Obentou2  コラムはなくなったが……
 先日取り上げた「おべんとうの時間」。
 第2巻、第3巻も購入した。

 私がどうも邪魔に感じた筆者の“コラム”は、第2~3巻ではなくなったが、代わりに“エッセイ”になった。
 なーんだ。実質変わりない。
 第2巻、第3巻では申し訳ないが“エッセイ”は読み飛ばしてしまった。
 一緒に取材に連れて行った娘が、いまでは反抗期を迎えただの、そんなことはどうでもよいことなのだ(あれっ、読んでないのにどうして知ってるんだ?……一部眺めてみたと訂正しておこう)。

 第3巻に出てくる音威子府村の河上さんという方が語っている「塩引き鮭の周りのご飯は、味が浸みてて旨かった。あの強烈な思い出もあって、今もうちの(妻)に毎日おにぎりを作ってもらってるんです」という言葉におおいに共感。

 塩辛くて体によろしくないということで、今スーパーで売られている鮭の切り身は甘塩が主流。
 辛口(つまり焼くと塩が吹くような高塩分)の切り身も売っているが、逆にけっこう高い。

 さすがに私もしょっぱすぎるとは思うが、あれを削るようにほんの少量をおかずにしてご飯を食べると実に美味しい。
Obentou3 名古屋でも売ってるかな。焼いた後は、相当なことがない限りあの暑さの中でも腐らないはずだ。

  血糖値よぉし!血圧もよぉし!体重は64kg
 話は変わるが、先週の金曜日に札幌支社と打ち合わせする前に2か月に1回通っている病院に行った。

 血液検査の結果は、この日は血糖関係のものしか出なかったが、血糖値は120。高いが空腹時での測定ではないのでOK!の掛け声を医師からいただいた。
 また、ヘモグロビンA1cは5.8で正常値。
 看護師さんも笑顔でお見送りであった。

 また今回から血中の中性脂肪を下げる薬(専門的言えば高脂質血症の薬)がジェネリックになった。
 これで血圧、尿酸、中性脂肪とすべてがジェネリックになった。
 良いことである。

 唯一気にならないと言えばウソになるのは、週刊現代の執拗な薬否定連載特集であるが、そんなこと医者に相談できるわけもなく、かといって薬剤師にだって打ち明けることもできない。

 内科系の病院には定期的にかかっているが、ほぼ20年間通った札幌の歯科医院に見捨てられ、帯広の歯科医院で治療を再開(第1話第2話第3話)。一応悪いところは全部直したものの、転勤してからというもの、歯医者にかかっていない。

 つまりこれまでは3ヵ月か4か月に一回は口の中を点検してもらいクリーニングもしてきたが、こんなに他人様に口の中を見てもらってないのは、逆算すれば20数年ぶりということになる。

 このところ物を食べているとき(“物”以外にいったい何を食えというのだろう?)、噛むと左下の奥歯やら右上の奥歯、左上の奥歯や右下の奥歯が日替わりで痛むことがある。

 ちょっと心配である。
 榊原郁恵が笑顔で勧めている“生葉(しょうよう)”の歯ブラシを使っているのだが……

  見た目はどちらも醜悪。跳ぶか走るかだ
 話は再びかわる。
 このような事象を二転三転という。

 自宅の物置の横に使っていないレンガを10数個積んで置いてあるのだが、2日ほど前にそれを動かそうとしたら、そのあたりからゲジがボルトもかなわぬという超高速度で走り出てきた。
 それも1匹や2匹ではない。少なくとも私の目には6匹は確認できた。
 ぞっとしたが、以前の私ではない。
 前だったら私はアメリカのホラー映画に出てくる女性のように、ギャー、オォォォゥ!、◎▼@$△Å?*と叫ぶ、けど恐ろしいから尻もちもつけず、背中が氷河時代になっていたはずだ。
 しかし年を取るということはいいことである。恐怖に多少鈍感になったのだ。
 少なくとも、周囲に気づかれない程度に「わっ!」といった程度だ。多分周囲の誰もが私のことを勇壮な人間だと思ったはずだ。周囲に誰もいなかったのが残念である。

 実はこのような恐ろしい事態を想定し、私は片手にアースジェットを持っていた。
 四方八方に逃げ去ろうとするやつらにブシューと噴霧。あいつらは実はかなり弱い。すぐにへたばったが、1匹は何を逃れ、こともあろうに自宅の方へ走り、基礎の通気口から中へ入っていった。

 よりによって、わが家へ、床下とはいえ、不法侵入したのだ。
 が、もう追うことはできない。
 床下に潜って探し当てるという手もなくはないが、薄暗い床下でヤツと対面するのもいやだ。

 ゲジはとにかく気持ちの悪いやつだ。
 真梨幸子が小説でその気持ち悪さをよく表現しているが、とにかく醜い。
 色も形も艶も、私を愛するなと訴えている。

 しかし、ゲジは益虫なのだそうだ(正確には昆虫ではない)。
 ゴキブリやカマドウマといった害虫を捕獲して食べるんだそうだ。
 あの何十対あるのかわからない脚でつかみ、身動きできなくさせて食べるんだという。
 私なら抱きつかれた段階でショック死するな。

 良い奴だから駆除しないでほしいという声もネットにあった。
 が、あなたは遠縁のおばさんに「とってもいい人なの。足は速いけど繊細で。ただ眉が10対あるの」なんて人とお見合いをする気になるだろうか?

 カマドウマも私はぞっとするほど嫌いだ。
 しかもあいつらは殺虫剤をかけると苦しさのあまり飛び跳ねる。それが私への攻撃のようにさえ感じる。
 飛び跳ねないだけゲジの方がましか?しかも益虫だし。

 いや、だめだ。
 どっちも憎むべき存在である。

BartokPf3 私としてはゲジが暮らしやすそうな環境をとにかく作らないことに徹するしかない。-

 バルトーク(Bartok,Bela 1881-1945 ハンガリー)の「2つの肖像(Ket portre)」Op.5,Sz.37。

 「理想的なもの(Egy idealis)」と「醜いもの(Egy torz)の2曲からなる管弦楽作品で、「理想的なもの」(今日の文章の中では辛口鮭が該当する)は1907年から'08年の作曲。ヴァイオリン協奏曲第1番の第1楽章から転用された。

 「醜いもの」(今日の記事の中では……言うまでもあるまい)は1911年の作曲。「14のピアノ小品」Op.6(1908)の第14曲「ワルツ-踊る恋人」より編曲された。

 私はシュナイト指揮南西ドイツ放送交響楽団の演奏を聴いている。

 1989年録音。アルテノヴァ。