命名規則決定!というか、決断!
 右脳と左脳でそれぞれ審議が行なわれ、私がCDをリッピングする際に使うタグとその階層順序、入力情報のルールが決定した。

 Music Bee で“編集→設定→CDの取り込み”と進むと、“各トラックを個別のファイルとして取り込む時の命名規則”を設定することができる。

 それを次のようにした。

RippingKisoku

 これによって各トラックごとに作られるファイルは上の階層順でフォルダに保存されることになる。

 “ツール→CDを取り込む”で進むと表示されるCDリッピング(取り込み)画面は次のものだが、インターネットを通じて自動取得される情報は後述する箇所(フィールド)以外では採用せず、自分が定めたルールに従って各フィールドを入力しなおすことにした。

 ルールに従って各フィールドに情報を入力した画面がこれである。

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 以下、私が決めたそのルールをご紹介する(入力例の音源とサンプル画面が一致してなくてごめんね)。

  アルバムアーティスト(フォルダは第4階層)
 指揮者、演奏者、演奏団体などは半角カナ文字で、日本人演奏家の場合は漢字で入力する。

 オーケストラ作品の場合、指揮者と演奏団体の間は“/”で区切る。ソリストと指揮者の間などは“,”で区切る。
 主要なオーケストラの場合は略号を用いる(たとえばウィーン・フィルならVPO、シカゴ交響楽団ならCSO)。

 なお、下の〈アルバム〉のところで書いたように使用楽譜の版の情報なども、演奏者のあとに入力する。
 こうして演奏者名を五十音順に管理する(漢字表記のものは、たとえば岩城宏之なら“イワ_岩城宏之”とする)。
 
  アルバム(フォルダは第3階層)
 作品名を日本語名(邦題がないものは半角英字の欧文名)で入力する。
  入力例) 交響曲第6番ヘ長調Op.68「田園」(1807-08)
 
 オムニバス盤の場合は、アルバム名を入力。
  入力例) 珠玉のオペラ・アリア名曲集
  
 抜粋盤の場合は“-”のあとに、収録作品を表記する。

  入力例) 2つの演奏会用練習曲(1862-63)-第2曲「小人の踊り」


 組曲などへの編曲版や改訂稿などの場合は、上にアルバムアーティストの項に( )で入力。

  入力例1) 〈アルバム〉 バレエ「火の鳥」(1909-10)-組曲
          〈アルバムアーティスト〉 ケンペ/シュターツカペレ・ドレスデン(Ver.1919)

  入力例2) 〈アルバム〉 交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」WAB.104
          〈アルバムアーティスト〉 チェリビダッケ/ミュンヘンpo(Ver.1778-80:H)

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 交響曲や協奏曲などの通し番号については、第100番以上のものまである作曲家については、2桁台の作品には数字の前に半角1つ、1桁台の作品には半角2つのスペースを入れる。
 第10番以降の作品があり、第99番以内の場合は、1桁台の作品には半角スペース1つを入れる。
 これは、たとえば交響曲第9番がソートによって交響曲第12番よりあとの順になることを避けるためである。
  入力例) モーツァルトの場合
         交響曲第 2番の2の前に半角スペース1つ(1,3~9番も同様)

        ハイドンの場合
         交響曲第 10番の1の前に半角スペース1つ(11~99番も同様)
         交響曲第  1番の1の前に半角スペース2つ(2~9番も同様)

 1枚のCDに異なる作曲家の作品がカップリング収録されている場合や、1人の作曲家でも複数の作品が収録されている場合、原則としてCD単位ではなく作品ごとにリッピングすることとした(2枚目の画面写真のように、6番と12番のカップリングCDだが、ここでは12番のみをリッピング中である)。
   
  作曲者名(フォルダの階層は最上位)
 Beethoven、Mahlerなどラストネームのみ入力することで、アルファベット順に管理する。
 なお、同姓の複数の作曲家が存在する場合は、“,”のあとに半角でファーストネームのイニシャルを入力。

  入力例) バッハ,J.S. / モーツァルト,L. / モーツァルト,W.A.


 日本人作曲家の場合も同様だが、カッコ書きで日本語表記の氏名を書き加える。
  入力例) Ifukube(伊福部昭) / Yoshimastu(吉松隆) /Ishii,K(石井歓) /Ishii,M(石井眞木)


  ジャンル(フォルダは第2階層)
 次の区分を用いる。


 交響曲/管弦楽曲/協奏曲/室内楽曲/器楽曲/声楽曲/オペラ/音楽史/現代曲/吹奏楽

 このジャンル分けは音楽之友社の“レコード芸術”誌の月評に準じている。
 
 
 西暦4桁で録音年を入力する。

  ディスク番号
  このフィールドは使用しない。
  これはたとえば複数枚が組になったCDの場合の何枚目かという指定だが(1/2と2/2など)、過去の経験から1枚目と2枚目で得られる情報が異なるケースも多いためく、セットもののCDについては〈アルバムアーティスト〉の内容の末尾にCD1、CD2……と何枚目に当たるかの情報を付加することにした。

 アルバム単位ではなく楽曲単位で管理するため、この情報付加が必要なケースはそう多くはないと考えられる。
 マーラーやブルックナーなどのシンフォニーや、オペラのような1作品が1枚のCDに収まっていないときに必要な情報ということになる。
  入力例) ショルティ/CSO CD1

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  トラックタイトル
 必要に応じて情報を入力し直すが、通常は自動取得された内容を用いる。

 同じ楽曲でもCDによって“第3楽章”“第三楽章”“Ⅲ”“3rd mov”など表記はあまりに多岐にわたっている。
 これを直していては生きているうちにリッピング作業が終わらない(これをしなくても、ただでさえ怪しいものだ。リッピングを終えたころに死んでしまったら、まさに“骨折り損のくたびれ儲け”である)。
 楽章の順序が狂っていなければ、このフィールドの表示内容には基本的に目をつぶることにする。

 なお、やや気がかりなのは、〈アルバムアーティスト〉と〈アルバム〉のフィールド、特に前者に必要事項が入りきるかということだ。

 先日書いたように、細かな情報はワードでも管理しているので、入らない場合こちらの入力情報は大幅に簡素化することも考えなければならない。

MahlerKnaben マーラー(Gustav Mahler 1860-1911 オーストリア)の「むだな骨折り(Verlor'ne Muh')」。

 全12曲からなる歌曲集「子供の不思議な角笛(Des Knaben Wunderhorn)」のなかの1曲で、1892年の作。

 詞は、熱心に誘う女性と、一向に関心を示さない男のやりとりになっている。


 シュワルツコップ(S)とF=ディースカウ(Br)、セル/ロンドン交響楽団の演奏で。

 「子供の不思議な角笛」全12曲が収録されており、録音から長い時が経ってしまったが(音は全然悪くない)この曲の決定盤と言える演奏だと私は思っている。

 1969年録音。ワーナー(EMI)。

 明日はこの入力ルールに従ってリッピングした後に、思い通りの配列になってくれたか、その検証結果をご報告したい。