に心が浸水状態になったものの、休みを延長した。
なんせ、北海道最大の河川である石狩川が昨日危機に瀕したくらいの雨である。
しかも、昨日の朝は、そのあとももっともっと降るという予報だったのだ。
それにJRのダイヤだってズタズタなのだ。新千歳空港に行く“エアポート”には支障は出てないようだけど……。あっ、電車じゃないって!もうっ!
でも、こういうときはやっぱりNHKが頼りになる。月曜の朝までに150ミリ、月曜の朝から火曜日の朝までも150ミリ降るという予想だ。
折しも、常呂川が氾濫。だが、画面の“多いところ”の“ところ”は常呂ではない。全道が範囲なのだ。
このように緊迫した状況なのに、日テレではいつものように“アンパンマン”が放送されていた。
子どもたちに不安を与えまいとする粋な配慮と言える。
河川工事の効果を信じたい
実は私が家を建てたこのあたりは、35年ほど前に(おやおや、キハ183系のデビューと同じころだ)川の堤防が決壊し浸水した一帯に隣接している(実際にはここも浸水したという説もあるが、土地を購入する際に土地組合の人は「ここは大丈夫だった。浸かったのはもっともっと西側」と言っていたが、販売主の言うことだから、遅ればせながら今になってちょいと疑わしく思っている)。
つまり端的にいえば川が近いわけで、その後は大規模な河川工事が行なわれちょっとやそっとの大雨ではビクともしないはずだが、今回の雨はシトシトピッチャンではなく、大五郎も尻尾を巻いて逃げるほどの激しい雨になる可能性があり、そうなるとちょっとやそっとじゃない。
警戒せざるを得ないのだ。
でも、わが家の庭木に警戒心の強い野鳩ならぬヤマバトが巣を作っているくらいだから、あいつがよほど野生の勘が働かない性格ならともかく、そうじゃないと信じて、きっと自然災害は来ないだろうと、まさにわらをも掴む思いで、何事もないことを願った。
そしてまた自分のこと以外でも、去年まで仕事でよく行っていた陸別や本別、新得などに危険情報が出ているのをテレビのテロップで見て心配し、先週も実際に浸水した足寄の映像を観て心を痛めた。
細かな配慮、目立たぬ人助け
そんなわけで、ちょうどブラジルとドイツのサッカーの試合が終わったあとに-こういう気遣いは大切である-疎菜課長に電話をして、「防災のため今日戻るのを断念する。間違っても北海高校の決勝戦をテレビで観たいからじゃない。そうそう、明日は名古屋が台風の影響を受けないよう策を講じるように」と、窮状を訴えた上に無理難題を言い、強引に納得させたあと、飛行機の解約と新規予約をした。

私のキャンセルによって、空席待ちで救われた人が間違いなく1名いた。私はこういうところでも人の役に立っているのだ。
ドヴォルザーク(Antonin Dvorak 1841-1904 チェコ)の交響詩「水の魔物(Vodnik)」Op.107,B.195(1896)。
「水の精」と訳されることもあるこの曲は、K.J.エルベンの民話集のバラードによっているが、ドヴォルザークは同じ1896年にこのエルベンのバラードによる交響詩をほかに3曲書いている(「真昼の魔女」「金の紡ぎ車」「野鳩」)。

交響曲第8番とのカップリング。
2013年ライヴ録音。pastier。
ところで昨日の記事で、生意気にも情報提供のあり方に疑問を呈した行政からの災害情報メール。
土曜から日曜にかけての夜中にも何通か届いたが、その1通を紹介しよう。
指定河川洪水情報
2016年08月20日23時30分 発表
石狩川下流にはん濫警戒情報が発表されました。
洪水警報(発表)
石狩川下流では、避難判断水位(レベル3)に到達し、今後、水位はさらに上昇する見込み
石狩川の奈井江大橋水位観測所(樺戸郡浦臼町)では、当分の間、「はん濫注意水位(レベル2)」を超える水位が続く見込みです。引き続き、洪水に関する情報に注意して下さい。
【現況・予想】
石狩川流域の流域平均雨量
19日23時00分から20日23時20分までの流域平均雨量 87ミリ
20日23時20分から21日2時20分までの流域平均雨量の見込み 8ミリ
篠路〔札幌市〕の水位
20日23時20分 1.56m(正常)(水位危険度レベル0)
21日00時00分 (欠測)
21日01時00分 (欠測)
21日02時00分 (欠測)
石狩大橋〔江別市〕の水位
20日23時20分 3.23m(正常)(水位危険度レベル0)
21日00時00分 (欠測)
21日01時00分 (欠測)
21日02時00分 (欠測)
月形〔岩見沢市〕の水位
20日23時20分 10.29m(正常)(水位危険度レベル0)
21日00時00分 (欠測)
21日01時00分 (欠測)
21日02時00分 (欠測)
奈井江大橋〔樺戸郡浦臼町〕の水位
20日23時20分 16.06m(正常)(水位危険度レベル2)
21日00時00分 16.38m(正常)(水位危険度レベル2)
21日01時00分 16.81m(正常)(水位危険度レベル2)
21日02時00分 17.23m(正常)(水位危険度レベル2)
橋本町〔樺戸郡新十津川町〕の水位
20日23時20分 23.86m(正常)(水位危険度レベル1)
21日00時00分 (欠測)
21日01時00分 (欠測)
21日02時00分 (欠測)
納内〔深川市〕の水位
20日23時20分 60.29m(正常)(水位危険度レベル3)
21日00時00分 60.37m(正常)(水位危険度レベル3)
21日01時00分 60.58m(正常)(水位危険度レベル3)
21日02時00分 60.76m(正常)(水位危険度レベル3)
水位危険度レベル
■レベル5 はん濫の発生
■レベル4 はん濫危険水位超過
■レベル3 避難判断水位超過
■レベル2 はん濫注意水位(警戒水位)超過
■レベル1 水防団待機水位超過
というものだ。わかります?書かれている意味が。
まず“下流”の範囲がわからない。
よく読むと深川で水位危険度レベルが3ってことはわかったが、じゃあ間違いなく“下流”である篠路の人はどうするべきだというのだろうか?
23:30発表だから、21日0:00以降は未来時刻というわけで“欠測”なのかと思いきや、深川の納内(おさむない)は21日の0:00、1:00、2:00も“正常”となっている。この“正常”って何?
正常に計測できたという意味だとしたら、まだ来ていない時刻のことをそう書くのはおかしい。
じゃあ水位が正常ってことか?でも納内は水位危険度レベル3だ。どう考えても正常じゃない。
どうせ教えてくれるなら、ど素人=一般市民の誰が読んでも、わかりやすく共通の判断ができる発信をお願いしたいところだ。
本日、戻って来ました。
現時点では被害はないです。
が、今夜が第2の山場です。台風何号だかがいま東北にいます。それがまた来襲します。
祈ります。
サッカーに関しては、どっちにしろあんまり早い時間に電話するわけにもいかないので……